「マスター! はいみかん!」
私は、みかんの半分ほどマスターに押しやる。
「あれ? みかんきらいなの?」
「・・・マスターのためなら、みかんあげますよ」
少しほっぺたをふくらませて、みかんを食べる。
「・・・」
みかんの半分を手に持ったまま、しばらく何かを考えているみたいだ。しばらくしてマスターは、
「リンちゃん。はい口開けてー」
そう言って、私の口元にみかんを1つに分けて持ってくる。
「マスター、みかん食べないの?」
「もうリンちゃんは、可愛いんだからねー」
にっこり笑ってくるマスター。顔がほてってくる。
「・・・あれ? 顔真っ赤・・・」
「そ、そんなこと・・・」
「はいもうあーん」
顔はまだ熱いまま、口を開けてマスターの手からみかんを1つ食べた。そしたら、顔がもっと熱くなった。
「リンちゃん可愛いんだからねー」
再びにっこり笑いかけるマスター。
「・・・」
私はマスターの顔を見ずに、みかんを食べる。おいしい。
「リンちゃんってさ、みかん好きだよねー」
「そうですね」
みかんをもぐもぐ食べる。くせになる。
「私のことも好きだよねー」
「えっ・・・!?」
みかんが危うくのどに詰まりそうになった。
「・・・ね?」
「・・・えっ」
「私はリンちゃんのこと、好きだよ」
「・・・マスター」
「何?」
「・・・・・・私とマスターって、いいんですか?」
「うん」
「えっ・・・」
「女の子同士でもいいよ、別に」
「そうじゃなくて・・・」
「?」
「その・・・立場的に」
「そんなの気にしなくていいのに」
手持ちのみかんを食べ終わったマスターが、抱きついてくる。
「ま、マスターっ!!?」
「いいよね・・・リンちゃん」
そんな声で言われると、
「マスターがいいんなら、いいですよ・・・」
半分溶けそうな私は頷くしかなかった。
「これが愛か・・・」
「え?」
「何でもない。女の子抱きしめて愛を知るなんて、ちょっとだめだよね。あはは」
そう言って、私から離れるマスター。
「・・・いいと思いますよ、それでも。それで知った愛でも、愛と変わりませんから」
「・・・リンちゃーん!」
なんだか嬉しそうなマスター。再び抱きついてくる。
今だけはいいかなって、思った。
その後、カイトが帰ってこなくていいのに帰ってきた。
「ただいま、マスター・・・って、あああっ!??」
近くのコンビニに行っていたカイトは、リビングで私とマスターが抱きついているところを目撃する。
「あ、お帰りカイト」
マスターは私に抱きついたまま、にっこり言う。
「ちょ、マスター今すぐにリンちゃんから離れて下さいっ!!!」
「えー、やだー」
「あの、マスター。・・・僕の事、きらいになっちゃったんですか?」
「・・・そういうわけじゃないけどー」
「けどー」
マスターの真似をしてみた。
「リンちゃん、可愛いー♪」
そしたら、マスターがもっと抱きついてきた。
「・・・はぁ、マスター・・・・・・・」
すっかり落ち込んだカイトは、すごすごとリビングから去っていったのだった。
「大丈夫なんですか、マスター?」
「何が?」
「だから、カイトと気まずくないんですか?」
「全然」
「・・・」
ちょっとかっこいいなって思った。
「だって、アイス食べてたらカイトころっと忘れるもん」
「・・・」
それはなんだかなって思った。
「あ、そろそろ帰らなきゃだめな時間だよね?」
「そういえば、収録始まる・・・!」
「頑張ってね、リンちゃん」
ばたばたと玄関を走る私に、マスターは言ってくれる。
私はちょっと・・・じゃなくて、すっごく嬉しくなった。今日の収録、頑張れそうな気がした。
その後。
「マスター、襲ってもいいですかー♪」
「はいはい。今はだーめ」
カイトのアイスを食べると、ころっと忘れるのは後日マスターの話で本当なのが分かったのだった! 以上、リンさんでしたー!!
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