「お世話になりました。」

靴を履き、玄関で頭を下げる手には小さなバッグ。

一昨日電話で、マスターが出張から今日帰ってくると言うことが解り。今日僕は家へと帰る

「お兄ちゃん帰っちゃうの…?」

寂しそうに僕を見つめるミクを、ミクのマスターさんは優しくその頭を撫でる。

…ちょっと羨ましいと思ったのは、秘密。

「また遊びにおいで?ミクも喜ぶから。」

「はいっ!長い間有難う御座いましたっ!」

もう一度大きく頭を下げ、また来るねとミクの頭を優しく撫でて家を出る

ずっと手を振ってくれるミクの姿がとても嬉しくて、僕も見えなくなるまで手を振った。



一週間程前、マスターに「出張」と言うお仕事に行くという事を伝えられた。
遠いところに行くという事で、僕は留守番…だったのだが

「お前を一人にすると色々と不安だ。」

というマスターの失礼な鶴の一声で、僕はマスターのご友人であるミクのマスターさんのお宅に御厄介になっていた。

「全く…マスターも失礼です。僕だって家事くらいこなせるのに…」


「家の事は任せて下さい!」と笑った時の、血の気が引きましたと言わんばかりのマスターの顔が忘れられない。

だから今日は徹底的に家を綺麗にしてからマスターをお出迎えするのだ。
約一週間も放置していたマスターの家はきっと埃だらけで空気もこもっているだろう。

そんな家で迎えるなんて絶対に嫌だ。
部屋も空気も綺麗にして、マスターを驚かすんだ。

少し驚いて、「頑張ったな」なんて誉めてくれたら最高に幸せ。

そして笑顔でマスターにお帰りなさいと言うんだ。

一週間振りに会うマスターは容姿変わってたりするんだろうか。
それともそんなに変わらないかな。

そんな事を考えながら、細い道路を歩いていく。
徐々に早足になってしまう自分に苦笑しながらも、止めるつもりはなかった。

マスターが帰ってくる

マスターが帰ってくる

頭がそれだけで埋め尽くされて。

いつの間にか早足から全力で走り出した朝の8時。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

マスターが出張から帰ってくるようです。【愛コラボ自作品アフターサイド】

【愛コラボ 携帯電話】にて作成しました自主作品の自主派生作品です(何か意味が解らなく)

タイトルが凄い長さに…っ

この後次の投稿作品に続きます。

宜しければ覗いてやってくださいませっ

此処まで読んで下さり有り難う御座いましたっ!

閲覧数:322

投稿日:2008/12/21 23:30:40

文字数:853文字

カテゴリ:小説

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