hiyolicoの投稿作品一覧

枯れ木に花を咲かせましょうと
老婆が伸ばしたその腕の
細りきった 渇いた干し草のような姿でも
血は脈々と 彼女の中で
枯れ木に花を咲かせましょうと
老婆が伸ばしたその腕の
弱りきった 萎びてたるんだ皮のその下に
血は脈々と 彼女の中で
冬枯れの老婆
かつてうらうらと春の乙女...

A1
さあ君が落としたのはこちら箒星？
そう残念　次の星探しに往きましょう
A2
どうでしょう今度の物はお気に召して？
嗚呼素敵　これなら誰も羨むお姫様
B
彷徨い歩いて三千里　夜空を狩り取る鎌二つ
今宵も三日月揮って　星々墜とす
S...

ほんの少しだけほの暗さがほしくって
手紙をマッチで燃やしてみたり
線香添えて煙たなびく 見上げて晴天に眩む
ほんとう哀しい時にはさ、からだって
気配も勝手に消えてくようで
潜行遂げて一人佇む 見上げる水面は青く
吐く息が空にとける
吐く息が海にとける
雲にも塩にもならないようだし
いっそ白い言葉を告...

ひとつひとつ
ぼくのうえに
ふりつもった
まわた
いつかは
おしつぶされて
しまうんだろうか
ふわりふわり
はだのうえを
すべりこんだ...

（触んないで）
　そう告げたいのに
　言葉を固結び　
　静かな苦い雨ふり　続く
　君の体温で身体冷え切っていくよ
　そぼ降る雨　少しずつ溺れる声
　残った熱　手離して遠ざけた
「ねえ　そばにいて」
　まだ癒えないの？
　ほどけた髪掴まれ...

はじめまして　どうぞ　よくきたね
そちら世界は何色？
ココロ　カラダ　エガオ　音で色づけて
ずっと響いていた　あの時のメロディ　さあ
歌をうたおう　届け　カラフルミュージック
そよぐ風　ほうき星　なぞる
わたしと同じ誰かの記憶
泣いた空　沈む海　のぞむ
誰かと同じわたしの景色
みんな一緒さ　みんな違...

ちくり　刺し刺されて真っ赤っか
喉の窓　ひらいて　叫んでも叫んでも
だめだね　出てゆけないさ
甘いトゲ　苦いトゲ
重いトゲ　軽いトゲ
ちいさなトゲ　やさしいトゲも
あるけれど
血はでるよ
僕は君のハリネズミ
君のココロに　住んでいる...

湖　歩く足音が響いて
耳の奥　伝えるは裸足の熱
氷　うすく張る心　融けだしたら
わたしの体　しずかに沈んでいくでしょう
水底から空はただ遠く　白んだ水面凍りゆく
指先かじかんで届くこともないならば
湖面につもる白雪　面影を閉じ込め
繋いだ手と　幼い日々　消えずに染み入る
氷りながらも　燃ゆるは
一輪...

しめった膝こぞう　抱えて
つぶやいた　遠ざかる言葉
すこしずつ薄れてゆく歌声に
縋っては
君のにおいかすめた　風の通り道
ふり向いた先には青い空
喉があつくて歌えない
せめて　せめて
君をひとかけら胸に　眠らせて
どんなに　願っても...