タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(32)
-
水上駅
-
エニシダ
浴衣の裾をめくりプールサイドに座る
匂いも歓声も届かない
水に揺れる花火
さめざめと見てはひとつ
「私もう夏は嫌い」
鼻緒で擦れた足の甲
結った髪は解いて
今は泣いていたい
静寂にエニシダ...エニシダ
-
雨の街、夕暮れ時が終わる頃
部屋の隅で鼠に引かれるわ
未完成な私の歌なんか
きっと歌われることはないんだろう
裏腹にネオン街は色めいて
ダリの時計さ、ぼやけて溶けていく
当てもなく泳ぐ魚の様
見えもしない月ばかり夢見てる
洗い流して呉れ
纏わり付いた不遇を...Lumpen
-
Lumpen
-
風と独白 inst
-
絵を描いていた
小高い丘でひとり
パラソルの影と
光るキャンバスの余白
貴方は空を見て
何処か遠く飛ぶ未知の夢を
話して呉れる
貴方は美しいものが好きだから
こんな体じゃなきゃ良かった
「それでも心配は要らないわ」...風と独白
-
45分後のR.I.P オフボ
-
サファイア風の静かな光を
夜風の浜で眺めていた
街は騒めくキメラの祭
時計屋の梟は目を回している
野菊の丘で口笛吹けば
ネオン燈は海の底で佇む
暗がりからは汽車の音
響く「銀河ステーション」
ハレルヤ、苹果と星屑にまみれ
青く透ける君は硝子の哀を抱く...45分後のR.I.P
-
ラティメリア オフボ
-
全くもって歪なものだ
その様はさもさも古代魚
蛇足ばかりを拵えただけ
私、ぼんくらで泳いでいる
貴方が褒める「月」というものを
私も見てみたかったわ
とうの昔に退化した目でさえも
さぞ綺麗なんでしょう?
朝もない、昼もない、夜だけがある
誰も来ない世の中の底...ラティメリア
-
解夏忘るゝはあをの群れ inst
-
透明と飽きの片鱗に
引き裂かれてるようで
フィクションの血塗れ
絵を描く日々
浮かぶ色さえも作れず
またいつも通り
何処かの悲愴感盗んでいた
アパート、入り口の
枯れきったトピアリー
いつにも増して惨めなこと...解夏忘るゝはあをの群れ
-
春を殺した夏なんて嫌いだ
花が散る、君が踊る
霞んだ空も綺麗に見えた
今はただ思い出しては
並木のように動けないまま
もういない
春を殺した夏なんて嫌いだ
俯き歩く君に突然南風が強く吹き抜ける
スカートの中残された春色
パンチラ...春の落胤
-
春の落胤
-
思い残し過ぎたまま
居なくなった君の声が
泣いているようで
やけに焼き付いたのだ
街の灯りが消えた
作戦開始の合図
コインとトンネルと偽名
火薬の臭いに塗れた
何かしたとて、変わりなどしない。と
目の無い言葉が僕らを濡らす...ガイ・フォークス・ナイト
-
ガイ・フォークス・ナイト
-
水上駅
-
真昼の月を見ては
時が止まるばかりみたいで
鼻歌で誤魔化している
線路は水の中で輪郭がゆらゆらと
胸の鏡に似ていた
他に誰かが居る訳でもなく
忙しなく汽車が行き交うこともない
雲が視界の端で消えていく
青よ、この木偶な私を殺しておくれ
何をすれば好かれて...水上駅
-
アネモネの縷々/募集締切ました
-
アネモネの縷々
-
サイダーみたいな空、
揺らめいて上がっていった言葉が
音も無く弾けてしまった
風が吹いている病室で
溜まる点滴が枯れる様を
もうどれだけ見たのだろう
違う誰かになりたかった
小説も今じゃ底を尽きた
サイダーみたいな空、
揺らめいて上がっていった言葉が...アネモネの縷々
-
スカビオサ
-
錆びた無人駅に等間隔に立って
鈍く照らす街灯
羽蟲を食べていた
僕は何も言わず甘いだけのサイダーで
纏う嘔吐感を流し込んだ
色褪せたベンチ
ひとつ開けて座り
君がいない方の向こうを眺めた
残り少ないタバコに火を点けて
飲みかけのサイダー...スカビオサ
-
カトレアと飴細工
-
カトレアと飴細工 オケ
-
罅割れた街並み強く掻き毟って
詰まらせた指先に生温い滴り
暑かった日にあった片隅の花束
枯れ果てて風に吹かれ
溢れ出した嗚咽
無数の四角踏んだのにまだ居続けている
乾いた薄紅なぞって虚ろに喘いだ
濁った透明が離してくれなくて
「ドウカ一緒ニヰッテ欲シイワ」
鏡の中醜い流線型...カトレアと飴細工
-
夕間暮れ 移る 橙黄
追う影法師 乱れる息
靡いて消えた
旋風 捨て往く さよならと君
褪せてしまわないでと吐いた
重たく流れ落ちるみたいだから
何時何時までも届かないでいる
痛いのに笑ったふりなんかして
独りの夕 立ち尽くした
夜靄 揺蕩う雪洞 不知火と同じようで...逢魔時エレジー
-
【募集締め切りました】逢魔時エレジー【初音ミクオリジナル】
-
逢魔時エレジー
-
あぁ ありったけの嘘を着て
夜の帳に 絡まって行くわ
あぁ 知らん顔して逃げたつもりで
刺さるような 視線を感じて
ねぇどうぞ 甘い言葉をかけて
私を弄んでよ
もういっそ 抜け出せないようにさ
這いつくように触れて
ずっと奥まで
固く閉ざした 扉を壊してよ...ザッハトルテ
1
- 2