「ねぇお兄ちゃん、今欲しいものって何かある?あ、アイス以外で!」
「欲しいもの?」
リビングのソファー、いつものようにお兄ちゃんの膝に座ってそう言った私に、こてん、と首を傾げたお兄ちゃん。
ちょっとかわいい…なんて思いながら、私は言葉を続ける。
「もうすぐ、お兄ちゃんの誕生日でしょ?去年みたいなサプライズもいいけど、今年はお兄ちゃんの望みを叶える方向でいこうかなーって」
「ふふ、ありがとうミク。」
「えへへ」
頭を撫でてもらって、その心地よさに私はふにゃりと笑う。お姉ちゃん達やマスターに撫でてもらうのも好きだけど、やっぱりお兄ちゃんにしてもらうのが一番好きだ。なんだか安心するし、こころがあったくなって幸せな気持ちになる。
だからこそ、いつも私を幸せにしてくれるお兄ちゃんを、誕生日くらいは私が幸せにしてあげたい。
「その気持ちだけでも十分嬉しいよ」
「本当?でもでも、何か一つくらいないの?欲しいもの」
「うーん…。アイス以外で欲しいものかぁ…」
首をひねりながら、『こうやってミクが一緒にいてくれれば十分なんだけど…』なんて言うお兄ちゃん。
私が『でも、それじゃあいつもと一緒だよ』と言うと、『それもそうだね』とまたしばらく考えこんだ。
「そうだなぁ…。欲しいもの…では、ないんだけど」
「何なに?何かあるの?」
ようやく答えらしきものを思い付いた様子のお兄ちゃんを、私は期待を込めた目で見つめる。
「んー…。ミクに一つ、俺のわがままをきいてもらってもいいかな?」
「うん!私に出来るだけことなら、お兄ちゃんのためになんでもするよ!」
そう言った私に対して、お兄ちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「だったら、・・・・・・」
『んと・・・こんな感じ?』
『そんなに恐る恐るじゃなくて、もっと強くしてもいいよ?』
『いつもお兄ちゃんがしてくれるばっかりだから、よくわかんなくて・・・』
『大丈夫。ミクのやりたいようにやってみて』
『えっと・・・こう?気持ちいい?』
『ん、上手いよミク』
『・・・本当?私、いつもお兄ちゃんがしてくれてるみたいにできてる?』
『ちゃんとできてるよ。いい子だね、ミク・・・』
・・・さて。扉越しに聞こえたここまでの会話から、自分が何を想像したかはひとまず置いておいて。実際にリビングで繰り広げられていたのは以下のような光景だった。
まず、ソファーに横になるカイト兄。そして、そんな彼に膝枕しながら頭を撫でるミク姉。
うん、先ほど自分がちょっとだけしてしまった想像が申し訳なく思えるほど、非常にほのぼのとした光景である。
え、なにを想像したかって?それはまあ、なんというか・・・鏡音レンは12歳設定ですから。思春期ですから。察してください。
まあ、この二人が人前でもナチュラルにいちゃつくのは通常運転だし。こんなことだろうとは思ったけど。
とはいえ、ちょっと部屋に入りずらい雰囲気なのは確かな訳で。二人に気付かれないようそっと扉を閉める。
自分が出かけていたのは、カイト兄に渡すためある物を買いに行っていたからなのだが・・・後でもいいだろう。
「リン達が帰ってくるまでくらい、二人っきりにしといてあげよう。・・・誕生日だしな」
あまり関わりたくないから、という本音は心にしまっておく。
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