6月ハーモニー 未来音符 そのはち



「いやいやいや!!いつも通りじゃないよ!?いつもと全然違うよ!?」

うるさいなぁ~私が寒がってるのも分からなかった鈍感のくせに…

私は先輩の方を向いて

「いつも通りって言ってるじゃないですか?いつもこんな感じです」

流香先輩の時と同様、殺気を含んだ目と低い声で言うと

「ひぃ!そ、そうなの?そ、そんな感じだっけ?いつもはもっとこう…

顔がすぐに赤くなって、いつも下向いてt…」

「そんな事ありません!!それよりも次はどこ行くんですか!?お昼ですよ!!

お昼ご飯を食べるんですか!?」

先輩の言葉を顔を赤くして遮断して、また前を向いた

何でそんなとこには気が付いてるんだ!?今日は映画ばっか見てたくせに!!

「え?え、う、うん…お昼にします…よ?あ、お腹空いてるから機嫌が

悪いのね…えっとね、3階にイタリア料理のお店があって、そこに行くんです

けどいいですか?」

先輩が私に聞いたときにちょうど3階に着いたので

「じゃあ行きましょうか…あとお腹空いてるから機嫌が悪いってのは余計な一言です。

今度そんなこと言ったら帰りますからね?」

スタスタとイタリア料理のお店に向かいながら言った

「ご、ごめんなさい…もう言わないから帰らないで下さい…

帰られたらこの後のプランを全部1人で回ることになる…それはキツイです…」

「じゃあもう言わないように…つーか前から思ってたんですけど、

海斗先輩は思った事を何でも言いすぎじゃないですか?水曜だって

私の髪が片方リースになってるのを見て変てこって言ったじゃないですか?

まぁ確かに変てこな髪をしていたのは認めますけど…

その後サトミに私達の関係を聞かれて普通に私の事を…す、好きって言いかけ

てたじゃないですか?なんで普通に言おうとするんですか?

もっと発言には気をつけたほうがいいですよ?」

前だけを見て後ろの先輩に言うと

「すいませんでした…以後気をつけます……えっとね、昔からそうなんだ…

昔から思ったことをすぐに言っちゃうというか…素で言っちゃうんだよね…

親戚の子にもよく注意されるんだ。思ったこと言い過ぎだ!って…

こないだも親戚の子がダイエットしてるときに、俺はダイエットなんt…」

「あっ、ここですね?じゃあ入りましょうか…」

お昼ご飯を食べるお店を見つけたので、さっさと入ると

「最後までちゃんと聞いてくんない!?初音さんから聞いたんだよ!?

初音さんは俺の発言を途中で切りすぎじゃね!?

前から言おうと思ってたけど、初音さんは俺の扱いがかなり雑なn…」

「窓際の席でいいですよね?じゃあ行きましょうか?」

「だから途中で切らないでよ!!なんでそう俺を雑に扱うの!?ちょっとは…」

「先輩、肩に糸くず付いてますよ?」

「えっ?本当?どこ?」

馬鹿だこの人…私は先輩のほうをまったく見てないんですよ?

だから糸くずが付いてるなんて嘘だって分かんないのかな?

それから2人で席に着いても先輩が、どこに付いてるの?と言っていたので、

もう付いてませんよ。とまた嘘をついた。



そして2人でイタリア料理を食べ始めた



視点変更 ミク→???



視点の持ち主は住宅街の中にあるマンションにいる

そのマンションの一室の自分の部屋のベッドの上で

私が言ったとおり、海斗は相手の子の服とかちゃんと褒めたかしら?

デートに行ったら相手も意識しているはずだから、まずは服を褒めなさいと

言ったけど…まぁ海斗だから思った事は何でも言ってるはずだし、平気かな?

部屋の主のその女の人は腕を組んで考えた後、横にある雑誌に目を向け

今日まずは映画を見る…しかも映画人気ランキング1位の映画だし、なにより

かなり感動をするやつだから、デートにはもってこいの映画ね!

いくら顔は良いけど性格が残念な海斗でも、これを一緒に見れば相手の子…

ミキ…って海斗は言ってたっけ?違う、ミクだ。

そのミクって子に喜んでもらえるはずだ…困難に向かう姿に感動した!とか、

ラストで泣いた~とかあるはずだわ…そして映画の次の予定の昼ご飯。

昼ご飯はテレビでも紹介されたイタリア料理のお店!

値段もあまり高くないから、高校生の海斗が奢れるお店としてはいい選択ね!

いいチョイスをしたわ!私!!

そしてそのお店で映画の話を話せば、2人の距離はかなり縮まるはずね!

