ここは私たちのエデンの園。私たちだけのエデンの園。                                

「リン、おなか空いてない?」                                          


私をエデンへと誘った、金色の蛇が私に話しかけてきた。                                        


「ちょっと、空いたかなぁ・・・。なんか、くれる?」                               

「うん・・・いいけど・・・その手で食べられる?」                                 


金色の蛇はクスクスと笑う。そうだった、私の手は縛られてるんだった。これは金色の蛇がつけたもの、愛しい金色の蛇がつけてくれたもの。私の血もついている。あぁ、彼がつけてくれた手錠に、私の血ってホントッ最高!                                                      

「わかってるんじゃないのかしら・・・?ねぇ・・・食べさせてよ?」                           

それを聞くと彼はさっきよりも嬉しそうな顔をしてくれた。これはまた・・・可愛い蛇さんね。              

「いいよ。待ってて、今作ってくる。」                                             

彼は、一度小さなエデンから出て行った。最初は私もこのエデンを毛嫌いした。冷たくって、暗くて、悲しくて悲しくて悲しくて。でも、そんなことはもう思わない。この暗さが逆に明るく見えてきたし、この冷たさも温かく思えてきた。このエデンの外の明るさは明るすぎて目が痛くなるだろう。外の温度はきっと熱すぎて火傷してしまうだろう。だから、もう外に出ようとは思わない。この温かさも明るさも私をこのエデンへと誘ってくれた、蛇のおかげ。彼は私を愛してくれている、彼なりの形で。私だって、彼を愛している、私なりの形でね。                                                 

「リン・・・?できたよ・・・。ほら、食べて。」                                   

「ありがとう。食べさせて?」                                                 

「うん!」                                                             

彼は私の髪の毛を引っ張り、スープへと顔を移動させてくれた。                                     


「どう?おいしい?今日は俺、いつもより頑張ったんだ!」                                 

彼は無邪気に笑っていた。違う違う、彼は「異常」じゃない、彼は至って「普通」だ。こんなに優しい彼が、異常?そんな訳ないでしょ!                                             

「うん!おいしい!よく頑張ったね!ミネストローネおいしいよ!」                        

真っ赤な真っ赤なミネストローネおいしいわ。                                      


「よかったぁ・・・。」                                         

「レン、そういえばまだおはようのチューしてないわ。」                                    


私たちの掟、朝は必ずキスをすること。どう?ラブラブでしょ?どんなバカップルよりも。だってレンったら、私のために剃刀で手首を切ってくれたのよ!私も切ったけどね。私への謝罪みたいなものだって言ってたわ!これ以上のことはないわ!彼は私を愛してくれてる!あぁ、でも彼の血は綺麗だったわぁ!もう一度切ってくれないかしら?                                            

「ねぇ、レン?」                                                          

「なに?」                                                   

「あの時みたいに手首切ってくれないかな・・・?手首じゃなくてもいいから血を見せて?」              


レンは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに妖艶に微笑んだ。                                              


「いいよ。」                                                  

レンはナイフを出した。いつから持っていたの?そしてナイフを私へと手渡す。                           


「リンがやって?」                                               

そういえば、彼が痛い事をするのはしょっちゅうだったけど、私はやったことないわね。                        

「え、いいのかしら・・・?」                                           

さすがにちょっと戸惑う。                                                 

「うん。俺がいつもリンにやってる時と同じようにすればいいんだよ。」                                

「わかったわ・・・やってみる・・・。」                                                


さて・・・どこにしようか・・・?                                                  


「レン、お腹でもいいかしら・・・?」                                             

「リン、結構マニアックだね。」                                                    

「うるさいわね。ほら、さっさと裾捲って!」                                     

「はいはい。」                                                    


レンがシャツの裾を捲る。                                                        


「さぁ、どうぞ?」                                                  

それにしても・・・肌綺麗ね・・・。私より綺麗なんじゃないかしら?ちょっと、舐めてもいいかしら? 


ペロッ                                                    


「ん・・・リン!」                                                   

レンの頬がうっすらと色付く。                                          


「ごめん、ごめん。」                                                                                    


「さっさとしてよ・・・。」                                           

「はいはい。」                                                


私はナイフを彼の腹に滑らせる。滑らせてところから、赤い綺麗な液体が出てくる。                          


「綺麗・・・!」                                                      

舐めたいという衝動に駆られ、舐めてしまった。あぁ、おいしい。色も綺麗でおいしいって最高ね!               


「リン・・・やめて・・・くすぐったい・・・っ!」                                   

「あら、ごめんなさい。」                                                          

「リン・・・仕返しだ!」                                                   

そういって彼は私にキスをしてくれた。ねっ?ラブラブでしょ?普通でしょ?                   


