初恋メロディー 過去巡り そのいち
未来音符 その6から
「はぁ~、重かったぁ~~」
ドサッ!と合唱部の部室から持ってきた楽譜や、先輩達が
持って帰らなかった私物を自分の家の机の上に置き、ため息をついた
「先輩達も私物を持って行って卒業してよ~~、もぉ~発つ鳥後を濁すだよ」
合唱部は私が今日、演劇部に入ったために廃部になった。
そのため、合唱部の荷物を私は自分の家に持って帰ってきた
それにしても先輩達……荷物残し過ぎだし……
持って帰ったダンボール箱を見て唖然とした
なにこれ?Gペンってやつ?なんであるの?ウチは合唱部だよ?
漫研とかじゃないよ?
しかもこれは………『マネジメント』って、もしドラ!?
ダンボール箱からは合唱部からかけ離れたものが出たきた。
はぁ~~、どうしよう…コレ……
捨てるのはもったいないから……誰か貰ってくれるかな?本はお父さんで…
ダンボールの中身の行き先を考えながら出していると、
「あっ」
パラッと、本の間から一枚の写真が出てきた
床に落ちた写真を拾うと
「先輩達が一年の時の写真だぁ…」
そこには私だけがいない合唱部が、つまり先輩達だけが映っていた。
先輩達はみんな肩を寄せて笑っていて、中心に流香先輩がいる。
懐かしいなぁ…
流香先輩がこれを見せながら教えてくれたんだよね、合唱部のこと…
写真を眺めながら流香先輩との話を私は思い出していた。
去年の4月だったっけ?私がこの写真を見つけて……
1年前の4月
「「じゃーね流香とミク。また明日~」」
「おつかれ~~」
「おつかれ様でしたー」
先輩達が練習が終わり部室から出て行った後、流香先輩と部室に残って
片づけをしている時に
「この写真は……先輩達?」
私が先輩達だけが映っている写真を見つけ
「せんぱーい!これなんですかーー!?」
と流香先輩に持って行くと
「ん~?な~に?あらっ、懐かしい~~」
先輩は写真を見て少し驚き、懐かしさに目を細めた
「これ、先輩達ですよね?何年の時のですか?」
先輩の横から写真を見て流香先輩に尋ねると
「これはね~私達が一年の時の物なの。懐かしいわ~」
「そうなんですか~、わ~先輩達若~~い」
私の言葉に先輩はにっこり笑顔で
「ん~?明日から練習量を2倍に増やしたい?分かったわ」
「言ってませんよそんなこと!!やめてください!!死んじゃいますよ!?
ごめんなさい!!先輩達は今でも若いです!!ピッチピチです!!」
「まぁミクから見たら私達はオバサンだものね~」
「言ってないじゃないですか!?オバサンだなんて思ってませんよ!!
お姉さんです!!超綺麗なお姉さんです!!」
「ミクは私に嘘が通じないのは知ってるでしょ?
そっか~~意地悪バアさんの集まりと思っていたのか~~そっか~~」
「そんなこと思ってないですよ!!完璧な被害妄想じゃないですか!!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」
私がガバッ!と土下座をして許しを請うと
「嘘よ、あんまり怒ってないよ」
「あんまり!?ってことは少しは怒ってるんじゃないですか!?」
顔を上げる私に
「ミクは合唱部ができた経緯みたいのは知らないんだっけ?」
「え?はい、知りません。え?中学でやってたからじゃないんですか?」
「ん~~ちょっととゆうか、かなり違うわ。」
「え?そうなんですか?中学からの流れで~、みたいに思ってました」
私は正座しながら先輩を見上げた
「ん~ん違う違う。最初はみんな合唱部をやる気なかったの。
私だけが合唱部をまたやろうと思っていたの。私がみんなを誘ったの」
「えっ!?そうなんですか!?え?でも何でみんな合唱部を
やる気なかったんですか?中学の時はあんなに鬼だったじゃないですか?」
「中学の時は…ほら、先生が鬼だったでしょ?だからよ……」
「あぁ…そうでしたね……先生…鬼でしたね…」
先輩も私も中学の頃を思い出して遠い目になる
「練習……きつかったわ…」
「そうでしたね……練習……死にそうでしたね…」
「だからみんな…高校になったら絶対やらないって思ってたの。」
「えぇっ!?そうだったんですかっ!?信じられない……」
あの鬼達からは想像ができない…
「でも…私にはどうしても合唱部をやらなきゃいけなかったから…
だから合唱部が無かったからみんなにお願いしたの。合唱部を作ろうって」
「そうだったんですか…合唱部をやらなきゃいけない理由って?」
私がそう聞くと先輩の顔が少しだけ赤くなり
「う、うん。それはね……話すと長くなるんだけど…………聞…く?」
上目で少しモジモジしながら私に聞くので
わっ!流香先輩が照れてる!!かわいーー!!
「はいっ!!聞きます!!教えてください!!」
あの流香先輩が照れてるんだ。きっと何かあるんだっ!!
