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お昼になり、学食へ飲み物を買いに行くと、そこでリンに出会った。どうやらお昼を買いに来たらしい。リン、と声をかけると振り返り、ぱっと笑顔を浮かべてくれた。
「メイコ先輩!!お久しぶりです!」
「ええ、久しぶりね、こんにちは。今日は部活間に合ったの?」
「あはは、ギリギリでしたけどなんとか。ものすごい音で起きたら、家中の目覚ましが鳴ってて」
なるほど、なんだかんだ言って妹想いなレンが片っ端からアラームをかけていったのだろう。わざとギリギリに着く時間にかけただろうことが想像できて、私は苦笑した。
「……ん?私が遅刻しかけたこと知ってるってことは、レンに会ったんですか?」
「ええ、朝にね。彼、何度も起こしたって言ってたわよ?」
「むぅ……。起きるまで起こしてくれるといいのに……」
ひどいですよね、とリンが同意を求めるように私を見た。
「……私はあなたがもうちょっと朝起きるのを頑張ればいいと思うわ」
そう苦笑しながら言うと、リンがわかりやすく落ち込んだ。心なしか頭のリボンも萎れている。
「でも、朝はどうしても苦手なんですよね……」
どうしたらいいでしょうか、と問われ、私は返答に困った。
「……夜早く寝るとか」
「そんなに宵っ張りのつもりはないんですけど……」
「……」
正直私は寝起きが良い方なので、こういった悩みを解決する方法がいまいち分からない。それを正直に言うと、
「そうですよね、すみません……」
謝られてしまった。なんだか申し訳ない。
違う話題を振ろうと、私は声を張り上げた。
「今日は何を買うつもり?」
「チョコクロです!!バランタインなんでお買い得なんですよ!!……って、いけない売り切れるっっ」
すみません、失礼しますっ!と彼女は言いおいて去っていった。残された私は忘れかけていたことを思い出す。教室の中が受験モードでそんな甘い雰囲気でなかったので頭から抜けていた。……いや違う、あえて思い出さないようにしていたのだ。
私は教室に置いたカバンの中のチョコに想いを馳せる。
(……チョコ、いつ渡そう…………)
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