仲良く2人で、あそこで感動したよ~私もあのシーン良かったです~って

映画の好きなシーンを話せば、ミクって子は海斗に親近感を抱くはず。

ここまでで海斗はかなりポイントを稼げているはずね!

だからヘタレと鈍感な海斗のイメージは払拭されて、さらには1つ年上なん

だけど大人っぽい人!って思わせることが出来ているはずだわ!

ふっふっふ、私の計画は完璧ね…

私が海斗に教えてあげたデートプランに抜かりは無いわ!!

女の人は悪人面で笑っている

そして映画の後は2階でやるLilyのイベントを2人で見て盛りあがる…

これで2人に一体感が生まれるはずだ…

その後に2人でお茶を飲んで話しながら帰れば、かなりいい雰囲気になるんじゃ

ないかな?

間違ってもミクちゃんって子が海斗に怒りを感じることなんて無いでしょう…

海斗は性格はヘタレだけど、まぁいい言い方をすれば優しいからね…

まぁちょっと鈍いけど、その優しさにミクちゃんも好きにはならなくても、

きっと気になり始めるはずだわ!!

今回のデートでミクちゃんと付き合うってのは無理だとは思うけど、ミクちゃんに

良く思われることなら可能だわ!!やがてその良いって感情が好きになるはず!!

ふっふっふ、私に感謝しなさいよ海斗~

今晩ちゃ~んと、どうなったかの報告をしなさいよね~

女の人は開いていた雑誌をパタンと閉じ

さっ!ちょっくらコンビニにでも行ってくるか…

窓の外を見て

雨が降りそうだな…まっ、近くのコンビニだし、平気か…

女の人は自分が住む部屋から傘を持たずに出て行った



視点変更 ???→ミク



料理が運ばれて、2人で食べているとき海斗先輩は

「初音さんはどのシーンが良かった?俺はね~」

とさっき見た映画を楽しそうに語っていた

私が全く見ることが出来なかったのにこの人は!!ムカつく!!

楽しそうに語る先輩とは違って私はかなり不機嫌だった

だって冷房のせいで!!寒かったせいで映画に集中出来なかったんだもん!!

私だって楽しみたかったのに、先輩は1人で楽しんでて!!

「お兄ちゃんが走るシーンは泣けたよね~初音さんはどうだった?」

ニコニコ顔で聞いてくる先輩にイラついたので

「ヨカッタデスヨ~ナケマシタ~」

よく覚えてないから思っても無いことを言った

「また感情がこもってない台詞だ!?なんで!?」

「やっぱりハリポタは良かったですね~誘ってくれてありがとうございます~」

「いやいやいや!!ハリポタじゃないよ!?今日ポッターは見てない!!」

先輩のツッコミは早いなぁ~

「あ、違いましたか?すいません」

悪いと全く思って無いけど一応あやまった

「初音さんは何を見てたの!?ちゃんと映画見てた!?」

ちゃんとだと?人がどんな思いをしてたか知らないくせに!!

先輩の言葉に怒りがまた出てきた

「先輩はよく言葉には気を付けろとか言われません?今の先輩の言葉に、

私は先輩のことを泣くまで殴りたくなったんですけど…」

無感情で先輩に言うと

「えぇぇ!?何で泣くまで殴ろうって発想が出てくるの!?怖いよ!!

俺なんかした!?ごめんなさい!よく分かんないけど謝るから許してよ!!」

キョどる先輩に苛立ちを隠さず

「そのとりあえず謝って許してもらおうって考えは私は嫌いですね…

なんでも謝ったら許してもらえる。みたいに思ってるのが最高に不愉快です。」

「初めて人に最高に不愉快って言われた!!実際に言われると結構ショック!!

だから俺なんかした!?悪いことしたならちゃんと謝るからさ!!」

何かしたなら?違うわぁー!アンタは何にもしなかったんだよ!!

寒がってる私に服をかけなかったんだよ!!

1人でずっと映画を楽しんでたんだよ!!

「先輩は悪いことはしてませんよ?だから謝らなくていいですよ?」

私が無感情で言うと

「そんな光の無い目でそう言われたら、悪いと思うよ!!ごめんなさい!!」

「まぁでも、今後は発言とわたs…人に気を配ったほうがいいですよ?

いいですね?はい、じゃあ映画の話はもう終わりです。

これ以上、楽しかった~とか言ったら頭に水をかけますからね?」

そう言って私は料理を食べ終わった

「え、えぇ~?もっと映画を見た感想を言い合いたかったのに、なんで?」

そう言って料理を食べ終わった先輩に少し苛立った

「なんで?先輩は本当に馬鹿ですね?私がイラついてるって分かりませんか?

