A
足を失くした蝶々
止まり木も掴めずに
闇に擦れた翅ではもう飛べない
谷を落ちてく蝶々
満月は只管に
白い目付きで私から遠退いてく
B
鏡が映し出した過去遠く
今の私はさぞ醜く
痛みが続いてゆくなら早く
底まで着いて潰れてしまえ
吐き捨てた
S
そんな蝶が落ちたのは大きな蓮の花弁
優しく受け止めてくれたあなたの背中
零れ出た水滴はあなたの掌の上
ようやく翅を休ませて私は眠る
D
水面の波紋はゆらりゆらりまどろむ
淡い光が差した
A
足を失くした蝶々
歪さが今更に
恥に思えて顔さえもう見れない
顔を埋める蝶々
陽だまりの柵に
更に楔は古傷へ食い込んでく
B
眩暈が誘い出した夢多く
けれど私はただ小さく
紡いだ帯糸で結うなら固く
あなたの翅になれなら、なんて
夢見てた
S
そんな蝶に被された大きな闇の帷子
優しく導いてくれたあなたの言葉
描いてたことは今私の掌の上
ようやく翅は閃いてあなたと踊る
D
二人の足跡風に空に刻んで
ふわりふわり飛んでく
↓ひらがな。
あしをなくしたちょうちょ
とまりぎもつかめずに
やみにこすれたはねではもうとべない
たにをおちてくちょうちょ
まんげつはひたすらに
しろいめつきでわたしからとおのいてく
かがみがうつしだしたかことおく
いまのわたしはさぞみにくく
いたみがつづいてゆくならはやく
そこまでついてつぶれてしまえ
はきすてた
そんなちょうがおちたのはおおきなはすのはなびら
やさしくうけとめてくれたあなたのせなか
こぼれでたすいてきはあなたのてのひらのうえ
ようやくはねをやすませてわたしはねむる
みなものはもんはゆらりゆらりまどろむ
あわいひかりがさした
あしをなくしたちょうちょ
いびつさがいまさらに
はじにおもえてかおさえもうみれない
かおをうずめるちょうちょ
ひだまりのしがらみに
さらにくさびはふるきずへくいこんでく
めまいがさそいだしたゆめおおく
けれどわたしはただちいさく
つむいだたいしでゆうならかたく
あなたのはねになれたら、なんて
ゆめみてた
そんなちょうにかぶされたおおきなやみのかたびら
やさしくみちびいてくれたあなたのことば
えがいてたことはいまわたしのてのひらのうえ
ようやくはねはひらめいてあなたとおどる
ふたりのあしあとかぜにそらにきざんで
ふわりふわりとんでく
足を失くした蝶々
微調整承ります。
念の為、読みを表記しておきます。
翅はね、只管ひたすら、花弁はなびら、柵しがらみ、楔くさび、眩暈めまい、帯糸たいし、帷子かたびら
余談:
前に書いた歌詞「ここから眺める景色」を組み立て直したものです。
どう足掻いても夏季です花期的な意味で。本当はただ「満月」ではなく「寒満月」と書いてみたかったんですよね気分的に。いや、別に叫びたいとかそういう意味ではないですけども。実際、蓮は比喩でしかないので無視しても良かったのですが、そこは踏み止まりました。
ちなみに蓮の葉には撥水効果があります。ロータス効果とか言われてます。葉と直接書いていませんがイメージの参考にして下さい。それから、水連ではないことは特にご注意頂きたい。少なくとも私からすると二つは印象が違い過ぎます。
あと作中に珍しい単語がありますが、帯糸とはアゲハなどの幼虫が蛹になる時に自分の体に引っ掛ける糸のことで、繭を作る糸ではありません。で、恐らくというか確実に成虫は糸を紡げません。だって明らかに必要ありませんもの……。
そこらへんの設定の脆さはどうかご容赦下さい。
2/25
書き直しました。修正前のは前のバージョンにあります。
Dメロは帳尻合わせみたいなものです。
タグ付けふざけすぎちゃったので、整理しました。
コメント1
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ご意見・ご感想
巳都★お休み中
使わせてもらいました
初めまして、DTM初心者の巳都と申します。
「足を失くした蝶々」の曲を作らせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
その際、幾分かの改変が必要となる可能性がございます。
また、何分、DTM初心者ですので、いのんさんのご希望通りの曲にはならないかもしれません。
想定ボカロはMEIKOです。
頑張って作りますので、よろしくお願いいたします。
2012/06/08 01:52:58