リンとルカとVIPPALOIDが好きな小説書きです! 常に感想お待ちしております。
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「ああ、アトバシュね!」
オカルト好きのリンもピンと来たらしい。
「ちょっと待ってよ。アトバシュっていったい何のことかしら?」
メイコが一人取り残されて慌てている。
「アトバシュって言うのは、『ダ・ヴィンチ・コード』にも登場した暗号で、教会による弾圧が厳しかった時代に、教会の教えに反する書物を守...VOCALOID CODE[FILE10]
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私を異界の悲劇のプリンセスにしないで
ここから連れ出して…… そんな気分よ
妹におやすみなさい せいぜいいい夢を見なさい
「勝利よ あなたのじゃないけど」
むせかえる魅惑のカラメル 背徳の麻薬を絡める
今夜はどこまで行けるの?
噛みつかないわ 優しくする 苦いものはまだ嫌いなら
私の作るお菓子ばかり...【ロミシン替え歌】サタンとヘラクレス【ナルニア白い魔女風味】
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「とりあえず、この暗号を解読するしか道はないわけだ……」
レンが再び暗号の書かれた紙に向き直る。――「L Ch T N N」
「どう? 何かわかりそう?」
リンがレンの表情を伺う。
「一つだけわかることがある」
レンは言った。
「暗号の主な方式には順番を並べ替える『転置式』と文字を別の文字に置...VOCALOID CODE[FILE9]
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「……なるほどね」
茶髪の女性、アパート大家の咲音メイコは頷いた。
「どうしよう、たねぴこ、ウイルスで消去されちゃったんじゃ……」
「そう決めつけるにはまだ早いよ」
レンはリンの方を撫でた。目の前で友達が消えた恐怖と悲しみから、がくがくと震えていた。
「メイコさん、ウイルス駆除ソフトのログを見せ...VOCALOID CODE [FILE8]
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「なんだ!?」
レンは声を上げたつもりだったが、自分の声の反響が聞こえないことに気づく。
コンピュータ・ウイルスがこの部屋のプログラムに侵入したらしい。
「おい、リン、たねぴこ、大丈夫か!?」
音声と映像をストップされてしまったのだろうか、呼びかけるがリンもピコも答えない。
落ち着け、下手に...VOCALOID CODE [FILE7]
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言い出したからには引けない。レンは画面を起動しマネジャーについての情報を集める。
「普通人間の芸能人につくマネジャーが一人なのに対し、ミク先輩みたいな歌手ソフトにつくマネジャーは複数名。プロデューサの作った曲を歌手ソフトに届ける仲介役をしている――なるほどなぁ」
「マネジャー」という職のネット上...VOCALOID CODE [FILE6]
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「どう? もしかして、ミク先輩を誘拐した犯人が残した声明文とかじゃない?」
リンが自らの手柄を誇示するように胸を張った。
しかし、レンは即座にそれを否定する。
「いや、それはないよ」
「なんでそんなことが言えるのよ!」
リンが頬を膨らませた。自分のアイデアが即座に否定されたのが面白くないらしい...VOCALOID CODE [FILE5]
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「鍵かけ忘れか? 芸能人にしては随分無用心だな……」
レンは家の中に足を踏み入れた。誰もいない他人の家というのは、なまじ生活感が伝わってくる分不気味だ。隣家の生活音に対して家の中が全くの無音という状態が、まるで家の中だけが異次元であるような錯覚さえ起こさせる。
「あら? 何かメモがあるみたいよ」
...VOCALOID CODE [FILE4]
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「っと、ここだよな」
ミクが在学していた当時の担任、始音カイトに話を聞いたところ、結構簡単にミクの住所を聞き出せた。個人情報の管理が甘いともいえるが、中学一二年生が悪用することはないと思われたのだろう。
「確かに標札は初音になってますね」
ピコが標札の文字を指でなぞる。厚紙にマジックで書かれた安...VOCALOID CODE [FILE3]
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「……この初音ミクって、ミク先輩のことか……?」
初音ミクはゲキド中学校の卒業生だ。卒業とほぼ同時にデビューし、今は高校に通いながら歌手として活動している。学年はリンとレンの二つ上なので、ピコは彼女の在学中のことを知らない。リンとレンにしろ、特別ミクと親しかったわけではなく、ただ当時から声楽部のホ...VOCALOID CODE [FILE2]
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インターネットという、情報の海の片隅にたたずむ仮想空間上の街、ゲキド街。その町のさらに片隅にあるゲキド中学校の、さらに片隅のミステリー研究部室。そこで副部長の鏡音レンは推理小説を熟読していた。
最終下校時刻が迫り、帰宅部はもちろん文化部員もほぼ全員が下校している。熱心な一握りの運動部の掛け声が校...VOCALOID CODE [FILE1]
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「……あれ?」
死んだかと思ったが、痛くも痒くもなかったので、俺は思わずうずくまった姿勢をもとに戻そうとした。
だが、何かが頭に当たってできなかった。
俺の頭上数センチのところに天井が迫っているようだ。重さから考えると、多分土砂がさらにその上に積もっているんだろう。
――おいおい、まさか生き...【欲音ルコ】この声は君にとどかない? 後編【重音テト・重音テッド】
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重音テト、三十一歳。
俺と同じ街に住む彼女は、三十路とはとても思えない若々しい外見と、明るく前向きな性格を持つ――俺の憧れの人だ。
ただ、彼女にはひとつの大問題があった。
「ルコ!」
キュートなネコボイスで、俺は呼びかけられた。
「僕は一応君の先輩だよ? 会ったら挨拶くらいしてよ!」
テト...【欲音ルコ】この声は君にとどかない? 前編【重音テト・重音テッド】