それをなんで聞くんですか?思ったことを何でも言い過ぎですよ?

理由とかを聞かないで下さい…分かりましたね?」

今のなんで?にはちょっとカチンと来たぞ…

「ご、ごめん、もう聞かない…本当にごめんなさい」

どうやらこの馬鹿な人でもようやく分かったみたいだ

「分かればいいんです…」



食べ終わったお皿をウェイターの人が下げて、デザートが運ばれてきたときに

「じゃあもう映画の話はしないとゆうことなので…明日のことを聞いていい?

初音さんは明日の試合に応援に来てくれるの?」

コーヒーを飲んでる先輩に尋ねられた

「えっ?明日ですか?え~っと99%の確率で…」

「うん!99パーで!?」

先輩は期待の顔で聞き返す、が

「行かないですね。」

「えぇ~~?なにこのぬか喜び~~マジで~~?何でよ~~?」

あからさまにガッカリした顔の先輩に

「人に理由を聞いてないで少しは自分で考えたらどうですか?

あっ!そうそう聞きたいことがあったんですけど…」

「うん!なになに!?」

先輩はすぐに嬉しそうな顔になった

そんなに私に何かを聞かれることが嬉しいのか?

「確かサッカー部って月曜以外は毎日練習をしてるって先輩が言ってたじゃない

ですか?つまり土日も部活を一日中やってるって事ですよね?」

「うん、そうだよ?」

「ってことは今日も部活があるんじゃないんですか?なのになんで私と

映画に来てるんですか?サボってるんですか?」

私が紅茶を飲みながら尋ねると

「違う違うサボってないよ…えっとね明日が試合でしょ?だから顧問が

明日のためにって今日の部活は無しにしたの。

体を休めることも練習だ~って言ってね、だから今日こうして初音さんと

映画に来ることが出来てるってわけ…分かった?」

……………ん?

「え?つまり…明日の試合のための休みの日に、私と映画に来ているって

ことですか?」

「うん、そうだよ」

あっさり言ったよこの人…分かってんのかな?

「えぇ?いいんですか?顧問の先生は試合のために休みにしたんですよね?

なのに私と映画に来ちゃって怒られたりしないんですか?」

すると先輩は口を尖らせながら

「だってさ~俺がサッカー部で休みが全然ないでしょ?だから初音さんと

どっか行きたいなぁ~と思っても行く時間がまったく無いわけじゃん?

だから2週間前に今日は休みって聞かされたとき、チャンスだ!って思った

わけなんだよ…初音さんを誘える!って思ったんだよ。

でもなかなか会う機会が無くて誘えなくて、で、水曜にやっと声かけることが

できたんだよ…

確かに顧問に知られたら怒られると思うけど、ある意味で貴重な時間だから

怒られたくないね!休みだから自由に過ごしていいじゃん!

なので、せっかくの休みだから、初音さんと出掛けてるってわけ。OK?」

この人は本当に…

「だから先輩は思ったことを何でも言い過ぎなんですよ…」

チャンスだ!とか誘える!とか貴重な時間だ…とゆう発言に照れてしまった。

だから私はうつむいてしまった

「え?俺またなんか悪いこと言った?」

「言ってません…つーかド直球は止めてもらえませんか?打ち返せないんです

けど…まぁどこに打ち返すのかは自分でも分からないんですけどね…」

「ド直球?なに野球のはなs……あぁそうゆう事ね……

だってかけ引きってのが俺は出来ないんだよ。思ったことを言っちゃうこの

性格?のせいでそんな事はできないって親戚の子にも言われてるし、

自分でもできないってのが分かってるんだよ…だったらストレートで

勝負したほうがいいんじゃない?って親戚の子と意見が一致してね…

だから初音さんにはストレート一本で勝負する事にしています。OK?」

先輩はいつも通りの顔で言ってるっぽい

っぽいと言ったのは私が下を向いて照れてるから

「そうですか……すいません…タイム…」

「タイム認めます」





私は立ち上がって逃げるようにトイレに向かった

これ以上、先輩のストレートを受けたら負けてしまいそうだったから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

6月ハーモニー 未来音符 その8

6月ハーモニー 未来音符 その8です

???の正体は謎の赤が似合う人です。

ちなみにメーちゃんは20歳です。

カイトが18の高3でメーちゃんは20歳の社会人です。

閲覧数:104

投稿日:2012/08/30 01:03:51

文字数:5,483文字

カテゴリ:小説

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