タグ:つんでれ☆どっぐちゃん
46件
「かなりあ荘が…消える?」
そんな話をゆるりーさんから聞いたのは、確か春先だったような気がする。
各々が自分の道を歩み始めて幾年経っただろうか。
一人称が『俺』だった自分も、仕事を重ねていくうちにいつしか『私』と自分を呼称するようになった。
そんな中、時折かなりあ荘には顔を出す時はあった。
同好の士...【最後の物語】さよなら、またね、かなりあ荘
Turndog~ターンドッグ~
すっかり日も暮れて、カラスの鳴き声さえもしない午後8時。
不思議な空間を抜け、次に目を開けた時にはアパートの小さな一室の中にいた。
「あ、おかえり!一泊するって聞いた時はびっくりしたよー」
マスターがお茶をすすりながら私たちに言った。
まさかとは思うけど、私たちが帰ってくるまでずっと201号室にいた...ヴォカロへ遊びに行こう 15(完)【コラボ・ゆ】
ゆるりー
……………下の階がわいわいと騒がしい。
きっと、皆かなりあ荘のムードメーカーに別れでも告げているんだろう。
そんなことを想いつつ、俺は自室で領収書を数えていた。
「あれ? Turndog……何してるわけ?」
「ん?」
顔をあげてみると、ルカさんとどっぐちゃんが俺の手元を覗き込んでいた。
「おいっす、...【See you…】402号室の空いた日々【Again,chizu!!】
Turndog~ターンドッグ~
ハロウィン。
子供たちが奇々怪々な怪物たちに扮して大人たちを脅はk……もとい誘惑するこのお祭り。
去年も一昨年も、変なものをやるもんだと斜に構えてたあたしだけど。
……たまにはそんな変な風習に身をゆだねてみるのも、悪くないよね?
『Trick or……treat!!』
そう嗤い掛ける私の目の前で――...【ハロウィン!!】Trick or…Love?【つんでれ☆どっぐちゃん】
Turndog~ターンドッグ~
徐々に暑さが遠のく九月下旬。
お客の少ないこの頃、ネルは特に依頼もないのに俺の部屋に入りびたりである。
「……暇ー……」
「本店の方は大丈夫なのか?」
「お客さん少ないのよこの時期って……ほら、ちょうど学生は新学期だったり、受験生は追い込みはじめだったり、社会人だっていろいろ忙しくなるじゃない? だ...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
Turndog~ターンドッグ~
「あー、暑いー…」
夏。
先日日本列島を直撃した台風は、この地域に何日も大雨を降らせた。
その時に作ったてるてる坊主が、今はもうすっかり晴れた窓際に風鈴のように揺れる。
「…すいか食べよう」
部屋の冷蔵庫から1/4カットのすいかを取り出し、キッチンまで行って切って(一つはゆかりん用に小さく)、お皿に...【かなりあ荘】小さな迷子【ちびゆかりん】
ゆるりー
《ててーんててーんててーんててーてててん♪》
ミクとロシアンと3人でルカちゃんと先生をからかっていると、いきなり私の携帯が鳴った。
このメロディは…………………。
「ダブルラリアットですか?」
「自分の曲を着メロにしてるのか……」
「い、いいじゃない別に……」
だがそんな悠長なことも言っていられない...ヴォカロ町に遊びに行こう 6 【コラボ・d】
Turndog~ターンドッグ~
――――――――――ねえ、あなたは幽霊がなぜ現世に残るかについてどう思う?
なんでこんな質問するのかって? そりゃあ、このかなりあ荘には一人幽霊が住み着いてるじゃない? だから何となく気になって?
