6月ハーモニー 双子蜜柑 そのじゅうさん!





自分の部屋に戻って携帯を開いて

 『さっきレンに聞いたら特に怒って無いって…良かったね?

 まぁレンを好きでいると大変だろうけど、頑張って。ふぁいと~』

メグミにお願いへの返事と励まし?のメールを送った。

しかし、今日のメグミはレンにことごとく自分の思惑を潰されてたのか…

可哀想だ…いや、不憫な子だよ……呪われてんじゃね?

まぁ…頑張れ!!

そう思った時、メールが返ってきた

お、意外に早いな…

 『ホントに!?ホントに本当!?良かった~~安心した~~

 あ、あのさ~応援してくれるんなら、リンに教えてほしいことがあるんだけど、

 レン君ってどんな格好の子が好きか分かる?

 どうゆう服を着てる女の子が好きか知ってる?今日のことをキッカケに、少し

 服に気を付けてみようかな~って思ってね……お願いします』

あぁ…確かレンにいつも着ている服とは違うって嘘ついてたんだっけ?

でも、そうお願いされてもな~そんなのあるのかどうか知らないしな…

あ、でも確か女の子っぽい格好してる子は可愛いって言ってたっけ?

ん?いや待て、女の子っぽい格好って………どんなだ?

やっぱりスカート履いてて、フワフワしてる服……か?

ちょっとレンにメールすっか?

私はそう思ったので、隣の部屋のレンにメールした

 『レンが可愛いと思う格好してる女の子の画像があったら送って』

すると隣の部屋からレンが

「なんでわざわざメールしてくるんだよ!?さっき聞けばいいじゃんか!?」

壁越しに話しかけてきた。だから私も

「いいから~!送ってー!!」

壁越しに話すと

「ちょっと待ってー!!今、写メするー!!」

「うーん!!」

するとすぐにレンからメールが来た

お、来た来た…

レンからのメールに本文は無く、ただ画像があった

これはAK○の子か?う~ん、思った以上に可愛いな…

その子は私のイメージ以上に花柄のワンピースの上に、ピンクのカーディガンを

羽織ってる…いかにも女の子~な子だった。

よし、じゃあこれをメグミに…

私はメールに画像を添付して

 『レンはこうゆう恰好の子が好きなんだって、可愛いねこの子。』

メグミに送ると、またすぐに返事が来た

 『う~~ん、今まで着たことの無い服だ…まぁありがとう、こんな恰好が

 似合うように頑張ります。ちなみにこの子の画像はリンが撮ったの?

 ま、まさかレン君が撮ったりとか…ですか?』

ん?変なこと聞いてくるな?

 『そのまさかですよ?私はこうゆう子が写ってる本とか買わないけど、レンが

 読んでるヤンアニとかにはこうゆう子が載ってるから、読んでる時に

 可愛いと思った子を写メしてるんじゃない?それがどうかしたの?』

 『え?え?レ、レン君ってそうゆう雑誌とか読んでるの!?ショ、ショック…』

ショック…なのか?

 『そんなにショックなの?まぁ水着の女の子を見てるのは私も許せんけど、

 でも別にこうゆう普通の格好してる子とかだったら別にいいと思ってるんだけど…

 意外かもしれないけど、レンってよく、この子って可愛いよね~みたいなことを

 テレビとか見ながら言うんだ…だからこ~ゆ~子と付き合いたいの?って

 聞くと、ん~ん、ただ可愛いと思うだけ~って言うの。

 あれってなんなんだろうって不思議に思うんだ~だからレンに、可愛い子と

 付き合いたいって思わないの?ってさらに聞くと、付き合うとか分かんないし、

 可愛いと思う=付き合いたいじゃないんだけど…って、よく分かんないよね?』

レンが女の子に興味があるのか無いのかが全く分かんない。

可愛いと思うのに付き合いたいと思わない……う~ん、理解不能だ…

 『そ、そうなんだ…?とゆうことはレン君にとって付き合う対象が

 可愛いってのはそんなに重要じゃないってことなんだね?』

 『う~~ん、じゃないの?と言われてもその辺はよく分かんないね…

 そうゆうことを真面目に話し合ったことって無いから…

 まぁ聞いたところでレンはおそらく、付き合うって言ってもよく分かんない

 って言うと思うけどね…興味が無いみたいだから…

 あ!なんだったらレンに聞いてみたら?私は付き合う対象に見える?って』

メグミをからかうメールを送ると

 『聞いたら私はレン君が好きですって言ってるようなもんじゃん!!

