*土曜日*

「まだか・・・?」


実は俺は待ち合わせの時間の一時間前にカフェに来ていた。一番目、二番目と人格の違うグミを見てきたが、明らかに俺は彼女に惹かれていた。


「遅い・・・」


と、言ってもまだ30分ほど前なのだが。『四番目はどんな人格なのだろう・・・?』と、俺は密かに期待していた。


「グミヤ・・・?」


・・・グミが俺を呼ぶ声が聞こえた気したのだが、気のせいなのだろうか。あぁ、これもグミへの期待からくる幻聴なのだろうか。


「・・・グミヤ。」


あぁ、今度は幻覚まで見えてきたようだ・・・。俺を呼ぶグミの姿が見えてきた・・・・。


「グミヤ!!」


・・・どうやら幻覚や幻聴などではなかったようだ。周りを見回してみると実際にグミが俺を正面から直視していた。


「グミ・・・なんでまだ30分も前なのにいるんだ・・・?」


俺はグミに問うと、グミは、


「・・・別にグミヤに早く会いたくて早く来たわけじゃないんだからねっ!」


と、真実を言ってしまっている。


「へぇー早く会いたかったんだ?」


「そ、そんなわけないじゃない!!」





【私(君)の中の】十面相Ⅲ【住人は】





なるほど・・・。四番目のグミは〝ツンデレ〝というやつなのか。


「そっかそっかぁ・・・じゃあ、とにかく座ろうか?」


よく考えてみると、俺とグミはずっとカフェの入り口の前で会話していた。


「・・・それもそうね。座りましょうか。」


二人分の席をとり、お互いに向かい合って、座った。よく見ると店員は不思議そうな顔をしている。きっと、『同じ二人が毎回土曜日にカフェに来る理由』を探しているのだろう。と、思ったら今度はなにやらにやにやしている。これもすぐに理由が分かった。この店員はきっと俺達をカップルと解釈したようだ。そしてにやにやしながら注文をとった。


「ご注文は何にしますか?」


俺はとりあえず、


「ミルクティーを一つ。」


と、飲み物の中で安いやつを頼んだ。するとグミは、


「・・・ミルクティーを二つ。」


と、ミルクティーの個数を増やした。グミがそう言うと店員は全てを理解したのか、なにやら難しそうな機械を操作しながら、さっきよりにやにやしながらその場を去って行った。俺はその直後、


「なんで俺と同じ?」


と、グミに再び問うた。まぁ、だいたいの理由は分かっていたのだが、ここで俺のSっ気が倍増した。一方のグミは、


「そんなのどうでもいでしょっ・・・///」


と、顔を真っ赤にしてそう言ってくる。ふむ、ツンデレもなかなかイジりがいがあるな。


「じゃあ、俺の事好き?」


俺の突然の質問にグミは、


「ば、ばかぁ・・・///」


ツンデレもなかなか可愛いものだ。ここで俺のSっ気はさらに倍増。


「じゃあ、嫌いなんだ?」


「ほ、ほんとは好き///」


そしてグミの顔はゆでだこ状態。たまにデレるとこもなかなかgoodだ。


「俺も好き。」


結構恥ずかしい台詞だが、Sっ気が増した俺にそんな事は関係ない。


「・・・・///」


やべ、理性が崩壊しそう・・・。可愛すぎる・・・。ついに俺の中で理性と本能が争うを始めやがった頃・・・


「ぐみやぁ・・・」


グミの人格が変化した。俺は突然の人格の変化に驚いた。


「へ?グミ?」


「グミだけどなにかぁ・・・?」


・・・これは五人目なのか?今度のグミはどんな人格なんだ・・・?俺が混乱し始めた頃、さっきの店員が注文の品を持ってきた。


「ミルクティーです。」


いや、説明などしなくても、目の前にあるものがミルクティーだということは分かるのだが。店員はそう告げて、再び去って行った。・・・にやにやしながら。未だに混乱中の俺はとりあえずミルクティーを飲む事にした。せっかく注文したのだから飲まないと失礼だ。


「ぐみやぁ・・・飲む・・・?」


は?いや、俺は自分のやつは飲んだぞ・・・?それに俺の腹も満腹信号を出しているので、断ろうとした矢先、俺の口は何者かによって言葉を発することが出来なくなっていた。分かりやすく説明すると〝キス〝というやつだ。