ウキウキとしながら流香先輩に言ったら
「…なんかミク……ウキウキしてない?何考えてるのよ?」
「してませんしてません!何にも考えていません!頭すっかすかです!」
「頭すっかすかはマズイわよ………じゃあまぁ話すけど……」
「はいっ!」
そして流香先輩は1年の時のことを話し始めた
『未来音符』から『過去巡り』へと話は変わり
視点変更 ミク→流香
「最後に演劇部の紹介です」
部活説明会の最後に演劇部の名前が出てきて私は驚いた
え?え~と、合唱部は?合唱部は無いの?なんで?
体育館で入学したばっかの新1年生のための部活説明会が開かれている。
私は体育座りをしながら合唱部の名前が出てくるのを待っていたが、
なんで最後に演劇部なの?合唱部は無いの?え?
少しうろたえていた。
私がうろたえていると
「……以上で部活説明会を終了します。教室に戻って入りたい部活の
名前を先生から渡される紙に書いてください。では解散。」
先生の言葉にみんな立ち上がり教室に戻る
教室に戻る途中で
「流香は何部に入るの~?」
と言ってくる同じクラスで中学からの友達のハナに
「考え中…」
と返し、合唱部が無いことにどうしよう?と悩んでいた
どうしよう……合唱部が無い……これじゃ約束が……
先生からプリントを渡されたらこの日の学校は終わりだったので、
友達にじゃあねと言ってプリントを持って私は職員室に向かった
どうして合唱部が無いのか先生に聞かないと…
廊下をせかせかと歩き職員室に入り
がらっ
「失礼しまーす。」
私を見ると担任の先生が
「巡野さん?どーしたの?」
「巡音です。ちょっと先生に聞きたいことがあるんですけど…いいですか?」
「あぁ、ごめんね~~なーに?私に彼氏がいるかどーか?」
先生は笑いながら言ってくるので
「違いますよ。先生の恋愛に興味は無いです。
この学校に合唱部が無いのはどうしてですか?って聞きにきたんです。」
「ちょっとは興味持ってよ…合唱部が無いのは廃部したからだよーん」
廃部した?
「廃部って何でですか?」
「ん~?今年部員が全員卒業しちゃったの。そんで誰もいないから廃部~」
卒業して誰もいなくなった…
「そうですか…なるほど分かりました…」
どうしよう?このままじゃ…
私が悩んでいると
「何~?合唱部に入りたかったの?」
先生が頭の後ろに手を組んで聞いてくる
「あっ、はい。入ろうと考えていました。でも…」
「ん~そう、無くなっちゃってるの~」
「どうしましょう?このままじゃ…」
「このままじゃ?」
先生に追求されてしまったので
「あっ、いえ、何でもないです。こっちの話です。」
手をパタパタと振り冷静に考え始めた
廃部になってる、人がいないから廃部になった…
じゃあ…
「5人集めて顧問がつけば新しく部活を作れるよ?どーする?」
私が出した結論と同じことを先生が言ってきた
「本当ですか?5人集まれば…いいんですか?」
そう、無いなら作ればいいんだ
「そう5人。同じ中学の子とかいるでしょ?声かけてみたら?」
「同じ中学の子は……います。」
同じ中学で合唱部だった子達がいるけど…
でも…あの子達は…
「いるんなら声かけてみな。なってって言ったら私、顧問やっていいし~」
笑顔で自分の胸を叩く先生に
「ありがとうございます。声……かけてみます」
「ん~~。じゃあね~」
ひらひら手を振る先生。私は職員室から出た
教室に戻りながら
5人……5人か~~ちょうど私を入れて5人なのよね~~
でもみんな……やってくれ……ないよね~~
どうしよっかな~?一応お願いしてみるかな…
私と同じ中学で、しかも合唱部だった子は私以外に4人いる。
が、みんな…
教室に戻るとハナがいた
「お?おかえり~流香。どこに行ってたの?」
「うん。職員室に行ってたの」
「へ?何で?もう呼び出されて説教されたの?」
「違いますー!!そうじゃなくて、部活のことでちょっと…」
「あっ!そうそう流香あんた部活どーする?一緒に同じとこに入らない?」
ハナはプリントに演劇部と書いて私に見せてくる
「え、え~とね…」
「演劇部にメッチャ可愛い先輩がいるのよ~ねぇ~一緒に入らない~?」
「え、えーと…その…ハナ…」
「ん?なーに流香?」
ハナだったらまだ分かってくれるかな?
でも言いづらいなぁ…ハナもヤダって言ってたし……うぅ…
少し言いよどみながら
「えっとさぁ…ハナ…」
「だから何?」
「私と一緒に……合唱部………作る気……ない?」
超にっこり笑顔でそう言うと
「………はい?」
ハナから了承?がもらえた
初恋メロディー 過去巡りその1
初恋メロディー過去巡りのその1です。
さらにさらに調子に乗ってルカ→流香の小説も書いてしまった…
未来音符の昔の話が過去巡りなので先に未来音符から読んでください。
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