テトさんの店で、やたらとはしゃいでいる霧雨さん。
ハイ・テンションな彼女の様子に、やや面食らってしまったテトさんだ。
「まあ、昼間に来るこのお店も、素敵ですねえ!アタシはいつも、夜の“バー”の時に来ることが多いんです」
そんなことを喋りながら、霧雨さんはハーブティーを注文した。
手には、なぜか“はっちゅーね”の人形を持っている。
「いつも、この店に来てくれてるんですね。有難うございます」
微笑んで、テトさんは言った。
いつか、「東京すいかツリー」のオープン・イベントで会ってから、何度か見かけたり、挨拶をする程度だった2人。
ゆっくり話をするのは、初めてかもしれない。
でも、霧雨さんは、テトさんの作る雑貨が大好きだ、と言っていたが。
●また、応援したいですゥ!
2人は、雑貨を作る同業者同士。ライバルでもあるはず。
でも、どうやら、彼女は純粋に、テトさんのファンでもあるようだ。
「今度の、新しいテト・ドールのシリーズ。また楽しみだわぁ」
はしゃいで、彼女は言う。
あれ、もう新製品の情報を知ってるのか。早耳だなあ…
テトさんは思った。
「ええ、そうなんですよ。これまでのドールが、“天使と悪魔”だったでしょう?」
テトさんは、紅茶を飲みながら言った。
「こんどは、ちょっと違うテイストにしたいと思ってるんです」
「へえ、また、応援したいですぅ~」
楽しそうに行って、手に持った“はっちゅーね”の両手を、バンザイさせる。
(オイオイ、それは、ライバル人形だよ)
テトさんは、心の中でツッコミを入れた。
●賑やかにしませんか!?
その様子を見て、今まで聞くともなく聞いていた、マスターの吉さんが言った。
「でも、霧雨さんが応援すると、また妙に、賑やかになりすぎますよ」
それを聞いて、霧雨さんは目を見開いた。
「あら、それ、どういう意味?聞き捨てならないわね」
「いえ、別に深いワケは無くて」
そんなやり取りをテトさんはニガ笑いして、見ていた。
ふくれっ面をしながらも、霧雨さんはまた、ハーブティーを手にとった。
「まぁね。でも、アタシのこの“はっちゅーね”も、随分活躍したけどねー」
彼女は、人形の頭をなでた。
「でも、せっかくイロイロ、話題になったりしたのに、今度、あそこで新商品として、出しちゃうんでしょ」
「あ、そうみたいですね。ルカちゃんの会社で、新商品にするんですって」
テトさんは、思わずうなずいた。
霧雨さんは、腹立たしそうにうなずきながら、つぶやいた。
「まったく、れおんのヤツめ。あのエロオヤジ、新商品の企画を、実現しおってからに!!」
そう言いながら、手元の人形の頭をまたなでる。
「しばらく、お前はおとなしくしてなさい」
そして、ふと顔を上げて、テトさんの方を見た。
「あのー、テトさん。今度の新商品ですけどー」
彼女は、いたずらっぽく笑って、言った。
「いろいろ、話題作りで、盛り上げませんか?」☆ヽ(▽⌒*)
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ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
こんにちは! 続き拝読させて頂きました!
まずはお約束のツッコミから。
「東京すいかツリー」
ナイスです! これは考えつかなかったです! 面白いです~♪
さてさて、霧雨さんが合流し、いろいろお話が進むにつれ、れおんおじさんの野望(?)が着々と進行し、そして、なにやら”話題作り”とのこと。
ん? そーいえば、「Vocaloid2 鏡音リン・レン」って、リンちゃんとレン君の二人音源パッケージだったなぁ~(ふふふ)
ではでは~♪
2013/09/08 14:19:25
tamaonion
enarinさん、感想をありがとうございます!
> 「東京すいかツリー」
ナイスです! これは考えつかなかったです! 面白いです?♪
有難うございます。ドメスティックな塔になりそうですが...
>ん? そーいえば、「Vocaloid2 鏡音リン・レン」って、リンちゃんとレン君の二人音源パッケージだったなぁ?(ふふふ)
お、なかなか面白い示唆ですね!それは私も考えつかなかったです。
うーむ。いつもながら発想の豊かさに舌を巻きます。
また、ぜひ感想を聞かせてください!
それでは、また。
2013/09/08 21:09:04