「れっ・・・ん。離して・・・んっ!ほんとにごめんなさい・・・。」                               

「いいよ。」                                                 


「レン・・・抱きしめて?」                                           

「んっ?いいよ。」                                                    


レンはあったかい。でも、時々氷の様に冷たくなる、死人のように冷たくなる。                             


「ねぇ、リン?」                                                

「なぁに?レン。」                                                    

「あの時のこと覚えてる?」                                             

「ちょっと・・・思い出させないでよ・・・。」                                      

「ごめん、ごめん。」                                                                  

目を閉じてみると、あの時の光景が浮かんでくる。血はたくさん、流れたけど皆レンみたいに綺麗じゃなかった。汚い色、臭いも臭い。                                             


『リンちゃん!!今ならまだ間に合うから!お願い!!皆を殺さないで!!クオォォォオオ!!!』   

『リンお願い戻ってきて・・・どうして・・・どうして・・・!!!!』                             

『リン・・・どうか・・・聞いて・・・!君はそっちに行っちゃいけない!!君はきっと、後悔する!不幸になるから・・・どうか・・・戻ってきて!!』                                             


カイト兄さん・・・メイコ姉さん・・・ミク姉・・・私はこんなにも幸せだよ?後悔なんかしてない、不幸になったとも思わない。                                                                

「リンは幸せ・・・?」                                              


「当たり前よ。」                                                      


どんな所でもあなたがいればそこはエデンの園と化す。                                     



(私は神様の作った幸せを幸せだとは思わないわ。ねっ?優しい優しい殺人鬼さん?そう思わない?)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

これは楽園と呼ぶのにはあまりにも不完全かもしれないね

アウトオブエデンじゃないからね!!                            

アウトは設定考えてあるけど不安だから・・・やらん!      


短編設定                                     


レン 殺人鬼                                     

リン 一般家庭の子                                 

ミク 家族(メイコカイトなども同じ)                         

クオ ミクの彼氏                                    


リンレンは恋に落ちたけど、レンは殺人鬼だったからそれを知った皆が交際を認めなかった。殺害し、リンを連れ出す。監禁。                          


ださい設定だな

閲覧数:361

投稿日:2011/06/03 22:32:00

文字数:5,271文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    こういう設定だいすきだよ!!
    こういう話も大好き!

    レンが殺人鬼ってかっこいい!!←
    でもみんなのことを殺しちゃったんだね…でもレンなら許す!

    ブクマもらうね!!

    2011/06/04 18:12:47

    • なのこ

      なのこ

      瓶底眼鏡さん                                             

      狂気って時々美しく感じますよね・・・                                      

      瓶底眼鏡さんかっこよすぎます!!わかってますねぇぇえ!!!エデンというのは神の作り上げた楽園であるが故にイヴは禁断の果実を食べてしまったのではないか?と思います               
      その楽園にある「幸せ」というのは神の幸せでしかない・・・その価値観はすべての者には通用しないからそれが例え神であっても   なにマジレスしてんだ自分                    

      瓶底眼鏡さんかっこいい!すごいです!                                      

      星華さん                                                     

      狂ってるけど最高っていってもらえると嬉しいです・・・短編は毎回自分のその時の気分で書いてますからね!!気まぐれですからね!?ついでにksいですからね!!                           

      リンが幸せかは書いた本人ですらわからない←                                       

      コメありがとうございます                                           

      シベリアちゃん                                             

      暗いお話っていいよね!逆にテンションあがる!                                    

      レンきゅんよかったねwwかっこいいだってwwwかっこいいwww                          

      レン・・・貴様ぁぁあああ!!羨ましいんだよ!ショタのくせにぃぃぃい!!                  


      毎度・・・ブクマありがとね・・・!!!ええこやなぁ・・・!!

      2011/06/04 19:13:18

  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    お邪魔です!

    狂ってますねぇ……だがそれもいい←

    所詮、『神の作った幸せ』など、異端者を排斥した一般大衆の幸せにしか過ぎない以上、それを全ての者に押しつけてはならない、何故なら個人の幸せは個人が決めるものなのだから……なんちゃって←

    2011/06/03 23:15:55

    • なのこ

      なのこ

      瓶底眼鏡さん                                             

      狂気って時々美しく感じますよね・・・                                      

      瓶底眼鏡さんかっこよすぎます!!わかってますねぇぇえ!!!エデンというのは神の作り上げた楽園であるが故にイヴは禁断の果実を食べてしまったのではないか?と思います               
      その楽園にある「幸せ」というのは神の幸せでしかない・・・その価値観はすべての者には通用しないからそれが例え神であっても   なにマジレスしてんだ自分                    

      瓶底眼鏡さんかっこいい!すごいです!                                      

      星華さん                                                     

      狂ってるけど最高っていってもらえると嬉しいです・・・短編は毎回自分のその時の気分で書いてますからね!!気まぐれですからね!?ついでにksいですからね!!                           

      リンが幸せかは書いた本人ですらわからない←                                       

      コメありがとうございます                                           

      シベリアちゃん                                             

      暗いお話っていいよね!逆にテンションあがる!                                    

      レンきゅんよかったねwwかっこいいだってwwwかっこいいwww                          

      レン・・・貴様ぁぁあああ!!羨ましいんだよ!ショタのくせにぃぃぃい!!                  


      毎度・・・ブクマありがとね・・・!!!ええこやなぁ・・・!!

      2011/06/04 19:13:18

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