傾ぐ降る日を 浴び照り返す
清かなる刃の 撫でる祈りに
落つ影の淡い 輪郭が疾[と]く
増し深まりゆく 夜はただ濃く

沈む世界を 踏む足音が
歌に響きに 紛れ混ざり

息吹くBarong[バロン]の 差し伸べたる手
目覚めるRangda[ランダ]の 揺らいだ爪が
掻き出す憂いと悲しみは
艶やかに咲く 花に、依[よ]り



仰ぎ見た月 痩せ砥ぎ澄んで
冴える先から 滴る恵み
吐く息の熱が 唇に這い
紡ぐmantra[マントラ]は 玲瓏と鳴る

揺らぐ世界に 囁く声が
音に流れに 滲み消える

降りるBarongの 慈しむ指
去り行くRangdaの 憐憫の目が
もたらした愛と祝福は
朽ち枯れ果てた 花に、帰[き]す



伏せる瞼に
過[よぎ]る姿は
気高[けたか]しくあり
畏ろしくあり

凝らした目には
何も写らず
捧げた舞は
虚無に呑まれる



********************



A
かしぐふるひを あびてりかえす
さやかなるはの なでるいのりに
おつかげのあわい りんかくがとく
ましふかまりゆく よるはただこく

B
しずむせかいを ふむあしおとが
うたにひびきに まぎれまざり

S
いぶくばろんの さしのべたるて
めざめるらんだの ゆらいだつめが
かきだすうれいとかなしみは
あでやかにさく はなにより



A
あおぎみたつき やせとぎすんで
さえるさきから したたるめぐみ
はくいきのねつが くちびるにはい
つむぐマントラは れいろうとなる

B
ゆらぐせかいに ささやくこえが
おとにながれに にじみきえる

S
おりるばろんの いつくしむゆび
さりゆくらんだの れんびんのめが
もたらしたあいとしゅくふくは
くちかれはてた はなにきす


C
ふせるまぶたに よぎるすがたは
けたかしくあり おそろしくあり
こらしためには なにもうつらず
ささげたまいは きょむにのまれる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

Sekala‐Niskala(スカラ・ニスカラ)

※語訳
【Sekala(スカラ)・Niskala(ニスカラ)】
バリ語で「見えるものと見えないもの(世界)」を意味します。
【Barong(バロン)】&【Rangda(ランダ)】
バリ島の土着信仰(バリヒンズー)の神様。
バロンは四足の獅子のような姿、ランダは長い髪と爪の魔女のような姿で描かれる。


当たり前のように其処に在るのに、見ることが叶わない姿。それでも信じられる存在。
届くことを疑わず、人は踊り、祈り、歌う。
信仰って不思議です。



tamanさまの「剣舞にいさん。完成ver.」を見てたら、またもやムラムラしたので
自重せずに歌詞のような詩のようなものを書いてしましました…。
http://piapro.jp/content/5oyyqf366410yelq

舞台背景はインドネシアのバリ島をイメェジ。
(以前書いて曲をつけていただいた「Sayang[サヤン]」という詩と、微妙にリンクしてます)

閲覧数:396

投稿日:2010/01/30 00:37:29

文字数:810文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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