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ガタガタと音を立てて馬車は揺れる。
その形は、南瓜などではない。
目の前にいるのも無論、魔法使いなのではない。
これは、現実なのだから。
「あなたは、誰?」
その人の顔は無機質で、無感情。
常に薄ら笑いを浮かべる、ゾっとするような人。
「私のことはどうでも良い、用があるのは君なのだから」
明るみに出...【ミク誕、遅刻。】12時の鐘と偽りのシンデレラ【サンドリヨン】
楪 侑子@復活!
鐘よ、どうか鳴らないで。
時よ、どうか止まって。
刻限が告げられるのは、未だ先のこと―。
せめてその時までは、夢を見させて。永遠に続く夢を、どうか、―。
握った短刀の柄に汗が滑る。初めて見る華やかな舞踏会に、そしてマザーから授かった使命を思って、心臓が大きく波打つのが分かりそれで漸く自分が緊張してい...鐘が鳴る
風彩
広いダンスホールの中を
白いドレスのサンドリヨンと皇太子は優雅に踊り回る。
他の出席者達も我を忘れた様に二人の姿に見入っていた。
『なんて素敵……』
『彼女は何処の御令嬢だろうか?』
『皇太子となんて羨ましいわ…』
そんな声が飛び交う中、二人は尚も踊り続けた……
――やがて二人の足が止まると、瞬く間...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅲ
Miyux2
「く、殺」
「早、し」
「こ、な」
「ろ―――」
「早く、殺してしまいなさい!」
私は、その聞き慣れた声にハッと現実に引き戻された。
それは、私を引き取ってくれた―今ではただ指示を下すだけのフェアリーゴットマザーだった。
囁く……あの声が。
それは今の私を底なし沼へと引きずり込んでいくには十分な威圧...サンドリヨン 其の参
haruna
しばらく広間を見下ろしていた神威がふと扉の方を見ると
一人の娘がいた。
金色の刺繍の真っ白なドレスにバラの花をモチーフにした髪飾りをつけた短い髪は深い緑色だった。
彼女はこのような舞踏会は始めてなのか
時おり人にぶつかりながらあちこちを歩き回っている。
すると娘が階段につまずいて転びそうになった時―...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅱ
Miyux2
豪華なシャンデリアに照らされた大広間、薄絹のカーテンが掛かったステンドグラスが輝く窓、人々の笑顔と話し声
女性達のドレスの衣擦れの音――――
一国の城に相応しくまさに豪華絢爛な舞踏会である。
その舞踏会の中央広間にある階段上――本来なら
この舞踏会の主役でもある皇太子神威はうんざりとした
様子で椅子...Cendrillon‐サンドリヨン‐withぽいど兄妹Ⅰ
Miyux2
語り部のサンドリヨン
ようこそいらっしゃいました。このたびお聞かせするのは王子と結ばれた娘の物語です。
その娘は物心つく前に両親に捨てられ、孤児院で育ち、貴族の館で使用人として働いていたそうです。
その貴族には、娘と同じくらいの年格好の令嬢がおり、その豪華な暮らしは娘にとって唯一の憧れだったそうです...語り部のサンドリヨン
文鳥
―私は、孤児だった。
いつ死んでもおかしくない生活。
冬だろうがボロボロの薄着、町の人々からは「汚い」と罵られ、ろくな仕事も見付からない。
でも、そんな私を救ってくれたのは―……
「おいで。私が救ってあげる」
―仙女(フェアリーゴットマザー)だった。
*
それから数年後、私は16歳になった。...サンドリヨン 其の壱
haruna
・いろいろ捏造されています
・アドレ(ギャグ)の親世代設定です
・当然そういう繋がりになります
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語られずに済んだ後日談なんて、知らずにいた方がいい時もある。
あなたもやがてそれを知るでしょう。
<一人で遊んでろ!>
「・・・ふう」
私は重い桶を置いて溜息をつい...こんなサンドリヨンは嫌だ(後)
翔破
私は瞑目した。
ああ神よ、何故かくも残酷な運命を私に与えられたのですか―――
<ティアラを投げ捨てて>
「もう一曲、いいかな?」
絡んだ指に、意図せずして胸が高鳴るのを感じた。
端正な顔立ち、優しそうな笑顔。今まで私が見たことの無い、ガラス細工のようなその姿。
綺麗な人。
多分それは一目惚れで、私は...こんなサンドリヨンは嫌だ(前)
翔破
なんて素敵な方かしら。
彫像のように美しいお顔。優雅な身のこなし。慈しみ深き眼差し。
こんな男性にワルツを誘われれば、どんな女の子の心も蕩けてしまう。
今まさにその人に、ダンスの相手を請われているなんて。
ああ、私はなんて幸運な女ナノデショウ。
夢見る目をした二人の男女。そこにいる誰もが...サンドリヨン「第一話 王子」(独自解釈小説)
odani