緑色の髪にうさ耳のアリスと同じく青い髪にうさ耳+眼鏡の執事の2人は広間の入り口ドアの前にいました。
「・・・ちなみに、どういう王子なの?」
「黄色の髪をしていて、アリス様より2つ年下ですよ」
「ふーん・・・」
アリスは何やら考え込みました。
「・・・どうしました?」
執事はアリスの顔をのぞきこんで言いました。
「・・・執事、もしも私がその王子と結婚するってことになったらどうするかしら?」
突然のアリスの言葉に執事は一瞬何も言うことが出来ませんでした。
「・・・えっと」
「どうするかしら?」
普段から冷静沈着な執事も、このときばかりは何を言っていいのか分かりませんでした。
「・・・正直、今の僕には分かりませんが・・・・」
広間へと続くドアの取っ手に手をかけながら執事は一言言いました。
「・・・アリス様が幸せなら、僕はそれでいいです」
「・・・・執事」
アリスは執事の背中を見ました。
「あとはアリス様に、お任せします」
アリスを振り返りにっこりと笑いかけて、それからドアを開けました。

ギィィィィィ・・・

ドアは大きな音を立てて開きました。
「・・・・」
そのまま、カツ、カツ、という威圧感のあるヒールの音を広間に響かせながら奥にある玉座へと歩いていくアリス。執事もそのあとに続きます。
やがて、玉座の椅子に座ったアリスは5mくらい離れた場所に、ひざをつき頭を下げている王子に向かって第一声を放ちました。
「私はアリス。貴方は?」
わざと冷ややかに言ったのですが、やはりうさ耳をつけていると威圧感が出せないのでしょうか王子は頭だけを上げて、
「東の国にある王子、レンと申します。アリス様」
と、まっすぐにアリスの目を見つめて返事をしました。アリスは少しどきっとしましたが、そんなこと少しも外へ出さずに、
「そうなの?東にある国の王子は西にある国のお姫様と結婚したって、風の便りで聞いたけど」
と冷ややかな口調のままで言いました。
「そうなんですが、つい先日亡くなってしまって・・・」
少し悲しそうな光が王子の瞳に差したような気がしてさすがにアリスも、
「・・・そうなの・・・」
としか言えませんでした。
「・・・それで、貴女とお見合いをしようとした訳です。なのに貴女の執事がこのお見合いは訳あって無かったことにして下さいなんて言われたから、こうして文句を言いに来たんです」
「・・・・あ」
そういえば文句を言いに来ているんだった、と今更思い出すアリス。
「ま、本当に文句を言いに来たんじゃないんですけどね」
そう言って苦笑するレン王子。
「では、なんのために貴方はここへ来たの?」
うさ耳を揺らしながら聞くアリス。
「それは、貴女と貴女の執事がどんな人か興味があったからです。噂によれば見た目はかなり綺麗で一見儚げですが本性はすごく凶悪で周りから恐れられているアリス様とそれに仕える執事の人を一度でいいから見てみたいと思いまして・・・ただそれだけです」
「う、噂ってものは恐ろしいわね・・・」
苦々しく呟くアリス。
「・・・でも、今こうして会ってみてかなり違うんだなと思いました。例えば・・・」
王子は自分の頭をを指差しました。
「・・・・うさ耳、可愛いですよ。・・・それに」
王子は執事を見ました。
「あの執事がつけているものもうさ耳ですよね。おそろいですか?」
「おそろいっていうか何というか・・・」
色んな意味で顔が赤くなって上手く言葉が出てこないアリスに執事が、
「僕がつけているものはアリス様からもらったもので、アリス様のつけているものは僕が誕生日のプレゼントとしてあげたものなんですよ」
と簡単かつシンプルに答える。
「・・・お2人って、仲いいんですね」
にっこり微笑むレン王子。
「そ、そんなこと・・・」
アリスがしどろもどろにそう言った、そのとき。

ビュンッッ!!

