-おまけ-
『鏡の悪魔』を見ていない方、またはその世界観を壊したくない方や、腐向け表現に不快感を感じる方は、Uターン推奨します。
まあ、腐向けっつったって、たいしたことないんですけどね!!(←ここ大事)
さて。それでははじめましょう。残った方々にのみ、知ることのできる、
『裏鏡の悪魔』です。
『-傀儡-』より。はじめの方からちょっと考えて自重したネタ。
部屋の片隅でレンを包み込んだ光は次第に緩やかになってきて、その光もふっと消えてしまった。ふわりと柔らかい光に包まれていたレンは、無意識に目を瞑っていたらしく、そっと目を開いた。何が起こったのかわからず、恐る恐る目を開いたのだ。
(…?)
「…あれっ…あは、失敗しちゃった♪」
そう言って、レオンは手をひらひらとして見せて、笑顔のままおどけたようにした。
「もう一回やるから、ちょっと待って――」
(…ん?)
ふと、レンは気がついた。
「!!」
また呪文を唱えようとするレオンの襟をつかんで、もはや苦笑いの表情のままレオンを睨みつけた。
「どしたのー?」
「どうしたじゃねえッ!!」
声が出た。まあ、今はそれどころではないらしい。
「これはなんだ」
「制服だけど?」
「いいか、俺はオトコだぞ。これは女物だろうが」
「失敗失敗★」
「ざっけんなぁぁぁぁああああああああああああ!!てめぇにしたら成功の限りだろ!!!」
「黙らないと、次、いくよ?次は何がいいかな?あはは。ワンピースもいいけど、ミニスカもいいね」
「…早く誰か助けてくれ…」
半泣きでレンはそう呟いた。
と―――。
「レン!!」
「うぁいッ!?」
いきなり名を呼ばれ、奇声を上げながら声のほうへと顔を向けると、そこにはこちらを見て唖然としているリンがいた。
「れ…ン?」
「え?あ…ちょ…ちがッ」
「似合う!!」
「え…あ、はい?」
「これ、レオン君がやったの?別の服って着せられないの?」
「できるよ。どんなのがいい?」
「えっとね、そうねチャイナドレスなんてどう?」
「いいね」
「よくないから。リン、お前、どっちの仲間?」
「こんなことできるんならレオン君のほう」
「裏切り者!!」
抗議するレンの声も聞かず、リンとレオンはゲームでもするかのように楽しげに、チャイナドレスのデザインを決めていく。ここから逃げたくても、こんなかっこうのままでは誰にも会うことができない。
「リン様、こちらにはレンは見当たらないのですが…」
その口調は、ルカ以外の何者でもなく。三人の姿を認めたルカは、すたすたと中にはいってきて、リンの腕をつかむとそのまま廊下に出、インカムでカイトとメイコに連絡を取った。
「レン、見つかりましたが偽者のようです。どこかに本体が…」
「ないから!!いっておくが、これは俺がやろうと思ってやったんじゃない!」
「…リン様、帰りましょう。レン、頭を冷やしてきなさい」
「ルカ!!」
自重自重。妄想でレンの女装を思い浮かべたのがもともとですが。この後、レンは放置されてバッドエンドしかなくなるので。
メイコの過去について。
昔、この地方には盗賊一味がのさばっていた。政治家やら警察のお偉いさんが、一味の上層部とつながっているらしく、捕まるのは下っ端ばかりで一味の全貌は見えていなかった。
そんな地方に足を踏み入れたのが、メイコだった。一緒にいるのは、カイトである。二人ともまだ少し幼く、メイコの腰には茶色の鞘があった。
この辺りでは、夜――といっても、五時くらいからなのだが――に外に出歩くと、もれなく盗賊に襲われることが当たり前になっていた。
この二人も例外ではない。
「おい、そこの二人。金目の物を置いていきな」
「あんた達が盗賊ね?金目のものなんてないわ。あるとしたら、あなた達から奪うしかなかいかしら?」
「めーちゃん、気をつけてよ。この辺、結構仲間多そうだ」
そう耳打ちをするカイトにお構いなしに、盗賊たちはふんと鼻で笑ってメイコとカイトを指差す。
「二人で俺達を倒すつもりか?無理無理、あきらめろ。お前達に勝ち目はない。今のうちに土下座でもして逃げれば許してやるぞ、ガハハハハ…は?」
