「そっちは見つかったか!?」
「いいえ、厨房も客室にもいなかったわ」


そんな声が聞こえてくる。
みんな私を捜しているんだ。

そして、きっと殺されちゃうんだ。
最初からそのつもりで、私を引き入れたに決まってる。

思えば変なことばかりだ。
『器』とか、『値踏み』とか。
そして、この森に入った人は二度と帰ってこない。
それは、きっと皆がこの館に入り、殺されたから。

じゃあ私もここで死ぬの?
こんなところで死んでしまうの?
嫌よ。
絶対に嫌。
絶対抜け出してみせる!


みんなの隙を見てこっそり動く。
が、足の小指をどっかの角にぶつける。


「~~~~~~ッ」


痛い。
痛い!
だって小指ですよ?どっかの角ですよ?
しかもよりによって、しもやけで腫れてるところですよ?
痛いに決まってるよね!


「何か音が聞こえたぞ!」


あ、やばい、見つかった。
さようなら、私の人生。
あぁ、これまでの人生短かったなぁ。
こんなことになるんなら、最後にゼリーをお腹一杯食べとけばよかったなぁ…
…なんて言うと思ったか!


「見つけたぞ!」


私はほとんどあきらめてるけど、まだ少しだけあきらめてはいないわよ!
私はあそこに帰るの。
こんなとこで死んでたまるか!


「どうしたら家に帰れるのかな?」


問題はここなんだよね。
入り口の扉は鍵がかかっていて開かないし。


「ミクさん、君はこの状況で帰れると思うのかい?」
「でもまぁね、この物語、この舞台が…」
「そうね、これが終わったら」
「きっと、帰れるでしょう…」


舞台?物語?
そんなもの、壊してやる。


「質問よ。今の主役は誰なの?」
「まだ君だ。舞台が終わるまでは、ね」
「そう」


なら…まだチャンスはある!


「ネエネエ、ソンナコトヨリモサ」
「帰ルナンテ言ワナイデ、遊ボウヨー!」
「遊ぶ暇は、私には無いわ」
「あら、帰りたいの?」
「えぇ、私には帰る舞台がある」


誰がこんなところに住みたがるもんですか。


「チェー。」
「おやおや…それならば仕方ない」
「ざーんねーんしょーう…あいたっ!♪」
「ま・じ・め・に・や・れ!」


メイドがしばかれた。


「あぁ…もう、時間だね」
「じゃあどうするの?」


どうするって?
決まってるわよ。
そして、きっと彼らの行動も。


「「主役は、役目を終えてもらおう」」
「おもしろいこと言うのねぇ。絶対に脱出してみせるわよ。
 Happy enD の鍵は・・・」
「アルナカナァ?」
「時間ガナイヨ~?」
「どこに落ちているのかしらねぇ」


落ち着きなさい。
ヒントは、この館に隠されているはずよ。
この館には秘密があって、きっとそれが――
…秘密?

『時計ヲ見テゴラン…☆』

…そうだ、時計。
きっと、時計に何かあるはずよ。


私の後ろには、あの時計。
背中を向けると、きっと殺されるだろうから手だけ動かす。
そして、鍵を取り出した。

それは、止まっていた、時計の二本の針。
それは、キラリと冷たく光る鍵。


「…みーっつっけた」


そのまま針を両手に構える。

私は回答を見つけた。
殺されるなら、その前に殺せばいい。
長針は鋭く光る。
これはナイフがわりになるわね。


「さぁ、どうする?」


まだ私は主役。何してもいいわよね?
壊せばいいじゃない。
だって、今は私が主役のCrazy nighT。

私はそれを振り回す。
ナイフを片手に暴れまわる。
これでも刃物の扱い慣れているのよ。
不審者対策で!


「楽しくなってこないかしら?」


私は楽しいわよ。
だって、舞台をどうしようが主役の勝手じゃない。
主役じゃないあなた達に、何ができるのかしら?


「う…うわあぁ!」
「逃げろ!」
「キャアアァ!」


みんなは一目散に逃げ出した。
みんな、舞台も台詞も忘れたように、一心不乱に逃げ回る。

気が狂っちゃうほどに、壊してやればいい。
それは、みんなへの復讐。
私からのBad ∞ End ∞ Night。


「キャハハハハハ!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Bad ∞ End ∞ Night 3【自己解釈】

次回で最後?
本家様 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16702635

閲覧数:2,858

投稿日:2012/02/07 21:19:52

文字数:1,705文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • みけねこ。

    みけねこ。

    ご意見・ご感想

    不審者対策で!のところで笑ってはいけないのに笑ってしまいました。

    2013/03/31 20:19:28

    • ゆるりー

      ゆるりー

      コメントありがとうございます。
      そもそも、理由が不審者対策でも、刃物の扱いに慣れていることはおかしいんですけどね。
      笑ってしまいましたか、ありがとうございます。

      2013/03/31 21:36:26

  • モモコ

    モモコ

    ご意見・ご感想

    お久しぶりですー!

    友達からこの曲をすすめられて、誰か解釈していないかなー…。なんて思ってたらなんとゆるりーさんが解釈しているじゃないですか!!!

    ということで、一話から読ませて頂きました!

    やっぱり、ゆるりーさん凄いですね…。
    PVを見ても、うわっ、奥が深そー…。としか思わなくて、ましてやコレを解釈するなんて…!でした。

    次回で最終回でしょうか…?

    楽しみに待っています♪

    2012/03/21 16:31:19

    • ゆるりー

      ゆるりー

      お久しぶりです。

      一話を、この曲が投稿されたその日に投稿しますた(^q^)

      ありがとうございます!

      え?す、ご、ぎ、凄く、ないで、す…((ぎって何
      PV凄いですよね。
      物語音楽なので、解釈しやすいと思いますよ。

      多分ね☆←

      更新されるまで待っててくださいね。

      2012/03/21 19:39:19

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