「リントおおぉぉおぉぉっ!!!!!!!!」

「うわっ、グミまた!?」

「ミクオ君にフラれたーっ!!!!!!」

「まったく……何回目だよ…」

「だってだってぇっ!!」

俺はリント。

俺の腕の中で泣いている女の子――グミ――は隣に住んでいる。

まぁ、いわゆる幼馴染みだ。

グミは可愛いし、素直だ。

だから騙されやすいんだろう。

それは今に始まったことじゃないし、本人も自覚している(はずだ)。

今回も多分…

「ふっ二股ざれでだのっ!どうぜ私なんが身体だげなんだっ!!!!うぇっ…」

「ほら、まずは鼻水をどうにかしろ。」

ありがと、とお礼を言い、鼻をかむ。

ちーんっと勢いのある音がしたが、いつものことだ。
遠慮というものを知らない。

「で、何があったんだ?」

「私がね私がね、ミクオ君の帰りを待ってたら――」




「あっ、ミクオく――」

「リーンっ、帰ろうか?」

「…クオまた浮気したでしょ!?」

「浮気じゃないよ、気は浮いてないもん。ちょっと可愛かったからさ、一晩だけだよ。」

ガタッと鞄を落とした。

「……ミクオくっ、嘘…だよね…?」

「…グミちゃん、ごめんね、そういうことだから。」




「そういうことって何なのっ!!!?サイテーっ!!!!リントもそう思うよね!!!?」

俺にふるか。

「サイテーだな。でも好きになったグミm」

「言わないでよっ!!!!分かってるよっ惚れやすいって!!!」

なら何故俺を見てくれない。

幼稚園から一緒な俺の方が信用できるだろ。

「……学習しろ。」

そう言って軽くデコピンした。

「ったー…。うぅっ、分かってるよ…」

分かってない。

ずっと好きな俺にいい加減気付いて欲しい。

「じゃあさ、試しに俺と付き合ってみるか?」

「………は?いやいやリントモテるしそれにそんな冗談…」

「冗談じゃないし。それにさ、“モテる俺”にならいいんじゃない?」

実際モテるが経験はない。

「“モテる俺”に色々教えてよ。」

「え…」

「――って、まぁ何もしないけど付き合ってたら忘れんじゃないのかなーってさ。」

そんな恐ろしい表情されたら怖くて何も言えないだろ…

「なんだぁ、そういうことね!!!違う方向考えたじゃん!!」

「違う方向って?」

「リントがそういうことするんじゃ…って何言わせてんの!!!?////」

「自分で言ったんじゃん。でもほら、泣き止んだ。」

「あ……」

「もう悪いヤツに捕まんなよ?」

そう言って俺はグミの頭を撫でた。

「……うん…」

そう言ってグミは照れながらも笑顔になった。

































*グミside*

何だかリントといると顔が熱い。

あの時からだ。

リントに頭を撫でられた時。

リントってあんな手おっきかったっけ――?

「萌緑!!」

「はははい!!!?」

そうだ、授業中だった。

萌緑―めみどり―とは私の名字。

珍しい名字だけど、私は気に入っている。

「萌緑、この問題を解け。」

よりによって数学。

話を聞いてないんだからわかるはずがない。

「ぅ…えっと…」

「2分の9だ。」

え、リント!?

リントは隣の席。

隣の家に隣の席なんてどれだけ近いんだろう。

まぁ良かった。

「に2分の9です。」

「……正解。」

まさか当たるとは思ってなかったのだろう、少しビックリした数学担当の先生の顔があった。

それに私は得意気に座った。

私が当たったんじゃないけどね。

「ありがと、リント!」

小声でリントにお礼を言う。

「どういたしまして。…ところで何考えてたんだ?また好きなヤツ出来たのか?」

「んー…まぁそんなところ。」

まさか“リントのことを考えてた”なんて言えないから適当に誤魔化しておいた。

「…グミ、お前はもっと学習しろ。またフラれるのがオチだ。」

「…ねぇリント。それって幼馴染みとして言ってるの?それとも――」

そう言った瞬間、チャイムが鳴った。

「……悪い。ちょっとトイレ行ってくる。」

授業終了直後にトイレに行ってしまった。

「返事、聞いてないし。」

少し不機嫌になる。
































*リントside*

「あ」

っぶねぇぇえぇえぇええぇぇ!!!!!!

バレてないよな!!!?

不意打ち過ぎだろ!!!!

「はぁ…気付けとか言っといて気付かれそうになると焦るとか…」

ダメダメじゃん…

「あれ?グミちゃんの幼馴染みの…」

「リントです。」

ミクオ。

グミをフッた相手。

「グミちゃんに謝っておいてくれない?“俺、リンと別れたからやり直したい”って。」

別れたから……やり直したい…?

「グミ、泣いてた。」

「泣かせちゃったのか…」

「そんなお前にグミをまた任せられない!!」

「え?何、もしかしてグミちゃんのこと…」

「ねぇリント遅…」

「好きだよ。」

「へぇ、そうなんだ。でも」

次の言葉に愕然とした。

「グミちゃんはどうかな?」

どういう意味だ…

「え、あ…」

グミがいた。

ってちょ、まっ!!!!!!

聞かれてた!!!?

「ミクオ君…っ」

「俺、リンと別れた。だからまたやり直さない?」

ただグミの答えを待つ。

「私は―――」





























*グミside*

ちょっと遅いから、教室から出て待とうかと思ったら、案外近くにリントがいた。

なんだ、いるじゃん。

「ねぇリント遅…」

「好きだよ。」

………ぇ。

ぇぇえぇえぇええぇぇぇぇえぇえぇええぇぇ!!!!!!!?

