キヨテル先生は、優しそうな顔とは正反対の性格だったりする。

キ「あ、そういえば今日は実験をやろうと思っていたのに、なんで教室に着たんでしょうか…。みなさーん、第一理科室に移動してください。」


…今日は実験かぁー。

めんどくさい。
教室から理科室まで結構離れているから時間かかるんだよね…。

レ「リンー！　理科室行こう。みんな移動し始めてるよ。」

リ「あ、うん。」

教科書、筆箱、ノートをもって教室を出た。











ようやく理科室についた。

レ「理科めんどくさいなー！　早く５・６時間目にならないかな…。」

リ「ほんとだよね！　５・６時間目は調理実習だもんね！」



たぶん、ほとんどの人が５・６時間目を待ち望んでいると思う。

なぜかって？　会話でも分かるように、家庭科の調理実習だから！！



理科室にはいって席に着いた。

時計を見ると、もうとっくに３時間目が始まる時間だ。

だけど先生はまだ来てない。

まあ、その分授業がつぶれるからいいけど！


先生がこないから、みんなそれぞれ話をしていた。けれどいまだに先生が来る気配はない。

何やってんだあの先生は…。

あと３０分で授業が終わってしまう。

でもラッキー！！
と思ってところで先生が来た…。


キ「遅くなってすいませんねー…。いやー、他の先生との話が続いてしまって。…では気を取り直して授業を始めます。」

他の先生と話してたのかよ…。もう先生失格でいいよね。人間失格じゃなくて。

キ「今日やる実験は、氷についてです。僕の名前にもこの文字が使われていますね。氷山キヨテルですからね。というわけで氷について実験します。」

何その理由。自分の名前に氷って文字が入ってたから、氷の実験するのかよ…。

適当すぎる…。みんなあきれてるよｗ

キ「で、その氷なんですけど、調理室にある冷凍庫の中に入っているんで、それぞれとってきてくださいね先生はここで見守っていますからー」

とか言って先生はイスに座った。
ほんとに何なの！？　あの先生は！　こっちだって面倒くさいんだからね！　自分が取りに行くのが嫌なだけなんだろ。絶対そうだ！！


テ「うわ…。何あの先生。何で生徒に取りに行かせてるの？」

メ「あたし行くのやだから、カイト、あたしの分も氷取ってきてね。」

カ「えー…何で…。」

メ「何か文句でも？」

カ「すいません。」

グ「自分で行くなんてだるいよー。カイト、あたしの分もよろしく。」

テ「じゃあ僕も。」

カ「じゃあってなんだよ、グミまで…。」

ミ「あたしもね！」

レ「俺のも。」

リ「私もお願い！」

カ「………。」

みんながカイトに頼むから私も頼んでおいた。

カイトごめんね！



カイトに取りに行かせてから、５分ぐらいでカイト、別名不憫な子は戻ってきた。

全員分の氷を抱えて。

ミ「ありがとうカイト！」

みんなの手に氷が行き渡ったところで、先生がイスから立ち上がった。

キ「みなさん氷もってきましたね。では実験方法を言います。よく聞いていてください。氷は、解けるとどのようになるのかを実験します。」


…解けるとどうなるかって…水になるんでしょ。

なんだろ…この先生も馬鹿なのかな…。

それとも馬鹿にされてんの？

さすがにそれは分かるんだけどなー。

何でみんなが知ってるような、常識的なことを実験でやるんだろ。

いちいち実験しなくてもそんなの分かるっつーの！！！


隣の席のテトが話しかけてきた。

テ「ねえ、あの先生って馬鹿なの？」

答えは即答。

リ「もちろん。」

テ「あ、やっぱり？」

テトも凄くあきれているようだ。

キ「ん、もうこんな時間だ。みなさーん！　もう時間なので授業を終わりにしまーす！」

……。


この学校、近いうちに終わるんじゃないか？　って今本気で思った。

結局何もやらないで授業は終わってしまった。

でもラッキーだったな、うん。ついでに先生がおかしいってことも分かったから！！