「ただいまー」
俺はそう言って、ドアノブを引いた。
いつもなら誰かしらが「おかえり」と声を掛けてくれるが、今日はその声がない。
そういえばリリィとキヨさんは里帰り、後は遊園地に行くって言ってたな・・・。
そんなことを考えながら、リビングに続くドアを開けた。


リビングに入ってきて驚いたことは主に三つ。
1つはメモ。チビが大会に行く旨を伝えるものだった。
2つは食べかけのサンドイッチ。
そして3つは、
「すぅ・・・」
るかが、床で丸まって寝ていた。

普通誰かが寝ていたら、ブランケットを掛けるか、たたき起こすかの二択だ。
だがここで考えて欲しい。
寝ているのはるか。無論、俺はるかが大好きだ。
そんな奴が自分の目の前で無防備に寝ていたらどうするか。

襲う?いやいや、俺の紳士論に反する。
ブランケットを掛ける?それもなんか普通すぎる。

とりあえず、俺はるかの隣に寝転がってみた。
こうやって見ると、やっぱ小さい時と変わってないよなぁ。
そんなことを考えてたら、不意に小さいときのことを思い出していた。



「は、初めまして。るかって言います」
それは、小学校に入る前のことだっただろうか。
母親の友達だから、という理由でどこかの豪邸に招待され、そこにいたのがるかだった。
それまで俺は、引越しが多かったこともあり友達らしい友達がいなかった。
次の引越し先・・・というかそれから引越しはなかったが・・・の近くにるかが住んでいたこともあり、俺らはすぐ仲良くなった。

るかと、時には姉貴やるかの従姉妹のいあも混ざって遊ぶのはとても楽しかった。
その時はるかもいあもかなりお転婆だったし、姉貴は元から男みたいだったから専ら外で泥んこになるまで遊んだ。
「もうっ、なんでこんなに汚すんですか!」とるかん家のメイドさんに怒られることもあった。
そんで、服をいっぱい汚した日には決まって二人でお昼寝をしたっけ。
るかの家のふかふかのソファでも、俺んちの畳の上でも。
俺らはいつも並んで寝ていた。
そういうときに布団をかけてくれたのは、メイドさんや姉貴だった。



あれから、どんな巡りあわせかまた一緒にいれるなんてな。
人生分からないもんだな。

そんなことをのんびり考えていたら、るかが小さくくしゃみをしていた。
クーラーは微妙だがかかっているため、寝ている身にとってはすこし辛いだろう。
「・・・しょうがないなぁ」
小さくそう呟きながら、おれはブランケットを取りに立ち上がった。
そしてすぐ近くにあったそれをるかに掛け、また隣に寝転んだ。
可愛い寝顔を間近で見られるのも役得だよな、とか思いながら俺も眠りに落ちた。




「ただいまーっ」
「ただいま帰りました」
「・・・声聞こえないね」
「まだ皆さん帰ってきてないんでしょう」
「でも靴はあったけど?がくぽとるかの分な」
「そうですね・・・あ」
「そういうことか。にしても、こうやって見ると2人とも可愛いな」
「一応、お2人ともLilyさんより年上ですけどね」
「うっさい。がくぽなんて、るかの髪の毛触りながらじゃん」
「起きたらるかさん赤面ですよね」
「違いないわ」
「じゃあ、私たちは夕飯の準備でもしますか」
「えー、アタシ作るのめんどいからキヨテルやってよー・・・」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

お昼寝【すぅ家ぽるか】

最近のマイブームって何でしょう、すぅです。
何か分からないなら書くなって話ですけど。

今回の作品は、一応三部作構成で行こうと思ってます。
第一弾はお昼寝がテーマ。ただるか様が丸まってたら可愛いなーと思っただけです。
第二、第三は考え中ですが、一応時間枠は同じです。全て同じ日の設定なんですね。

あ、この話の中に出てきた【姉貴】はがくこさんのことです。つい先日投稿したトクロに出てきたのでお披露目といったとこでしょうか。ようつべにもじきに上げますね。

それでは。

閲覧数:320

投稿日:2014/06/03 16:54:32

文字数:1,366文字

カテゴリ:小説

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  • みけねこ。

    みけねこ。

    ご意見・ご感想

    ふふふ……
    ルカさんかわいいです。
    ふふふひひふふ

    2014/06/08 18:20:48

    • すぅ

      すぅ

      ちょ、mikecatさん!?
      とりあえずその不審者()みたいな笑いはやめましょう!?
      ただし、るか様の可愛さは天下一品だと思いますきりっ

      2014/06/08 20:52:16

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