“好きになってしまいました”
真っ赤な顔でつぶやいたキミに驚かされたのは実はそんな昔でもなくて。
それでもたくさんの思い出が溢れているのはきっとキミが毎日色々なことをしでかしてくれるから。
いつもは可愛いそれも今日の所は違うらしい。
何がおかしいとはっきりは言えない。
けれど…。
【小説】堕ちた天使と悪魔の囁き3
いきなり飛びついてきた彼女を支えきれず二人して柔らかい草の上に倒れ込んで。
思わずその身体を抱きしめていた。
けれど二日前のことが頭に蘇りそっと力を緩める。
思わずと言ったように見上げてきた目は“物足りない”と言葉以上に物語っていてそこで違和感が鮮明になった。
そう、天使はお堅い奴らばかり。
この子も“好きになった”言ったけれどその『好き』は初めはこういう行為を伴わない純粋な親愛だったんだと思う。
初めの頃はそれに気づかない振りで彼女に触れる度、戸惑った顔をされたから。
彼女たちが愛するのは主である神だけだから欲なんて必要がなかったんだろう。
けれど今の彼女は…?
不安が一気に現実味を帯びていく。
俺が好きなのは真っ白な翼とココロを持ったキミで。
けれど例えキミが堕ちた天使と呼ばれても嫌いになんてなれない。
いっそ──
一瞬頭を過ぎった考えを慌てて否定する。
「…バカだろ…俺は…」
らしくないのは分かってる。
けれどどうしようもなく泣きたくなって片手で目を覆うと
「レン君…?」
暗闇に優しい優しい声音が響き渡る。
やっぱり駄目だ…。
この子は光の中で生きていくべき子で、俺なんかが触れていい存在じゃ…最初からなかったんだ。
頬に触れてくるその優しい指先を引き離そうとしたとき
「ミク!」
「…え?ルカちゃん…?」
桃色の髪の天使が駆け寄り俺から引き離すように彼女の手を引く。
「…ちょっと待って!ルカちゃん、離して」
「駄目よ。メイコさんに頼まれたの。」
「お姉ちゃんに…?」
「そう、あなたを連れ戻せって。ミク…知っているはずでしょう?悪魔と深く係わることは…」
そう、禁忌だ。
桃色の天使は俺を冷たい目で見据えるとふいと視線を外し彼女の手を引き歩き出す。
…もう会えないのかな。
その方が彼女のためだけど…本当にこのままでいいのか?
のろのろと視線を上げると目が、合った。
「レン君!」
引かれた手を振り払い彼女が走り寄ってくる。
…心は、決めた。
「レン君、私…」
伸びてきた手をパシリと拒絶すると呆然と彼女が見つめ返してくる。
「え…?」
「ほら、早く行きなよ?他人が割り込んでくるなんて、興醒めだ」
「何の…」
「全部言われなきゃ分からないかな。俺の事好きだなんて言うから付き合ってあげてたけどさ、やっぱり天使ってお堅いしツマんないよ。ね、ミクちゃん?」
トドメに優しく笑んでみせると大きく目を見開いた彼女が顔を伏せその肩が震える。
零れる涙に思わず出そうになる手を必死で握りしめ耐える。
傷つけたのは俺だ。
もう触れることも慰める資格だって無い。
けれどこれでよかったはず…。
きっとこの傷は時が癒してくれるはずだから。
今度こそ消えた背中に唇を噛み締める。
名前を呼びたかった、手を伸ばしたかった。
けれどそれをすれば彼女を傷つけた事さえ無駄になる。
泣きたくなんてない、泣いてはいけない。
でも…今だけは…。
「…ふ…ミクちゃ…好きなのに…俺が違うから…何で…」
この関係が禁忌だと言うなら何で好きだって気持ちは生まれ止まらない…?
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