しばらく広間を見下ろしていた神威がふと扉の方を見ると
一人の娘がいた。
金色の刺繍の真っ白なドレスにバラの花をモチーフにした髪飾りをつけた短い髪は深い緑色だった。
彼女はこのような舞踏会は始めてなのか
時おり人にぶつかりながらあちこちを歩き回っている。
すると娘が階段につまずいて転びそうになった時―――
「キャッ!!」
「――――おっと」
神威は立ち上がり彼女に駆け寄った。
「あっ、す、すいません……じゃなくて、
も、申し訳ございませんでした…」
娘はぶつかった相手が皇太子だと分かると
慌ててお辞儀をしながら礼を言った。
「いいえ。お怪我がなくて良かったです…
この様な所は始めてですか?」
「は、はい……」
そう言って顔を上げた娘の瞳は――
髪と同じく吸い込まれるような深緑だった。
「私は神威と申します。貴女の名前は?」
「えっと……わ、私は…サ、サンドリヨンと言います。
こ、皇太子様……」
娘―――サンドリヨンはあたふたしながら答えた。
「ではサンドリヨン。よければ私と踊って頂けますか?」
「エッ――!?で、でも私ダンスは下手……というか
踊った事が無いので…もしかしたら皇太子様の足を踏んでしまうかも……」
おどおどしながら答えるサンドリヨンの姿に――
神威はクスリと笑みをこぼした。
「大丈夫ですよ。私が上手くエスコートします。
貴女は私に合わせてくれれば良いですから」
「―――……はい」
やがて音楽が鳴ると同時に二人は手を取り合い、
静かに踊り始めた―――
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