で、どう思う? ……ふぅん、そんなふうに考えるんだ。
私はさ、幽霊ってのは現世の人間に大切なことを伝え...【単品】幽霊のココロ~遺したい想い~
Turndog~ターンドッグ~
「ふむふむ成程、町について私についての情報を集めてたら、これにいきなり襲われて、軽くいなしてたところに私たちが来て、その隙を狙って噂のチョークアタックをぶつけたところパワーアップ補正で破壊力満点の一撃を叩き込んでしまい、巻き添えでロシアンがぶっ飛んだと……」
『巻き添えというわりにはこの吾輩でも冗談...ヴォカロ町へ遊びに行こう 4【コラボ・d】
Turndog~ターンドッグ~
ネルが『スターシルルスコープ』を生み出してからかれこれ一か月ほど経った。
ネルはあの時の経験が生きてか、少ない材料で高品質の物を作ることにハマったらしく。
今では『ネルネル・ネルネ出張店』で売っている物はほとんど普段の半分から5分の1ほどの材料で作ることができるようになっていた。
そう、ネルはかなり...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑥~
Turndog~ターンドッグ~
「そいやああぁぁぁぁああああ!!!!」
――――――――――雪合戦。
「ほっ」
-―――――――――雪玉を投げ合うだけの楽しい遊び。
「どりゃああああああああああああ!!!」
―――――――――――――――のはずが。
いつの間にかカーブやスライダーやシンカーやシュートやナックルの乱れ飛ぶ超次元戦場へ...dogとどっぐとヴォカロ町!Part12-3~芸術的な戦術式雪合戦~
Turndog~ターンドッグ~
「ふぅ。すっきりした☆」
『俺がすっきりしね―――――よ!!』
憑き物が取れたような顔をしているルカさんに対し、付き物(主に自分の血とか)が大量にくっ付いている俺。シュール。
体は動くし、ダメージも残ってない。だが十数分に及ぶ痛みの記憶だけは俺の脳を締め上げるように残っている。
「はいはい、ごめんご...dogとどっぐとヴォカロ町! Part12-2~青い少女の憂鬱~
Turndog~ターンドッグ~
~どっぐちゃん視点~
年が明けてからもう、既に二月が経ってしまった。
まだまだ寒さは厳しいけれど、日も少しずつ伸びてきて、いつか来る春を予感させる。
そんな―――――二月の末のこと。
「あれ? どっぐちゃんどうしたの?」
不意に声を掛けられたあたしは、何気なく振り向いた。
と、真正面に―――――――...dogとどっぐとヴォカロ町! Part12-1~ルカさんの照れ隠し(物理)~
Turndog~ターンドッグ~
―――――それは小さな一言だった。
「ねぇどっぐちゃん、髪伸びて来たんじゃない?」
「ふぇ?」
遊びに来ていたネルに呼びかけられて、どっぐちゃんが振り向いた。
言われてみれば、確かに随分と髪の長さが伸びたような気もする。年明け前に切ったはずなんだけどなぁ……。
「ちょっとあたしが切ったげるよ!」
「...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑤~
Turndog~ターンドッグ~
――――――――――彼女に惹かれたのは、いつからだったろうか。
――――――――――彼女に魅せられたのは、何がきっかけだったろうか。
細かいことなんて何も覚えてない。唯気づいたら彼女に惹かれて、彼女に魅せられて。
恋の病を――――――――――患って。
自分でも馬鹿だと思った。現世の人間を愛さず、平面...【ルカ誕】2年越しの想い【ルカさん5周年だZE!】
Turndog~ターンドッグ~
「へぇ……清花ちゃんと会ったか!」
「はい、彼女が置き忘れたシルルスコープ届けてくれて、それを追いかけてですね」
「どうだ? 彼女、いい子だったろ?」
「なんかターンドッグさんが言うといかがわしく感じるんですが…ええ、いい子でしたよ!」
「なんでいかがわしいの!?」
謎な会話を繰り広げる俺と雪りんご...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版④~
Turndog~ターンドッグ~
かなりあ荘に戻ってきた俺たちは、することもないのでとりあえず外に出てみた。
すると―――――
「ふんふん、スコープの注文ね。今すぐ材料用意できる?」
「あ、明日になれば……元旦から申し訳ないんだけど……」
「へえ、いいじゃん縁起良くて! 明日は本店の方もすっからかんだから、まさしく来年最初のお客様よ...dogとどっぐとヴォカロ町!Part11-5~年収め:ゆるりんてぃあ+ちず~
Turndog~ターンドッグ~
「Turndogじゃない……珍しいわね、こんなとこで会うなんて」
そう言ってルカさんは近づいてくる。とうとう4回目だ。創造者が想像した世界を散歩して回るのがそんなに珍しいかおまいら。
いつもの出勤用バッグに、鼠色のピーコートを羽織って、桃色の手袋をつけている。それでもやっぱり寒いのか、顔が少しばかり...dogとどっぐとヴォカロ町!Part11-4~年収め:ルカ~
Turndog~ターンドッグ~
「さて……ミクの話じゃ、夜までルカさんは戻ってこないんだっけ」
「それまでどうやって時間を潰すの?」
「んー……あすこ行くか!」
「どこよ?」
「町はずれの……『あいつ』のバーだよ」
バー『whine&wine』。
即ち―――――ハクの店のドアを軽くたたいた。
「ハクー、いるか? 入るぞー……って…...dogとどっぐとヴォカロ町!Part11-3~年収め:ハク・グミ~