 なに言ってんのリン!?そんで聞いたとしても、分かんないって返してくるん

 でしょ!?それはもう玉砕されたようなもんじゃん!!

 そんなこと言われたら立ち直れませんから!!心が砕けますから!!』

おぉ~メグミに初めてツッコまれた…

意外と面白いな…もう一回ボケてみるか…

 『じゃあ私がさりげなくレンに聞いてあげよっか?

 可愛い格好したメグミをレンに見せて、ほらメグミはレンに可愛く見られたく

 て、こうゆう格好してるんだよ~って…どう?』

 『だからそれもレン君のことが好きって言ってるようなもんじゃん!!

 なに!?リンは実は私のことを嫌ってるの!?

 応援するメールを送った直後に、なんで私を苛めるメールを送ってくるのよ!?』

苛めてませんよ~からかってるだけですよ?

 『嫌ってませんて…私は誰よりもメグミを応援してる、心の清い子ですよ?』

人の恋を応援してる自分を本気で、私って良いヤツだな~と思いながらメールを

送ると、メグミからじゃなくレンからメールが来た

 『さっき送った子も可愛いと思うけど、俺って白と黒の組み合わせの服を

 着てる子も可愛いと思ってるんだ。でも何でそんなこと聞くの?』

レンからのメールには黒のショートパンツに黒のニーソックス、そして白い

ブラウスを着てる、肌が白くて髪が黒い、全体が白と黒の組み合わせで

できている女の子の画像が付いていた。

へ~こうゆう子がいいんだ…

と、レンの好みに少し驚いているとメグミからメールが来て

 『自分で心が清いと言うんじゃありません!!まぁ応援してくれるのは

 ありがたく思っております。ありがとうございます。』

いえいえ、どういたしまして……そうだ~

私はメグミのメールを見て、イタズラ心が出てきたので

 『なんかメグミがレンが好きな女の子の服を知って、レン好みの子になりたいって

 言うからさ~あぁメグミはアンタが好きらしいよ?』 

メグミへとイタズラメールを送って、速攻でまたメグミに

 『ゴメンゴメン、レンに送るメールを間違ってメグミに送っちゃった。

 悪いんだけど、レンに転送しといてくれる?』

そう送るとメグミの返信は早かった

 『アンタなんてメールを送ろうとしてたんだよ!!!!(怒+驚)

 ぶっちゃけ過ぎる内容だよね!?そんでもって転送なんてできませんから!!

 やっぱりリンは私のこと嫌ってるんでしょ!?応援する気ないでしょ!?』

メグミのツッコミ返信に少しだけ笑い

 『ゴメンゴメン、さっきのはワザと送りました。

 応援する気はありますよ?ガンバレー!!メグミー!!!!』

自分の応援する気持ちの大きさをメールで表すが

 『そんな言い方されても信じられません!!』

信じてもらえなかった…なんでだ?

 『本当ですって!!マジですマジ!!マジで応援してますよ?

 レンの事が好きな女の子の中じゃメグミを一番応援してますよ?マジで!!』

私は今までレンを好きになった女の子達とのことを思い出した。

今まで多くの女の子達がレンを好きになった。

その子達のほとんどが私にレンの好みとかを聞いてきた。

でも私は答えなかった。その子達の恋愛を手伝ったりしなかった。

どの女の子もレンを好きになってから私に、レン君の好みを教えて~とか、

レン君ってどんな女の子が好きなの~とか私に聞いてきたけど、知らないとか、 

聞いてもレンは教えてくれなかったと言って、その子達の恋愛を

手伝ってこなかった。

だってその子達は、レン君っていいよね~とか言ってたけど…

好きになってる理由が浅いとゆうか何てゆうか…レンの良い所を好きになってる

ようには見えなかったとゆうか………見た目?で好きになってる

ように見えたから、手伝う気になれなかったのだ。

でも悪いとは特には思ってない。

だって邪魔したことは無いし、手伝わなかっただけだから…

でもメグミの恋は応援しようと少しだけ思ってる…手伝おうと思ってる…

だってメグミの恋は浅くない…

おそらく私だけが知ってる。中学の時からすっごく努力してると知ってる。

部活で作ったお菓子をあげたり、レンの言葉や急な提案に落ち込んだりしながら

も、それでもレンに話しかけたり努力してると知っている。

今までの子達と違って本気で恋してると知っている。

レンがかっこいいから、人気があるから、明るくて楽しいから、そんな理由で

好きになってた今までの子達と違うと知っている。

レンの言葉の一つ一つに喜んだり落ち込んだりしている。

メグミがレンのどこを好きになったかは分かんないけど、でもメグミはレンに

本気で恋してることは分かる。

だから私はメグミの恋を応援する。

私が色々と考えていると、応援してるメグミからメールが返ってきて

 『それはありがとう。嬉しいよ?ありがとね。

 でも応援されるのは嬉しいし、ありがたいんだけど、でもレン君って

 誰かと付き合ったりすることは無いんでしょ?