一人の笑い声が途切れ、変わりに銃声が響いて火薬のにおいがその場に立ち込めた。
「ウチのめーちゃんを悪く言うと、こうなるよ」
そういうカイトの目は鋭い氷のような殺気となって、炎すらも凍らせてしまいそうだった。
男のふとももには、銃弾がねじ込まれ、血がふきだしていた。
盗賊たちは少しも怖気づいた様子はなく、
「かかれ!!容赦はするな!」
「おう!!」
言うなり二人のほうへ突進してきたのである。
二人はせなか合わせになり、メイコがにやりと笑った。腰の鞘から、美しい刀身を中に舞うようにふるい、一瞬にして辺りの敵をなぎ倒した。その後ろから溢れるように出てくる敵に、カイトが応戦する。わざと急所をはずして銃弾を放つ。
しばらくして、敵も出てこなくなった頃、
「終わりかしら?」
「みたいだね…。ふー」
「疲れてるの?シャキッとしなさい、シャキッと!」
「なに言ってるのさ。実は三回くらいめーちゃんの剣、かすったんだよ」
「それをいったら、アンタの銃だって脇に当たってやりにくかったわ」
そういいながら、近くの町へと立ち寄った。
二人は旅の途中だった。これから新天地を求めての旅だ。
その後、二人は一気に勇者様と称され、賢者の地位を無理やりに取得させられ、賢者はこの町にいるべきだと外の街に出ることを制限された。故に、二人のたびはそこで中断された。つまり、今メイコたちが住む街は昔、盗賊に脅かされていたということだ。それをメイコが倒したということを、リンたちは知らない。
妄想妄想。メイコはやっぱり魔法より剣ですよね!!人柱アリスのイメージが抜けない…。ちなみにこの頃、メイコは中学生。カイトは保護者。吸血鬼だから年取っても若いままかなぁとか。妄想妄想!!
その後。
「リンちゃん!!遅刻するよ!?」
「待って待って!レン、早く!!」
「靴が…うっし!遅刻!!」
三人が走り出すと、プリマが後ろから悠長に魔法ですいすいと飛んでくる。
「おま…ずるッ!」
「そんなことありません。能力を最大限に発揮しているだけです」
そういいながら、教室へと入っていった。
「やあ♪」
「なんでテメェがいるんだ」
「いやぁ、面白いからさぁ」
「そーかそーか。死ね」
顔がめり込むほどに押し付けられた靴の裏に、ガムがくっついていないことを祈るべきだろう。
「―――で、どうして二人ともそんなに落ち込んでいるんですか」
ルカが、メイコに聞いた。既に二人は館の中で紅茶を飲んでいるところだった。
「それが、もうすぐある学園祭のことらしいのよ。メイド喫茶をやるんですって。その役柄について、話し合いをしたとかで。そうしたら何故かレンがメイドでリンが執事服を着ることになったらしいわ。それで、二人とも抗議したけどダメだったみたい」
「気の毒ですわ」
END
コメント1
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ご意見・ご感想
リオン
その他
返事が遅れてしまってすみません、みずたまりさんお久しぶりです。
え、正しいんですか?リンは面白くて仕方がないんだと思います。いつも強がってるレンがそうなっているのは、面白くて仕方ないんじゃないですか?他人の不幸は蜜の味ってヤツです。
大丈夫ですよ♪ミクとプリマにはその辺きちっと言い聞かせて置きましたから。
ミ「そういえば、リオンが何かいってたわね。プリマ、なんていってたか覚えてる?」
プ「いえ、全く。思い出せないのなら、いいのではないでしょうか。大したことではないのですわ」
…忘れられていました。
いいですよね!!そのコンビ!!
きっとそうさせたのはレオンです。このあと、二人は隠れて服を取り替えようとするんですが、レオンに見つかってしまうんですね。きっと。
ふんわりほのぼのの刑!?どんな刑なんでしょう!?怖いですね!!(笑)
テスト上がりにがんばって書きます。見てやってくださいねー。
2009/09/07 18:37:14