誰か助けてーーっ!!
このっ・・・この重苦しい空気・・・私には耐えれないっ!!
グミヤはさっきから無言でただ私の手を掴んで歩いている。
掴まれている手がドキドキし過ぎて熱いのと、グミヤの力が少し強くて痛む。
廊下の窓から吹く風が冷たくて、グミヤの綺麗な髪を揺らす。
私は見とれている自分を放って、この状況は変えようと話しかけてみた。
「ねっ、ねぇ・・・グミヤ?」
小さな声だったのにグミヤはビクッとして慌てて私の手を離した。
離された手は冷たい風によって冷やされて少し虚しく感じる。
「ご・・・めん。」
今にも消えてしまいそうな声。
グミヤの表情は険しくて、その中に少し悲しそうな表情が見える。
そしてグミヤの瞳が少し潤んでいるように見えた。
「グミヤ・・・今日、何してたの?」
瞳の潤みは気のせいかなと思い流した。
「・・・ヴァンパイアを探してた。」
「えっ・・・?1人・・・で?」
「あぁ・・・・。」
「なっ、なんでっ?」
私は自分に何も言ってくれなかったことに対してショックを受けながら、ついつい強い口調で言ってしまった。
グミヤは最初すごく言いずらそうだったが、小さく呟いた。
「ぐみに迷惑はかけたくなかった・・・。」
その言葉が脳内に入り込んだ瞬間、私はなぜかプツンとキレてしまった。
「迷惑って何っ!?私は・・・グミヤの役に立ちたいって思ってるのにっ・・・!」
私の目は少し潤んで、久しぶりに他人に怒鳴った。
グミヤも少し怒ったのか、顔が少し怖かった。
「俺のせいでっ・・・俺のせいでぐみが傷ついてほしくないんだよっ!」
「そんなっ・・・・・・・・もしかして昨日のこと気にしてるの?」
グミヤは図星だったのか何も言わない。
素直に心配してくれるのは嬉しい・・・でも私のせいでグミヤが苦しむのは・・・それ以上に辛い。
私は・・・ただ・・・グミヤと普通に笑って話して過ごしたいのに。
グミヤと過ごす時間は楽しいしすっごく癒される。
それに・・・グミヤは私に経験した事の無い感情をくれた。
「グミヤ・・・私ね・・・グミヤと過ごす時間がすごく好きなんだ。」
「・・・えっ?」
私は、さっきカイト先輩が言っていた言葉を信じて、そっとグミヤの手を掴んで顔を近づけた。
そっと触れた唇は柔らかくて温かくて初めての感覚。
唇を離してチラッとグミヤを見ると、グミヤの瞳からポロポロと涙が零れていた。
私はビクッとして深々と頭を下げた。
「グッグミヤッ!?ごっごめんっ!!いきなりこんなことしてっ!!」
私は顔を真っ赤にしながら頭を下げ続けた。
するとクスッという笑い声が聞こえて、パッと私は頭を上げた。
「別にぐみのせいじゃないよ。」
指で涙を拭いながら優しく微笑んだグミヤは綺麗で不覚にも見惚れてしまう。
グミヤは前みたいな優しい雰囲気で私は安心した。
ちょっぴり嬉しさもあった。
するといきなりグミヤはフワッと私を包み込んで抱きしめた。
いきなりの事で私は思わず変な声を出してしまった。
「グミッ、グミヤっ!?」
私がプチパニックを起こしていると、グミヤは耳元で優しく囁いた。
「ぐみ、ありがと。・・・ぐみのおかげでなんか・・・軽くなった。」
その言葉は私の心の奥に深く甘く沁み込んで、全身が熱くなる。
グミヤはそんなことも知らずに笑顔でポンポンと私の頭を撫でる。
「さぁ・・・帰ろうか?」
グミヤは私の目の前に手を差し出して優しく微笑む。
「うんっ!!」
その手を私は強く握りしめて、グミヤと2人で家に帰った。
こんな幸せな時間が続けばいいと思っていた矢先・・・。
私に更なる試練がふるかかるなんて・・・この時はまだ知らなかったんだ。
Bloody Girl 9
ようやく更新!!
いや~昨日・・本当はミヤグミの別物語を載せようと思ったのですが・・・私のテスト明けの体力では不可能だったようです(泣)
いや~グミ&グミヤ・・ようやくキスまで辿り着いたw
作者は嬉しいぞよ!! (ただの変態w
さてさて・・・次回からちょっぴり新展開になるかもしれないし・・・ならないかもしれないw
読んでくださっている方・・・本当にこんなノロノロ更新のアホ作者ですが・・・これからも陰ながら読んでやってください(泣)
そしてグミちゃん・・・誕生日おめでとうさ~
いつまでも癒しの存在であってください☆
コメント1
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ご意見・ご感想
日枝学
ご意見・ご感想
読みましたよー 丁寧な描写と順調に進む展開が良いですね
時間ある時に1~8も読みますね GJです!
2011/06/27 22:27:43
甘菜
お褒めのお言葉・・・ありがとうございます!!
読んでくださって、本当にありがとうございます☆
そのお言葉を胸に留めてこれからもガリガリ書いていきます(泣)
2011/06/27 22:34:07