ブックマークした作品
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彼のあたたかい腕にきつく抱き締められて耳元で優しく優しく囁かれた。
「…ならさ、ミクちゃん。いっそ『ここ』まで堕ちておいでよ」
余裕の消えた泣きそうなそれでも優しい微笑にやっと彼を捕まえた気がした…。
【小説】堕ちた天使と悪魔の囁き8
「俺もさ…君が好きだよ。出逢ったあの日から本当はずっと目が離せな...【小説】堕ちた天使と悪魔の囁き8【完結】
riru
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ver.Len
1A'
ある日王子(オレ)に降りかかった呪い
手のひらサイズの小さな身体
呪いを解くため出た旅で
出会ったのはそう優しい微笑み
1A
いつしか俺は恋に落ちてた
二人の秘密の場所でいつだって
思っていたんだ ずっとずっと…...Little Lover
riru
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*第1幕─第1場─*
「もう少し、水を多くしてみようかしら・・」
咲いたばかりの花弁に艶が少ない事を感じ、ミクは呟いた。
多種多様のバラが咲き誇るミクの小さな庭園は、夜の天幕と月明かりで守られている。
城の裏手にあり、目立つ場所ではない庭園は亡き母から譲り受けたもので、ミクにとって唯一の安らげる空間...【真夏の夜の夢】 第1幕─第1場─
ひさよし
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第1幕─第2場─
『ほら、二人とも早く来なさいよー』
細くて砂利の多い森小道を走りながら、少しだけ顔を後ろに向けてリンが呼ぶ。
自分はすぐに追いつける速さなのだが、かなり遅れて走るミクが気になって全力は出せない。
隣国のミク王女は自分達より2歳年上だというのに、元からの天然さが加わって年下に見えた。...【真夏の夜の夢】 第1幕─第2場─
ひさよし
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『今度の土曜日、少し買い物に付き合って欲しいのですが。もし空いていたら連絡ください。』
珍しく、彼のほうからそんなメールが届いた。ミクは思わず口元を緩め、慌てて掌で覆った。隣の席に座っていたクラスメートに不思議な顔をされながら、返信を打つ。
『土曜日なら一日空いてるから、遠出しても大丈夫だよ。』
...お買い物。
cettia@鶯
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1A
(ミク)
またこの季節がやってきた
あなたと出会ったこの季節
今年で何回目か覚えてる?
私はちゃんと覚えてる
1B
(レン)
俺だって覚えているよ
でも 数なんか関係ない...聖★クリスマス
朝比奈魅瑠々
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―冬の寒さの名残を微かに含んで吹く春の風。
俺の名前は鏡音レン。 先日、大学に入学したばかりの18歳だ。
そして、今日は大学生活で初めての休日であり、待ちにまった“約束の日”。
期待にはやる鼓動を抑えながらも足の速度は緩めずに、俺は「相棒」である猫のミクオ(通称はクオ)と共にある場所へ向かった。
俺...巡る季節、巡る想い(1)
祭り猫
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―良くも悪くも、クオのお陰で事態はどんどん進行していきました。
…俺を置いてきぼり状態にして…。
(自分の猫に負けた気分って……)
ミクを見つめたまま惚けるレン。
クオはそんな自分の主人のズボンに軽く爪を立てて、彼女達のいるベンチまで行こうと促すも、尚もレンは惚けたまま…。
「やれやれ…」と言った風...巡る季節、巡る想い(2)
祭り猫
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―あの日、名残惜しみながらも俺とミクさんは夕方には自分の家に、お互いの猫を連れて帰った・・・。
だがその一週間後に、すぐに俺とミクさんは会う事となる。
【一週間後。公園にて】
一週間前と同じ様に、リンを膝に乗せて公園のベンチに座るミク。
そんな彼女達に息を弾ませながら近づいてくる一人と一匹の影。
そ...巡る季節、巡る想い(3)
祭り猫
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久しく聞いていなかった。だが、聞き覚えのある声の存在に、ミクは驚いた様に顔を上げた。
不安そうな面持ちをしながらも、レンはミクに駆け寄る。
だが、ミクは何も言わず、顔を俯かせる。
「ミクさん……」
「……………………」
俺が近くに駆け寄っても、ミクさんは何も言ってくれない。
俺の顔も見てくれな...巡る季節、巡る想い(6)
祭り猫
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それ以来、レンには週に一、二度のクオとの散歩の中に、新しくも欠かせない生活習慣ができた。
―それは、「お互いの猫を連れての公園でのミクとの談笑」。
週に一度、俺はクオを連れて、ミクさんもリンを連れて公園で会う。
クオとリンは勝手に二匹で遊んだりじゃれたりしているので、その間、飼い主の俺達は自分の猫達...巡る季節、巡る想い(4)
祭り猫
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―異変は突然に、何の前触れもなく起きる物である。それは、人間関係でも変わらない。
それは、そろそろ肌寒さを感じさせる秋の頃だった…。
俺は、いつもの様にクオを連れてすっかり乾いた落ち葉が一杯の公園でミクさん達を待っていた。
けれど、その日に限ってミクさんは中々来ない……。
事前の用事や風邪などで...巡る季節、巡る想い(5)
祭り猫