ふゆ～れいの投稿作品一覧

　翌日は雨だった。
　流石に今日はやっていないだろう。昨日、初めて参加した音の楽描会が楽しかったので
今夜も行ってみようと思っていたが、午後から降り始めた雨は夜になっても止まなかった。
　音の楽描会、あれは現実だったのだろうか？
　それが楽しかったのは覚えている。何もわからず輪に入ってきた僕を皆が温...

「あれっ？ あんなところにクリスマスツリーがある。」
ゆかりが、ふと立ち止まる。
１２月に入ってしばらくした頃。水上ゆかりと沼田玲、大島つむぎはいつも
の３人で学校からの帰り道を歩いていた。
「本当だ～。誰か飾り付けたんだろうね～。」
「あれだけの木を...

「あららっ。とうとう降ってきちゃった。」
教室の窓から外を見ていたゆかりが声を上げた。
「おっ、よーやく天気予報が当たったか。」
ゆかりの声に、玲も窓際に寄って来る。
「はぁーっ、夕立かぁ。傘持ってきてないよ～。今日も晴れる予定だったのに。」
「今日は夕...

夏も終わりかけた頃。海にはクラゲが大挙して押し寄せてくる。
・水くらげ、
・電気くらげ、
・カツオノエボシ、
・キクラゲ・ ・ ・（違うだろ）・
ｅｔｃ．
そんなある日。
「いや～ん。クラゲがいっぱいいる～。こ...

悲しみよ　ここから消え去ってくれ
魂は泣いている　報われないよと
心に棲みついた　暗闇よ
苦しむのは　たくさんさ
またあの楽しい日々に還り
楽しく歌いたいよ
La Ya La La....
また歌いたいよ

お月さまって　美味しいのかな
バナナみたいな味　するのかな
きっと　甘いんだ
きっと　美味しいんだ
空の上まで　飛んで行って
お月様に　かじりつくんだ
誰か私を　月まで連れてって
お月さまって　食べられないんだ
お母さんが　そう言っていた
ちょっと　さみしいな...

♪♪♪秋夜の音楽描会♪♪♪
プロローグ --- 音でらくがきをする会 ---
　僕がそれに出会ったのは、夜風に秋の気配が感じられるようになってきた、とある日の
夜であった。
　会社からの帰り道、僕はいつもの道を少し離れたところにある林の方に向かった。
（今日は夜風が気持ちよいから、ちょっと遠回り...

～七夕～
「つむぎちゃんってほんとに着物がよく似合うね。」
「そぉお～。」
「うん。さすが、"大島つむぎ"というだけある。（今着てるのは浴衣だけど）」
「えへへ～」
つむぎがちょこんと座って花火をしている。花柄で藍色の浴衣、背中には
団扇を指し、手...

～Ｃｒｙ ｆｏｒ ｔｈｅ Ｍｏｏｎ～
（今年は来てくれるのかな？）
仲秋の月が日ごとに明るさを増してきた。そろそろ年に一度の月光浴。
私は『金鏡花』と呼ばれている花。『金鏡（きんきょう）』。空に浮かぶ金の
鏡・・・月のこと。私は年に一度月の明るい秋の夜に咲く。月の光をいっぱい
に浴びて咲く私...

～ もち ～
秋も深まってきたある朝、珍しくゆかりは時計よりも先に目を覚ました。
「う～ん・・・今日は暖かいなぁ。」
むくむくと起き上がり、ふと窓の外を見る。
「うわぁ～、雪降ったんだ。」
まだ薄暗い家の外はほのかに青白い世界が一面に広がっていた。
...