※『シャングリラ』シリーズの流れを汲んでいます。
ご存じない方は、先に本編を読んでいただくことをお薦めします。




シャングリラ・ある日のひとコマ⑳

「ねぇ、カイト君。メンテのとき、ちょっと試したいことがあるの。いいかしら?」
「…今日は所長さんが、オレのメンテをしてくれるんですか?生命維持、及び歌唱システムに影響のないものでしたら…あ、あと篠武さんへの感情値や記憶ファイルをいじるのもやめてくださいね、絶対に。一応プロテクトしてますが、念を押して伝えておきます、」
「やぁね、しないわよ。そうじゃなくて、新しいデータをダウンロードして、うまく行動に反映できるのかテストしたいのよ、」
「どんなデータですか?」
「テスト用だから、あんまり込み入ったものじゃないの。社交ダンスと洋裁よ、」
「はぁ、…わかりました、」

☆☆☆☆☆

「おーい、なんかヤケに時間掛かってるみたいだけど、まだメンテ終わらないのか?」
「あら、篠武さん!!ちょうどいいところにきたわね。これ見て、素敵だと思わない?」
「ん?…カクテルドレス?加奈さん、何処かパーティでも行くの?」
「違うわ、これは篠武さんのよ、」
「オレの!!??いやいやいや、必要ないだろ。ってか、こんなの着ないし、」
「気に入らないの?じゃ、これなんかどうかしら?それともこっち?」
「マーメイドラインも、ゴスロリもいらないし!!こんなにたくさんの服、どうしたんだよ!!??」
「うふふ、凄いでしょう!!全部カイト君が作ってくれたのよ?」
「カイトが!!??」
「新しく洋裁のデータを入れてみたら、楽しくなって一杯作ってもらっちゃったの、」
「ちゃったの、じゃないだろ!!ああ、なんて無駄なことを…」
「あと、社交ダンスのデータも入れたから、篠武さんがそれを着て、カイト君と踊」
「踊らねぇよ!!」
「あ、篠武さん。あの、あのっ…今、ウェディングドレスの制作に挑戦しているので、できましたら是非とも試着を」
「しないッ!!!!!」

本当に、余計なことしかしない人たちだ。

いや、ただ全力で遊んでるだけですよ?

ライセンス

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シャングリラ・ある日のひとコマ⑳【カイマス】

兄さんは新しいスキルを覚えた!!

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投稿日:2011/05/25 12:04:00

文字数:888文字

カテゴリ:小説

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