すったもんだの騒ぎの翌日、首尾良く目的のアイスを購入して帰宅。
『KAITOの種』を植えてみた……ところで、問題発生。
「これ入れとくのって冷蔵庫? 冷凍庫?」
発芽までは数時間かかるというから、出しっ放しは却下する。冷蔵庫でも溶けそうだなぁ。でも冷凍庫だと硬くなりすぎかなぁ。
「カイトだったらどっちがいい? 冷蔵庫で目覚めるのと、冷凍庫で目覚めるのと」
「冷凍庫ですね」
「ですよねー」
即答か。冷凍庫に頭から突っ込んで幸せ、なイラストとか見たもんなぁ。種から生まれるとはいえKAITOには違いないのだし、ここは本人(?)の意見を尊重しよう。
「じゃあ冷凍庫で。今からだったら、寝る前に覗けば起きてるでしょ」
「結局、何アイスにしたんですか?」
訊ねるカイトの視線は冷凍庫。勿体無い、とその目が如実に語っている。
「植えるトコ見てなかったんだ? ならお楽しみにしとこうかな」
答えにならない答えを返して、紙袋からもうひとつ、アイスカップを取り出した。途端にカイトが花を飛ばす。現金な奴め。
「ダブルで買ってきちゃったけど、夕飯前だから一個ずつね。味どっちがいい?」



そろそろいいかな、とキッチンへ向かうと、カイトもくっついてきた。それなりに気にはなってるのかな。
「起きてるかな~? 開けますよー」
ウキウキと冷凍庫を開ける。種を植えたカップを見ると――空。って中の子は?
「……あ」
「あ……」
いました。庫内に入れてある買い置きアイスの側に。
「えっと、えっと……たべてないですよー」
ちっさい両腕をぱたぱた振って、つまみ食いしてません!アピール。袖は長い設定らしく余ってばさばさ揺れている。やばい、可愛すぎるこのイキモノ。
「っ可愛い……! うんうん、食べてないねー」
「いや明らかに食べる気満々でしたよ今まさに」
悩殺されてる私が気に入らないのだろう、不機嫌全開でカイトが言う。
「いいんだよ、発芽で1個使い切って、まだ食べるんだから。だよね? とりあえず出ておいでー」
開けっ放しでは大事なアイスが溶けてしまう。小さいKAITOとアイスを出して引き出しを閉めた。

「はい、どうぞ」
大きめの皿にアイスカップと種KAITOをのせて、お店で貰ったプラスチックスプーンを渡す。これなら軽いし小さめだ、普通のスプーンより使いやすいだろうし、多少零しても皿の上だ。……袖はまくってあげるべきだろうか?
種KAITOはスプーンを抱きしめ、アイスに目を輝かせ……ヨダレを垂らしそうな顔をはっと引き締めて、こちらを見上げた。
「えっと、ますたー?」
小首傾げて見上げないで! いろいろやばい……!
理性崩壊しかかるのを押し止めて、笑顔を保ってみる。最初が肝心だ、怯えさせてはいけない。
「うん、マスターです。こっちはウチのKAITO」
「……」
うん? 何か今、チラっとカイトを見た目が冷たかったような?
「かいとはねぇ、たねかいとですー。ますたー、なかよし、してくださいねぇ」
うん気のせいだよね! 可愛い!!
仄かな疑念は瞬時に却下して、小さい頭を指先で撫でてみた。あ、髪柔らかいなぁ。生まれたてだからか、癖っ毛なのか。どっちにしても和むわー。

そういえば、種KAITOの外見描写がまだでした。
大きさは、てのひらサイズ。15cm弱、くらいかな? アイスの量で大きくなるというけど、どれくらいのスピードで成長するんだろ。すくすく育って欲しい反面、このミニマムっぷりも捨て難い魅力だ。健康に、且つゆっくり育っていただきたい。
服は、前述の通り袖が長くて余るタイプ。マフラーは首の後ろでリボン結びだ。あ、よく見ると質感ふんわりしてるなー。ってことは、髪が柔らかいのもこの子の特性なのかも。
カラーリングは、ミントカラーベースに白メッシュ。その上に、飾りのように赤や緑の粒が乗っている。
さて、この子の種を植えたアイスは……?
「ポ○ピングシャワー、ですか」
はい、カイト正解。流石だね兄さん。
口の中で弾けるキャンディが楽しくて好きなフレーバーだ。スタンダードフレーバーだから万一の時も安心。
それにしても、想像以上にそのまま反映されたなー。って、
「あぁあ! しまった!」
「え、何ですか?!」
思わずあげた大声に、KAITO×2の驚いた視線が向けられた。アイス食べかけで止まってしまった種KAITOを驚かせてごめんね、と撫でて、隣のカイトにこっそり呟く。
「……名前、どうしよう」

ポッピン○シャワーな種KAITO。どこを取って縮めても可愛い名前になる気がしない……。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

KAITOful☆days #02【KAITOの種】

植えました&咲き(?)ました! でもアイス食べさせただけで終わりました。…orz
フレーバー名は例によって一応伏せておきます。こういうのってどこまでセーフなんだろう?
そういえば今回、文頭の注意書きだけでクッションページ挟んでませんが、入れた方がいいのかなぁ。

今回は『裏』がありますー。同じ話の兄さん視点です。「前のバージョン」からどうぞー。

KAITOの種 本家様。
http://piapro.jp/content/aa6z5yee9omge6m2

 * * * * *
2010/07/17 UP
2010/08/30 編集(冒頭から注意文を削除)

閲覧数:477

投稿日:2010/08/30 20:28:18

文字数:1,891文字

カテゴリ:小説

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  • 秋徒

    秋徒

    ご意見・ご感想

     こんにちは。またまた覗かせていただきました。
     ポ〇ピングシャワーキター(゜∀゜)! 私もスタンダードの中ではかなりお気に入りのひとつです。種KAITOも可愛い仕上がりになりましたね(*´ω`*)
     しかしまさかの種KAITO腹黒疑惑?で後々心配です。兄さんはアレだし、マスターちゃんは可愛さにやられてるし、一波乱起きそうな予感…;;
     次回もすぐに上がりそうなので、アイスでも食べつつ待ってます^^

    2010/07/17 12:34:59

    • 藍流

      藍流

      こんにちは。またまたコメントありがとうございます!

      美味しいですよねポ〇ピングシャワー。折角なので見た目に楽しいデザインの種っ子にしようと思って無い知恵を絞ってみました。あの配色でしかもふわふわ系だったら可愛いに違いない!と思って。
      まさかの腹黒疑惑w 兄さんを引っ掻き回してもらう為、あんまり見ないタイプにしてみました。
      「どうなる次回!?」なんて待っていただけたら幸いです☆

      実は次回分までは書き上げ済みだったりします。まとめて上げようか悩みつつ小出しにしたんですが、アイスがなくなっちゃいますねw
      もうちょっと確認して、今夜か、遅くても明日には上げられるかと思いますので?!

      2010/07/17 14:22:57

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