「・・・・・・!?」


この時、俺の思考回路は、『グミが俺の口を塞いだ=グミにキスされた』という結論に陥っていた。


「ぐみや好きぃ・・・」


・・・なんというか五番目はせくしーというやつだった。俺にとってはキスとかいう未知の体験ゾーンであって、そいつに足を踏み込んでしまった。俺は顔を真っ赤に染めつつ、


「な、なんでいきなり・・・///」


と、辛うじて聞く事が出来た。


「好きなんだからあたりまえでしょぉ?ね?」


いや、『ね?』とか言われても困るだけなのだが・・・。俺は未知の体験ゾーンから脱出しつつ、


「それよりグミは飲まないのか?」


話をそらすことを試みたのだが、


「じゃあ、今度はグミヤからぁ・・・」


グミはと言いつつ、自分から近付けてくる。俺のチャレンジはあっけなく失敗した。


「へ?あ?は?そそそ、そんなことするわけ・・・///」


このグミは俺には強烈すぎた。


「じゃあ、こっちからしてもいい・・・?」


再びグミは顔を近付けて来る。


「ば、ばかっ・・・///」


ここで俺は気付いた。いつの間にか立場が逆になっていたことに。『このグミには理性というものがないのだろうか・・・。』ついそんな事を考えてしまう。


「あたしだけを見てくれる・・・?」


「あ、あたりまえだろ・・・///」





グミと別れるまで俺の顔はずっと赤かった気がする。


「じゃ、じゃあな!」


どぎまぎしながら俺は別れを告げた。グミは俺と別れる直前に、


「ぐみやぁ・・・別れのキスはぁ・・・?」


とか言いながら自分からしてきた。これまた俺は顔を赤に染めた。それでも言うべきことはちゃんと言い、


「六人目もここのカフェだからな・・・///」


多分、その前に言うべきことは分かってくれたはずだ。と、一人で納得しながら、そしてまだ赤い顔を手で押さえながら家への道のりを歩き始めた。その途中で、


「次はぐみやの家・・・」


などと聞こえた気がしてまた俺は顔を赤に染めつつ、


「ま、五番目も悪くないかもな。」


と小さくつぶやきながら。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【私(君)の中の】十面相Ⅲ【住人は】

十面相すりー。

さて、今日までに完結するのでしょうか・・・?

一応ストーリーとしては7番目のところで苦戦中です←

自分の無知さに絶望しt・・・(((

このままずっとグミヤくん視点でいいかな・・・?

いや、グミちゃんの視点もいるのかな・・・?

分からないな・・・? 誰か教えてくれっちょ←


素晴らしき本家様↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13304052

V3のGUMIver.はコチラ↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15944604


コラボの片割れ、れっちぃさんの素晴らしき解釈
http://piapro.jp/t/bAM5

ない ない 未来などない♪


by香凛

閲覧数:717

投稿日:2011/11/13 15:02:34

文字数:2,672文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

  • 関連動画0

  • 紅華116@たまに活動。

    どもども!!
    コメントしてないからって見てないとか思うなよ!!ちゃんとみてるよ!!

    ぐみちゃんかわええ…
    ツンデレなグミちゃんが個人的に1番萌えた←
    Sっ気のあるグミヤもめっちゃかっこいいし…

    次回も楽しみにしてます^^

    2011/11/19 17:32:19

    • 姉音香凛

      姉音香凛

      べにかメッセージありがとっ!!
      おぉ、隊長、読者を一名発っけn(((

      GUMIちゃんいいよねぇ!!
      おぉ、お持ち帰りしますk(ぇ←
      ミヤグミは初ですが何か?←

      ありがとうございます!!

      2011/11/20 09:25:01

  • sei

    sei

    ご意見・ご感想

    ........うひゃあああああああ!!!!
    なにこれ!神ですか?あなたは!!

    すごすぎる.....グミヤかっこいい((爆
    はあ....少しうるさすぎましたね

    ブックマさせていただきます☆

    2011/11/13 23:34:49

    • 姉音香凛

      姉音香凛

      ぬおおおおおお←
      神なんて大げさな・・・

      すごくないっ!かっこいいのは認めr(ぇ
      いえいえ、思う存分叫んじゃっt・・・

      ありがとうございますっ!

      2011/11/14 17:50:55

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