どこからか放たれた矢がレン王子の背中をつら抜きました。
「・・・・っっ!!?」
「ちょっ・・・誰か、医者を呼んできてっ!!」
広間にアリスの叫び声が響きました。
「・・・・?」
辺りを見回していた執事は、広間の端にキラリと光るものを見つけました。
近づいて拾い上げてみると、それはガラスでした。
「・・・なんでこんなところにガラスが・・・・?」
そう思いながら、ポケットにしまう執事。
なんか背後が急に騒がしくなった気がして振り返るとそこには王子が担架に乗せられて広間から運び出されているところでした。
「・・・アリス様」
執事は、玉座にうつむいて座っているアリスに声をかけました。
「王子なら大丈夫ですよ。このお城にいる医者は誰もが腕の立つ者ばかりですから」
「・・・ううん。私が不安にしていることはそれもあるけど別のことなの。・・・ちょっとこっち来て」
執事は玉座のそばに行きました。
「普通、人に矢が刺さった時って血が吹き出すでしょ?」
アリスの言葉に執事は、はっとしました。
「・・・まさか」
「そう、そのまさかよ。確かに、貫いたのに血が出なかった。でも、かなり痛そうにしてたけど」
「・・・・・あの王子は一体何者なんでしょう?」
「確か書庫に資料があったと思うから、調べてみる価値はあると思うわ」
「・・・そうですね」
執事は頷きました。
と、そのとき・・・

「・・・・そこにいるのは誰ですかっ!?」

執事はナイフを取り出し、広間の一角に向かって投げました。
「・・・誰か、いるの?」
「いえ、分かりませんがなにか視線を感じたので・・・・」
「怖いわね・・・・」
2人はしばらく広間のすみからすみまで見ましたが、人どころかねずみさえもいませんでした。

               
                  END ?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

不思議の国のアリスとうさ耳&執事+眼鏡verカイト その5

こんばんわ、もごもご犬です!
今回から大きく展開が変わったと思います!
なにしろ作者の私もいまだに戸惑いが(黙れ
というか、お見合いの相手はほんとはアカイトにしたかったんだけどレンの方がいいかなと思い、そうなりました(適当じゃないよちゃんと考えたよ←
これからどうなるんだろう(色んな意味で

最後にホガワさんに感謝の言葉を♪
なんか色んな意味でありがとうございます!
いずれは私の嫁にn((しゃべるなー
これからも迷惑かけるかもしれませんがよろしく!

次回も楽しみにしてもらえれば幸せというものです。
でわっ♪♪

閲覧数:141

投稿日:2009/09/15 20:12:31

文字数:2,372文字

カテゴリ:小説

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  • もごもご犬

    もごもご犬

    ご意見・ご感想

    >ホガワさんへ
    お久しぶりです、もごもご犬です!
    見に来るのが遅くなっても気にしない!それが私のポリシーでs((黙らないか

    カイト執事はおっちょこちょいだけどいつかはちゃんとしてくれるはず・・・!
    なんてったってうさ耳がついているんですし!(揺れてるだけだけど
    レン王子はクールがうりなんですよー・・・呆れるほどに。
    今後の展開期待してて下さい☆

    返事は遅くなろうとも気にしない!それが私のポリシーでs((二回目だろ
    大丈夫です、無茶はしても無理はしません♪(両方とも同じだから
    心配してくれるなんてやっぱり私の嫁だからk((何度も言うなよ
    ほどほどに頑張ります!
    色々ありがとうございますっ
    でわっ♪♪

    2009/10/03 19:32:01

  • hogawa_511

    hogawa_511

    ご意見・ご感想

    お久しぶりです。ホガワです。
    見に来るのが遅くなりましたが、続編の報告ありがとうございました。

    カイト、ミクお譲様の言葉に対する返事の腑抜け具合がカイトらしいですが、
    行動力を伴わない誠実さは誠実じゃないんだぜ?(←
    最後はしっかり行動してくれると信じてますよ、うさ耳付執事カイトなら・・・!!(うさ耳関係ない)
    そしてレン、反応が普通すぎるよ・・・。余裕というか許容範囲広いよ・・・。
    何か企んでいる(?)ようなので、真相とか執事とお嬢様の今後が気になります。

    返事は遅くなると思いますが、楽しみにしています。
    これからも無理しない程度で良いですので頑張って下さい。

    2009/10/02 09:07:41

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