タグ「和風」のついた投稿作品一覧(7)
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満月の浮かぶ夜
冴え渡る静寂
張り詰めた湖面に
波紋を作り出す
銀色に包まれて
凛と佇む巫女
渦巻く水底に
蠢く闇の屑
祓い給え浄め給え
急く村人達の...月湖の巫女
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言霊の震える程に
はらはらと溢れる涙
梅枝の残んの雪も
春告の鳥が鳴き散らし
手のひらを濡らす思い出
霞の籠める空を舞う風
儚く匂う花の香りが
叶わぬ想い包むだけ
仄暗い朝切ない夕に
凛と小さく咲いていた...初春恋詩
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白は深深と降り積もる
普く色を奪う為に
静寂を迎えて凍える空は
無為に蒼褪めた儘
滴を背に此の身零ちる
惑う火影に耀う
騒ぐ風に吹かれて落ちた
寒椿
滴を背に淀み光る
迷う水面に漂う...紅涙寒椿
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風に清く雲に隠された
明かりひとつ灯せない
夢に聴いた幻の月影の曲
奏でて
月暈仄暗い宵に臥せる頃
明滅の火の命が目を覚ます
地の泉は澄み渡る
心移ろう青さを湛えて
風に清く雲に流される
涙ひとつ零れない...夢幻月詩
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すべてすべて掬い上げても
尽きぬ水海の底に
何も言わず腕を抱いて
沈む花が死んだ
涙が朝を濡らし 悠を彷徨えど
無限の環に呑まれ 心 寂寞を宿す
惑い堕ちた前の世で
紡いだ縁が咽ぶ
魂 移り変わる迄
すべてすべて掬い上げても...因果応報水海が底【応募用】
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雨降り、滴り落ちるは
ぽつぽつ、髪を飾る珠
袖笠、翳すこともせずに
ただ濡らして、此の儘
微かな音と共に沁み込む様
上着の色、濃く変われば
淡く咲いた花の名を
言い恋い詠う
静かに佇みつつ
彼の日の面影を漂わせた胸は...【巡音ルカ】雨下映えの華
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薫る幽玄の山風
楽の音 淑やかに
血塗る尖端の昂り
息の根 尽きるまで
水底に揺らぐ俤が詠う
篝火に浮かぶ憶念が嗤う
徒の廻廊 夢寐の燈籠
彷徨う眼を誑かす
千の武士 勝鬨を挙げ
久しい日輪に泪せよ...軍の華 扇の瑕