 じゃあもし告白とかしても、私も振られちゃうのかな?

 ゴメンって言われて友達としてもいられなくなっちゃうのかな?』

また随分と答えにくいこと聞いてくるな…

なんて言ってあげればいいのかな?まぁさすがにボケで返すのは駄目だよね?

 『それについては何とも言えないね…ゴメンね…

 まぁ正直に言っちゃうと、レンはメグミを女の子として意識してることは

 無いね…まぁこれは全部の女子に言えることなんだけどね…なんかゴメンね?

 でもレンはメグミの事を友達としてだけど、好きだと思ってるよ?

 だから友達としてのメグミじゃなく、女の子としてメグミを好きになってもら

 えるように努力するしかないね…としか言えないね…』

私は気の効いた事が言えないな…ヤダヤダ…

普通だったら、大丈夫だよ、レンもメグミのことを好きになってくれるよ…とか

言うんだろうけど…

今までずっと好きだったんだから、メグミの気持ちはきっと届くよ!とか

言ってあげられたらいいのにな…

誰よりもレンのことを知ってる私がそんなこと言っても、気休みにもならないって

のはメグミも分かってるだろうからな…

メグミへのメールに少しだけ自己嫌悪してしまった。が

 『分かった…頑張る!!』

返ってきたメグミのメールに、少しの自己嫌悪を打ち消すほど程度の喜びを、

どうしてだか感じてしまった。

私が結構ヒドイこと言ったのに、この子は…

 『うん…頑張って』

メグミとレンが付き合ってる姿を全く想像できないが、それでも応援した。

 『とりあえず可愛い服を着ることから始めるよ!!』

メグミの返信にメグミの意気込みを感じた。

 『頑張れ恋する乙女よ。じゃあ私はちょっくらお風呂に行ってきます』

そうメールし、私はお風呂に入りに行った。



次の日、学校に行くために家を出て空を見上げると

「う~ん、今日も曇り空だね…」

空は白に近い灰色の雲に覆われていた

「まぁ涼しいから俺は好きだけどね…」

手を繋いでる隣のレンも空を見上げてそう言った

「まぁね…暑いよりかは涼しいほうが私も好きだけどね…でも少し寒い…」

半袖とゆうこともあってか、少し肌寒く感じた。だから

「レーン、動かないでね~」

「ん?」

私は繋いでる手を離しレンの後ろに行き、レンのズボンのポケットに両手を入れた

「おりゃー!!」

「くすぐった!やめろ馬鹿!!くすぐったい!!」

レンは私の両腕を掴んで手を抜こうとするが

「だって~寒いんだも~ん」

私はポケットの中でレンの足をくすぐりながらそう言った

「やめろってのバカちん!!」

「あったけ~~」

人のポケットの中はどうしてこんなにも温かいのかな?

自分のポケットに手を入れてもそんなに温かく感じないのにな…不思議じゃ…

「あったけ~って言ってんじゃねー!この…!」

レンは私の腕から手を放して、ポケットに両手を入れ私の手を掴み

「うりゃ!!」

後ろに引っこ抜いて、そのまま手を離さず前に引っ張った

「うわぁ!」

レンが私の手をいきなり前に引っ張ったので、私はレンの背中に顔が当たった

ぼすっ!

「ふぎゅ!」

今のは私の悲鳴だ

「ふん!」

レンは伸ばされた私の腕を脇に挟んだ

「ほら、これでも温かいだろ?」

「あっふぁふぁいふぇ~(温かいね~)」

顔がレンの背中に引き付けられてるので私の言葉は変なものになっちまった

「じゃあ学校に行きますよ?」

「ふぇ~い…出発進行~」





少し肌寒い梅雨の日、

それはレンに腕を挟まれるとゆう変な恰好のまま学校に行った日だった。

でも私の腕は温かかった。

そんな梅雨の日のことだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

6月ハーモニー 双子蜜柑 その13

6月ハーモニー 双子蜜柑 その13です

6月ハーモニー双子蜜柑の最後です。

閲覧数:81

投稿日:2012/08/29 23:57:15

文字数:5,551文字

カテゴリ:小説

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