そう言えばリントの好きな人聞いたことないかも。

誰だろうと見てみると…

目の前が真っ暗になった。

見覚えのある、エメラルドグリーンの髪。

ミクオだった。

「え、あ…」

リントがこっちを見た。

驚いたような、いけないことをしたような顔を見せ、目を反らした。

その後、ミクオ君が私を見た。

「ミクオ君…っ」

「俺、リンと別れた。だからまたやり直さない?」

軽々と言ったミクオ君は終始笑顔。

「私は―――」

私は、どうしたいの?

「私は、付き合う気はないです!」

そう言い終えて、それぞれの顔を見る。

リントはホッとしたようだった。

一方ミクオ君は。

「リンと別れたのに付き合わない…って?後悔しても知らないよ?」

後悔なんてしない。

そう思い頷いた。

「ふーん。つまんない。」

そう言い捨てて、ミクオ君は去っていった。

「ところでリント。」

「ん?」

「さっきの“好きだよ”っt」

「やっぱり聞いてたのか!!!!////いや、あれはだな、その…」

「好きな人、知りたいんだけど!!」

だって聞いたことないし!!

「~~~~っ!!!!!!////」

そんなに恥ずかしいのかな?

「覚悟は出来てる…?」

ん?覚悟?

「うんっ!!」

「驚かない?」

「うんっ!!」

そんな意外な人物なのか、なんかワクワクッ!!

「好きな人は…………お前だよ。」

「………………え?」

ちょっと待って。

私?

私が、リントの好きな人……?

「ぇぇえぇえむぐっ」

「…うるさい。はぁ…言うつもり無かったんだけど…」

信じられない。

あとこの胸の高鳴りは何!?

「えと……」

「へっ、返事はまだいい!!!!!!」

「ぇ」

「だって…どうせ“NO”だろ?」

「……まぁ」

「好きになったら言って!!!!」































*リントside*

ついにバレたし!!!!!!

「好きになったら言って!!!!!!」

とかどんだけヘタレなんだよ俺はっ!!!!!

……グミとの関係、崩れたくない…

これは我が儘だよな。

でも、それだけグミが好きなんだ。































*グミside*

リントが…私を好き…!? inベッド

気付かなかった…

そもそも相談してたし!!!

あぅ…何か申し訳ない…かも…

「何なのこの動悸……」

私、リント好きなのかな…?

でも最近までミクオ君好きだったし……

あぁもう分かんない!!!















「ぉはよ…」

「あれ、どうしたのグミ。」

「昨日眠れなくて…ってリント!!?よく普通にいれるよね…」

「普通じゃないよ、結構。」

そういう割には平然としている。

何か悔しい…






















*リントside*

そんなに平然としているか?

かなりドキドキなのに。

でも眠れなかったってことはちょっとは考えてくれたのか…?

「あのっ、鏡音君…っ」

ん?あぁ、俺か…

「すっ好きです!」

え、教室で言っちゃうの!?

それはこの子が可哀想だし…

「ちょっとさ、ここはまずいし…」















「あの、返事は…っ?」

「あぁごめん…」

「…ですよね!では…」

その女の子は泣かなかった。

というか笑っていた。

女の子って強いなぁ。

「リントっ!!!!」

「ググググミ!!!?」
























*グミside*

リントが女の子とどこかに行った。

なんかモヤモヤした。

もうリントが私に笑い掛けてくれないんじゃないかと思ったら勝手に足が動いていた。















後を追っていたらさっきの女の子が隣を通った。

笑っていた。

まさか、リントこの子にOKを…

そこで気付いた。

――私、リントが好きなんじゃん―。

“好きになったら言って”と言われた。

伝えるなら今。

「リントっ!!!!」

「ググググミ!!!?」

リントは慌てた様子で私を見る。

「私、リントが好き!だからさっきの女の子と付き合わないで!!!!」

「グミ…」

返事が帰ってくるのが怖かった。

「さっきの女の子は断ったぞ?」

「え?だって笑っ――」

「今の子は強いんだな。断ったのに笑ってた。」

じゃあ。

「で、さっきの話信じて良い…よね?」

「うっうん!」

「……ありがとう!あと、俺も好き。」

そう言うリントは今までで一番カッコ良かった。

「これからもよろしく、グミ。」

「うん、よろしく!」

やっと私が幸せになれた瞬間だった。








fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【100作記念】君への片想い【ただの俺得】

作者!何クオ悪役にしてんだy((お前だよ。
あとリンちゃんと寄り戻s((((

リントがヘタレとか萌えr((ぇ。
鈍感(?)グミちゃんとかも良いですよね!!
タイトル通りただの俺得です。
悪いか!!!!←

ってわけで100作目ですよ!!
早いですね!
gdgd作品書き続けたらこうなったwww
しかも今回は長いw
100作疲れたけど楽しかった!!
次は200だね!!(((簡単に言うな。
連載も頑張ります!!
もう2話分出来てるけどww

閲覧数:196

投稿日:2011/08/12 09:37:39

文字数:4,428文字

カテゴリ:小説

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    100作目おめでとう(*^▽^)/★*☆♪
    リントかっこ良すぎ!
    あれはモテるねww
    グミちゃんも安定した可愛さ!!
    クオを悪役にするとか…。
    確かに、そういうイメージはあるけど…(^^;
    リンと寄り戻せばいいのにww

    もう連載用意してるの!?
    早くうpしてよ!
    楽しみにしてるんだから☆

    2011/08/12 12:50:34

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    100話目おめでとう☆
    そんなに書いてたんだ…すごい!!

    片思いのリント可愛かった(*^^*)
    グミちゃんをちゃんと幸せにしてね!!
    なんか…リンちゃんが一番不憫かも…

    連載うpしてよ!
    楽しみにしてるんだぞ!!

    2011/08/12 12:10:57

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