夜の帳静かやかに落ちて
夜闇が世界そっと包んで
ひとしずく零れた涙が
銀の月明かりに溶けていく
誰も知らない この想いは
風に乗せて消えてしまえ
だけど心はまだ疼きたて
朝を拒み彷徨う
夜露よ 暁に惑え
儚き夢を抱いて消えろ
交わした言葉さえも今は
掴めないこと霧のよう
愛しき面影よ
夜に溶けてゆけ
差し伸べた指先の温度
確かに触れた気がしたのに
幻のように揺らめいて
手のひらから零れ落ちた低温
声を失くした この胸には
何を求めて生きるのか
答えのない問いかけだけが
夜風に舞い続ける
夜露よ 暁に惑え
消えぬ痛みを抱(いだ)いたまま
ふらつく心 映す水面(みなも)
波紋のように広がる
届かぬ願いなら
夜に預けよう
朝焼けが染める頃
夜の秘密は消えるのか
それともこの胸の奥
闇に変わるのか
夜露よ 暁に惑え
愛しき影を宿したまま
遠のく記憶に手を伸ばし
答えを求め続ける
儚く散る運命(さだめ)
夜に囚われよう
夜の隙間に残る声
暁に溶ける前に
ただ一度だけ
もう一度だけ
あなたを呼びたかった
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