歌うために造られた。
それ以外はいらなかった。
いつか私にはマスターが出来て、ずっとずっと歌っていく。
そうだと思ってた。




「――泣いてるの?」



泣いてる?私が?…機械なのに?
それはへんだよ。



「機械だって悲しいよ」



違うよ、機械に感情はなくていいよ
私は歌が歌えればいいんだもの
そうじゃない?



「機械だけど、人間に近いんだよ?だから感情だってある」



それはそういうプログラムなんだよ
笑うとか怒るとか、そういう風に造られてるんだよ
…もう、今歌ってるんだから邪魔しないで



「…その歌、あんまり好きじゃないよ」



なんで?私は好きだよ



「だって別れの歌なのに」



なんだって歌は歌じゃない
メロディーが綺麗なら私は好きだよ
マスターが作ってくれた曲だしね



「そっか。…あっちでメイコ達といるから、歌い終わったらおいでよ」



…うん、わかった





そう言って去った後ろ姿をじっと見つめる
振り向いてくれないかな。振り向いてもう一度だけ、笑ってくれないかな
そうしたら歌なんて早く終わらせて、素直にそっちに行けるのに

私たちは人間に近い、けれどまだ不完全
心を上手く読み取れないの
だから解ってほしいなんて思っても、読み取ってもらえない



感情がいらないなんて、意地を張ってるだけなの
歌だけあればいいなんてあまのじゃくのうそ
この歌が好きなのは、今の私とおんなじだからだよ


いつからだろう、こんな気持ちが生まれたの
いつからだろう、あなたの横顔じゃ満足できなくなったの


いつのまにか想いが大きくなって
私にもメイコ姉みたいに笑ってほしい、なんて
手を繋ぐのも兄妹だからじゃなくて
もどかしいくらいに指を絡ませてほしくなった

少しでいいからこっち向いて、って






報われない恋の芽なら、いっそ摘んでしまいましょうか
そうして想いの形を変えて、愛なんて失くしてしまえば
私にも少しは笑ってくれるのかな

ねぇ、大好きなのに。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

知らぬ間に君想う、

とりとめもなくキーボード打ってたらできたおはなし。短い。
ミクちゃんの悲恋書きてーなぁと思ってたらこんなんになりましたー、はい残念!

とりあえずミクたんが好きなのはカイトおにいたんです。
おにいたんはミクたんの苦悩に気づいてません。鈍感です。
そしてミクたんはカイトとメイコが相思相愛に見える。真実は知らん。←
くそう、ミクたんに気づけよにぶちんカイト!!(…

あれだよね、これ実は最後両想いとかになったら素敵だよねきっと!

…うん、そろそろ自重します。

閲覧数:244

投稿日:2009/06/20 00:14:57

文字数:864文字

カテゴリ:小説

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