昨日はめーちゃんやミクたちがやけにニコニコしてたなー。


なんかいいことあったのかな？


まあいいや。アイスでも食べよう。


あ、そうだ。たまにはカップから出してお皿で食べるのもいいかも。

キッチンにある食器棚に手を伸ばして、奥のほうにあるアイス専用の食器を取ろうとした瞬間に、パリーンッ！　何か嫌な音がした。


カ「え…っと…。」


足元を見ると、見事に割れたコップのかけらがたくさん飛び散っていた。

しかもこのコップの持ち主はめーちゃんだ…！


カ「ど、どうしよう！」


割ってしまったことを隠すか？　いや、だめだ。

正直に謝るか…。

その前にこのガラスをどうにかしないと…。

僕の周りにガラスの破片がたくさん見える。

このまま足を動かすと、ガラスで足を切ってしまいそうだ。そんなのは嫌だ。痛いのも嫌だ。

一歩も動けないぞ。どうすれば…！

あ、そうだ！　誰かを呼べばいいんだ！


カ「おぉ――――い！　誰かあァァ！！」


………。

叫んだ見たけど返事は無い。

えっと、でも１人ぐらいはいるよね…？

必死に頭の中の記憶をたどる。

確かめーちゃんはＰＶ収録。…ルカ、グミ、ミクは買い物でいない。

のこるはリンとレン！？　この二人は確か家にいたはずだ。

もっと大きな声で呼べばいいのかな？


カ「リ――――ン！！！　レ――――ン！！」


さっきよりもさらに大きい声で呼んでみた。お、微かに足音が聞こえる。この音はきっとリンだな。

階段を下りてきているんだろう。


リ「カイト兄！　どうしたの！？」

カ「リン！」


よかった！　きてくれた！


カ「あ、えっと…コップ割っちゃって……ガラスが飛んで動けなかったんだ！　あの、掃除機お願いします。」

リ「ハイハイ。で、そのコップ、誰の？　見るからに赤い水玉の模様で…ってこれメイコ姉の！？」

カ「そうなんだ…。」

リ「あ～…ドンマイ！　きっと怒られるよｗ」

カ「うん…。」

リ「ショッピングに付き合ってあげるから、メイコ姉のコップ買いに行こう？」

カ「え、いいの！？　ありがとうリン！」

あぁ…。なんていい妹なんだろう。

リンは掃除機を持ってきて床を綺麗にしてくれた。そのおかげで何とかなった…。


リ「ショッピングといっても近くのお店に買いに行くだけだからね。」

カ「ハーイ！」










歩いて５分もしない近くのお店に向かった。

食器やコップなどが置かれているコーナーにＢダッシュをしたら店員に怒られた。　ｂｙカイト、リン


カ「あ、ねぇねぇ、これとかめーちゃん喜ぶかな？」


僕の目に留まったのは赤とか茶色とかピンクとかの明るい雰囲気のコップ。

チェック柄でかわいかった。

自分用に買っちゃおうかな…ｗｗ　あ！　うそです！　女物のコップは使いません！　すみません！


リ「ほんとだ、それもかわいい！　…お！　これも可愛くない？」


そう言ってリンが手に取ったのはオレンジや黄色のいかにもリンが好きそうな色のコップ。


カ「えー！　それはリンの趣味じゃない？」

リ「…チッ」


ん？　何か聞こえたような。…気のせいだよね、あはっ☆


カ「じゃあこれでいいか。」


買ったのは、僕が最初に見つけたあのコップ。

リンは少し不満そうだったけど、そこは気にしちゃいけない。



帰り道、コップの入った袋を手に持ち家に帰った。












　　　　　その夜



メ「……これは何？」

カ「コップです。」

メ「それは分かるわよ。…じゃなくて、何でコップなの？」

カ「あ、…えっと…実は僕がめーちゃんのコップを割っちゃって…それで、その、ごめんなさいッ！！」

メ「そうなの…。まぁ、正直に言ってくれたから許すわよ…。コップはありがたくもらっていくわね。」


どうぞどうぞ。…よかった。怒られると覚悟していたけど怒られなかった。

むしろ、なんかめーちゃん嬉しそうだった？　あれ？　なんで疑問系…。


そういえば、めーちゃんに物をプレゼントするというのは、あんまり無かったかもしれない。