――――――――――彼女に惹かれたのは、いつからだったろうか。





――――――――――彼女に魅せられたのは、何がきっかけだったろうか。





細かいことなんて何も覚えてない。唯気づいたら彼女に惹かれて、彼女に魅せられて。





恋の病を――――――――――患って。





自分でも馬鹿だと思った。現世の人間を愛さず、平面世界の彼女を想うなんて。





彼女と触れ合うことも、彼女の元へ行くことすらも叶わないのに。





ある意味では最大の禁忌の恋だというのに。





だけど惹かれてしまった。惹かれてしまったものは仕方ない。





仕方ないのだから、現世の誰かを愛せない分もまとめて、精一杯彼女の事を祝おう。










心透視桃髪美人の、5回目の誕生日を。










『………………………………』



とある日の夜。


どっぐちゃんと俺は、皆が寝静まった夜だというのに、二人で起きて『ある時』を待っていた。

時計は既に1時を回っている。どっぐちゃんと話すことがなければ、清花ちゃんすら眠りについている時間だ。

そんな時間まで起きてまで―――――俺には待ちたい『時』があった。

つまらないこだわりだったが、俺にとっては大切なことだった。

そんなつまらなくも大切なこだわりのために―――――どっぐちゃんは俺に付き合って起きていてくれている。

本人は『あたしは寝なくたって大丈夫なんだから』と言っていたけど、決してそんなことはない。『寝なくても死なない』だけであって疲労回復は必要なんだ。本当は辛いに決まってる。

それでもどっぐちゃんは―――――俺が寝落ちしないよう見張っててくれている。


「……Turndog」


不意にどっぐちゃんが話しかけてきた。何だ、という代わりに、その眼をすっと見つめてみる。


「……2年前、まだあたしは存在してなかったからわかんないけどさ……あんたの作った物語が、ホントに嬉しかったんだろうね、『彼女』」

「……ああ、そうだろうな。その物語が皆に注目されて……更に喜びに拍車をかけていただろう」


だが俺は―――――時が経って、その物語の存在を忘れてしまっていた。自分の進化の第一歩を。大切な人に向けた宝物を。

如何程に哀しかったか。どれだけ辛かったか。あの時は気づいてあげられなかった―――――でも、今ならわかる気がする。

そっけない振りをして、いつも乱暴で。

だけど本当は―――――いつも俺の作る物語を待ってくれている。



今日はそんな彼女の、大切な日。



だから精一杯祝おう。



忘れられた記念日の分も、祝えなかった記念日の分もまとめて。





「……1時29分。そろそろよ」

「ああ」


すっと立ち上がって、時空転移用PCに手をかける。


『行ってくる』

「ん、行ってらっしゃいな」


途端に俺の視界は夜の暗闇から電子空間の光の世界へと変わり―――――そして次の瞬間には、月夜へと変わっていた。

だけど一つだけ違うところがある。



俺の目の前に座っているのはどっぐちゃんではなく―――――満月を眺め、桃髪を靡かせる美女。



「……1時30分03秒。まったく、ホント変なとここだわるんだから。明日も仕事あんのにこんな夜更かしさせて……寝坊したらどうしてくれんのよ」

「はは……ごめんな。……でも、こだわった価値はあったよ。だって今――――――――――」





『ルカさん―――――最高の笑顔してるもの』





振り向いた彼女の―――――ルカさんの顔には、小さな光の粒をたたえた、今まで見たことのないような笑顔が浮かんでいた。


「……2年前から、ずっと待ってたんだもの。あんたが物語を描いてくれるのを」

「……そりゃ待たせたな。……ああ、でも、本当に久しぶりだ。この言葉を言うのは――――――――――――――――」





忘れられた記念日の分も。祝えなかった記念日の分も。





すべてまとめて祝おう。





この言葉に込めて。










『――――――――――誕生日おめでとう……ルカさん』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【ルカ誕】2年越しの想い【ルカさん5周年だZE!】

ルカさんがっ……

5周年っ……!!


5周年だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああヒャッフオウウウウウウウウウウウルカさん誕生日おめでとオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおお!!!!!


……ふぅ
ルカさんは騒がしいの好きじゃないから落ち着いて祝うべきだと思うんだ(賢者タイム乙
こんにちはTurndogです。

ルカさんフィギュアとかたこルカとか、その辺を手に入れることはもう脳裏にありませんでした。
ただ、ルカさんを祝いたい。
特に今回ばっかりはミク達には祝わせたくない。
最初に祝うのは俺だ。
そんな気持ちで書いた結果、
何故かルカさんの登場シーンがめっちゃ短くなりましたw
あれぇ?

ただ、想いは全部込めれたんじゃないかなーと思います。
ルカさんへの誕生日プレゼントは月夜ということで(おい
(ホントは懐中時計をあげる予定だったんですが、うまく文章としてまとまらなかったので今日の昼辺りにでもエピソードを作ろうかなーとか思ったり←)
あと投稿時間もこだわろうとしたんだけど、30分に代わった瞬間を狙ったら29分になっちゃって、慌てて消してたら数分すぎた……ちきしょう。。
それと今日の月齢は28で、三日月よりも細い新月に向かう月なんですが、まぁヴォカロ町とは時間の流れが多少違うということで!←


【追記】
ウオオオオオオオオオオオオオルカさんのV3が来たずうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
皆の者おおおおおおおおおおおおお!!!! 鬨の声をあげよおおおおおおおおおおおおおお!!!!

閲覧数:190

投稿日:2014/01/31 00:46:24

文字数:1,742文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    ほおお!!!
    なんだかオットナーな雰囲気ですね!!
    ターンドッグさんだからこそ、為せる業だと思いました!!

    2014/01/30 20:07:45

    • Turndog~ターンドッグ~

      Turndog~ターンドッグ~

      多分ルカさんの存在感がなせる業だと思います←
      あと『Turndog』のなせる業。
      リアルの『私』は多分もっと騒ぐと思いますw

      2014/01/30 20:43:11

オススメ作品

クリップボードにコピーしました