Turndog~ターンドッグ~
『……うーむ』
ヴォカロ町に到着早々、俺は一つ唸り声を上げた。
「……人っ子一人いねえな、この時期は」
「そりゃあ、町の人も忙しいもの」
俺たちが降り立ったのは町の中心部―――――センターステージ。普段はミク達が歌を歌い踊りまわって大騒ぎしている場所だが、さすがにこの師走月末に騒いでいる人はそうそう...dogとどっぐとヴォカロ町!Part11-2~年収め:カイト・ミク・リンレン・メイコ
Turndog~ターンドッグ~
……一年というのは早いものである。
気づけば木枯らしが吹き、昆虫は姿を消し、俺は生き甲斐を失い、どっぐちゃんは自らの髪にくるまり、ルカさんは灰色のコートを着て出勤するようになる。
師走―――――12月とはそんな時期だ。人肌恋しくなるぐらい寒く、それ以上に忙しい。
そんな冬の時期――――――――――
...dogとどっぐとヴォカロ町! Part11‐1~年収め:しるる・清花・ネル~
Turndog~ターンドッグ~
―――――一瞬、普通の人間だと思った。
それぐらい、彼女の姿には違和感がなかった。
袴が私服代わりだといってしまえば普通の人間で通用しただろう。
だがその足はふよふよと浮いていた。
その瞬間、彼女が幽霊であることを理解し、一瞬体が固まった。
だがどっぐちゃんは明るい顔をしている。
そうか、そうか。こ...dogとどっぐとヴォカロ町! Part10-2~15人目~
Turndog~ターンドッグ~
雨も冷たくなってきた、12月中旬のある日のこと。
俺はかなりあ荘一階のしるるさんの部屋の横で、どっぐちゃんと一緒に佇んでいた。
元々の用は、『ネルネル・ネルネクリスマスセール! 大特価で放出しちゃうぞSP!!』という、アイテム割引セールについて相談しようとしていた。
……が。
「……この話声……」
...dogとどっぐとヴォカロ町! Part10-1~邂逅~
Turndog~ターンドッグ~
とある夜のこと―――――。
『ターンドッグさーん、まだ起きてますー?』
「……ん?」
夜も更けたころだというのに、ゆるりーさんが訪ねてきた。
「はいはーい、なんぞ……ってぬお!?」
ドアを開けてびっくり。ゆるりーさんが抱えていたのは、でこぼこした風呂敷包みだ。
「よっこらせ……っと、夜分失礼します」...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版③~
Turndog~ターンドッグ~
~~~~~どっぐちゃん視点~~~~~
こないだの勉強会から、Turndogの様子が少し変わった。
余り笑わなくなり、机に向かっている時間が長くなった。
のぞきこんでみると、『有機化学概論』とか『微分・積分』とか、少しわけわかんないものが並んでいた。
簡単に考えれば、ゆるりーさんたちに触発された……と...dogとどっぐとヴォカロ町! Part9-2~Turndogの暴走~
Turndog~ターンドッグ~
受験。
それは全ての人間が、一回り成長するために欠かせない関門。
今この世に働くすべての社会人は、一度なり二度なりこの関門を潜り抜けてきた者たちだ。
そして今も、数多の小・中・高・大学生が受験に挑むために、勉強で力を蓄えている。
だがその受験、本当に自分の糧になっているのか?
ちょっと手詰まった時、...dogとどっぐとヴォカロ町! Part9-1~戦う者たちとTurndog~
Turndog~ターンドッグ~
――――――――――つんでれ☆どっぐちゃん。それが、あたしの名前。
変な名前でしょ? Turndogが何を考えたか、こんな名前つけたのよ。……まぁ、せっかくつけてくれた名前だし、悪い気はしないけどね?
かるーくあたしのこと、おさらいしよっか。
あたしの正体は、Turndogから分離したあいつの精神体...【つんでれ☆どっぐちゃん】どっぐちゃんと清花
Turndog~ターンドッグ~
シアンの髪を持つ美女―――――イズミ草さん。通称イズミさん。つかさ君とは先輩後輩の関係だ。
彼女はしるるさんによって、『かなりあ四天王』なんて呼ばれたことがあった。最もしるるさんは大見得切って呼んだことはなく、表で呼んでいるのは俺ぐらいだが。
イズミさんがかなりあ四天王と呼ばれていた理由は、しるるさ...dogとどっぐとヴォカロ町! Part8-2~TurndogVSイズミ草!!①激闘の始まり~
Turndog~ターンドッグ~
かなりあ荘だって人の出はいりがある。
ほぼ常駐の人(まぁ主に俺だけと言っても過言ではない)、比較的頻繁に顔を出す人、たまに顔を出す人、ほとんど顔を出さない人、いつの間にかいなくなっていく人。
中には、忙しかったけど多少の暇ができたから顔を出す人や、新しく入ってくる人もいる。
そんな中。
浅葱色の髪を...dogとどっぐとヴォカロ町! Part8-1~新たな色~
Turndog~ターンドッグ~
「……本当に、いいのね?」
「ああ、覚悟のうちだ」
「ほんっと変なとこで真面目だよね……あたしそんなの気にしないのに……」
「一応、お前らとの絆の証だからな。こいつらは……」
「……まったく……でも、Turndogのそういうとこ、ホント大好き」
「こないだも言ったろ……そういうこと、下手に口に出すな...dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店 ネルネル・ネルネ出張版②~
Turndog~ターンドッグ~
1
- 2