「ナナ!」
「…有沙!!?」
名前を呼ばれて振り返ると、有沙がいた。
ナナがまだ小学生に上がる前に近所に住んでいた女の子だ。
「いつ以来だろうね!」
ナナは嬉しくて有沙に抱き付く。
「うわっと…落ち着こうよ」
有沙は子供をあやすように背中を何度か軽く叩く。
「しっかしまぁ…」
「…何?」
ナナは有沙を凝視する。
「だいぶ育ったねぇ…うん」
「っ!!?」
有沙は言ってる意味を理解し顔を真っ赤にする。
「ど…どこ見てんの!?」
胸を隠しながらナナを睨む。
「マスター見つけた」
「わぁ」
ナナに殴りかかろうとしている有沙の胸を後ろからAKAITOが鷲掴み。
「~~~っ」
怒り?の矛先はAKAITOへ。
「おうふ」
腹にヒットしたらしくうずくまる。
「へぇ~引きこもりな有沙がマスターねぇ…」
「何さ…」
「なんでもぉ?」
ナナはニヤニヤしながら二人を見ている。
「あーっ!マスターやっと見つけましたぁ…。AKAITO!見つけたら連絡して下さいっ」
「あー悪い」
KAITOがAKAITOに怒る。
「マスター…俺を置いて行くなんて…」
「ゴメンナサイ」
帯人が有沙の後ろから抱き付く。
有沙は顔を白くしている。
「有沙は本当に変わったね。明るくなった!うん可愛い」
「は…っ!?か…かわ!!!?」
有沙の顔が一気に真っ赤になる。
「ナナの方が可愛いでしょっ」
「え~ナイナイ」
ナナはアハハと笑う。
穏やかだった空気がいきなり変わった。
緊迫している感じがした。
「ナナ」
「何―…きゃあ!?」
有沙がナナを抱き寄せた瞬間目の前で刃同士がぶつかる。
金属がぶつかり合う音が響く。
「え…何が…」
「落ち着け、とは言わないけど良く聞いて」
「う…うん」
ナナはぶんぶんと頭を立てに振る。
「私は小さい頃からある人に狙われてるの」
「…うん」
「でも何を思ったのか分からないけどナナを狙い始めたの」
「う…ん」
「あず兄から聞いてナナに会いに来たの」
「…」
やあ!と言う掛け声と共に有沙は敵の武器を弾く。
カランと音がなった瞬間、敵の喉を突く。
「っ」
ナナは反射的に顔を背ける。
「…ナナ、走れる?」
「うん…」
有沙はナナの手を強く握る。
が…。
「よっと」
「きゃあ!?」
AKAITOがナナを肩に担ぐ。
「一人の方がマスターは動きやすいだろ」
「ありがと。暴れてくる…でも、ヤバイと思ったら止めて。全力で」
有沙は護身用の銃を投げ捨てる。
「おっと…?マジかよ」
「大マジだ」
「気が早いな…まったく」
殺戮モードになった有沙を見送る。
「有沙…」
「大丈夫だ。マスターはこれまで色んな敵を倒してきたし」
「そんなに狙われて…?」
「殺戮型ボーカロイドは知ってるか?」
「…確か人を無差別に襲ってるんだよね?」
AKAITOは無言で頷く。
「そいつらの元になったデータはマスターなんだ」
「…!」
ナナは舞姫のように踊りながら赤色の花を散らす有沙を不安げに見つめる。
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