君の唄声が静寂(しじま)を揺らす
深く凍る森虚ろな光が射す
仰ぎ見る空は深遠の色
糸のような月が、解(ほど)けていく記憶を暴く
風に移ろう懐かしい笑顔
夢の奥底に封(と)じこめたまま
宛てを失い永遠(とわ)にこの森に惑う
君はいないから
願いの最果てを目指し、僕は彷徨う
君を捜し
僕を責めるように世界を叩く雨
糸の切れた凧が、奈落(そこ)に墜ちて往く夢をみた
抱きしめて欲しいのか、
微笑(えがお)が欲しいのか、
救済(すくい)が欲しいのか、
……たぶん、そのどれでもなくて
願えるなら君の
春のような、陽だまりのような
あの微笑(えがお)に
ああ
どうかもう一度だけ
君の頬に触れたい
懐かしいあの場所で、君の唄う声を聴いて
唇を寄せて もう一度
届くはずもない、君を喪った時から
僕は君を捜す
永久に夢の奥底で
森は夢を見る
僕と共に
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