タグ「Lily」のついた投稿作品一覧(9)
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あと一限で午前中の授業は終わる。
ちなみに四時限目は担当の教師が休みのため自習だ。
クラスの連中も実質今からの長い休み時間に浮かれている。
既にぐっすりと昼寝をしている奴もちらほら見受けられた。
かくいう俺も、教師にうまく見つからない程度に校舎を徘徊しようと考えてたりする。
携帯を片手にさてどこふら...私たちの花物語 紫君子欄への想い
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お昼休み。
私は世良に連れられて裏庭へ続く通路を歩いていた。
登校中、世良はお昼を一緒にしようと切り出してから、私が話さない代わりに一生懸命に会話を続けようとたどたどしく自分の話や勉強の話をしてくれた。
私はそんな世良を見て、少しずつ調子を戻していった。
おかげで学校に着くころにはいつも通りに話す程...私たちの花物語 紫君子欄の光
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午前5時45分。
目覚まし時計も何もなく私は目が覚めた。
ベッドから足を下し掛布団だけきっちりたたむ。
朝食を適当にパンで済ませたら制服に着替える。
白いブラウスに首元には学校指定の黒い紐リボン、茶色でチェックの少しオシャレなデザインのスカート。
スカートの丈は膝ちょうどあたり。
髪型を変えたり伊達...私たちの花物語 紫君子欄の揺らぎ
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彼と出会ったのは、中学三年のときだった。
一つ年上で、髪を一つに束ねたどこかチャラい感じで初めて会ったときは、そこまで好きな人間ではなかったと思う。
向こうも向こうで、私の事なんて興味の無さそうな顔をしていた。
今日から一緒に住むことになるなんて言われても、はっきり言ってどうでもよかった。
私はその...私たちの花物語 紫君子欄の回想
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世良は、とても可愛い。
「私と友達になりたい」そういったときのあの世良の顔を、私は絶対に忘れないだろう。
赤面しながら、人の目を見るのが苦手なのにもかかわらず一生懸命に私の方を見て、白い手を固く握りしめながらそういった世良。
その姿がすごく、すごく可愛らしくて。思わず恋をしたかのように胸がキュンと高...私たちの花物語 紫君子欄の思い2
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目の前にいる赤毛の少女はどうやら冗談で私に消えろと言っているわけではないらしい。
なぜ彼女がそんなことを言うのか、そんな理由は容易に察することができた。
「奈々に、近づかないでくれる?すごく目障りよ。今朝から奈々にずっとまとわりついて。貴方、なんなの?」
敵意をむき出しにして鋭い言葉を私に次々と投げ...私たちの花物語 ゼラニウムと曼珠沙華の衝突
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「放課後、二年の教室に来て。そこでもう一度話を聞かせてもらえるかな?待ってるから。」
青髪の上級生は、そういって真剣な表情で私を見つめた。
目元を手で拭いながらこくこくと頷く。
それを見て彼は安心したようにまた微笑んだ。
彼がまた、私の手を優しく包みなおす。
「……目の赤みが引くまで、もう少しここに...私たちの花物語 ゼラニウムの安堵
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「……世良。」
メガネをかけなおし、背筋をピンと伸ばして足早に教室へと戻っていく世良を”私”は見送った。
『な、奈々…』
近くにいたクラスメイトが戸惑うような目をして私の名前を呼んだ。
今朝、世良と話している時もこの子は私に笑顔で手を振ってきていた。
しかしどうやら彼女は世良の事が苦手なようで、世良...私たちの花物語 紫君子欄の想い
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朝、外は灰色の曇り空。
鏡の前に立つ自分を見る。
透き通るような肌。大きな瞳。手触りの良さそうなやわらかな髪。
華奢な体躯。けど発育はちゃんとしている。
くびれた腰にすらっとしている脚。
まさに美少女!なんてことはとりあえずない。
髪も可愛くセットしていなければ服装も”オシャレ”のセンスすら感じさせ...私たちの花物語 ゼラニウムと紫君子欄の出会い