「んー、何書こうかな・・・」
私が少し迷っているとカイトが、
「どうしたんですか」
とひょこっと登場した。
「ちょっと書くことないなぁーって思ってたとこ」
「じゃあ、マスカイ・・・いえ、カイマスで」
「・・・ねぇ、意味知ってるの?」
「・・・一応は」
なんてこった。カイト、自覚してるのかにゃ。
「へぇーーー」
「何ですか、そのわざとらしい声音」
カイトは少し苦笑する。
「・・・べ、別に」
少しみとれそうになった自分が恥ずかしくなり、慌ててというかそっぽを向く。
「そうですか。っていうか、あと少しで卒業ですね。おめでとうございます」
「・・・ありがと」
言われてみれば、あと少しで卒業か・・・。
少しは、変われたかな。
「ねぇ、カイト」
「何ですか?」
「私さぁ、少しは変われたと思う?」
さーて、カイトは何と答えるのかにゃん?
「・・・そうですねぇ」
カイトは少し考えてから、
「はい。変わったと思いますよ」
と、にこりとした笑みと共に言った。
・・・カイトの笑顔は日に日に増していくような気がする。
見てたら、危ないよ。
なんて、本人に言うつもりはさらさらないけどね。
「そう。えっと、100.5点かな」
「テキトーですね」
そう言って笑うカイト。
くそう、何でそんなに笑ったら可愛いんだ。
と、内心思いつつ喋ることにした。
「ねぇ、約束ってあるよね」
「はい。それが?」
「にゃははは、約束ねぇ・・・。ぶっちゃけ、約束なんか無くてもいいのかなぁ」
「え・・・約束は、大事だと思いますけど」
「でもね、約束しなかったんだよね・・・いや、できなかったか」
「そうなんですか?」
「うん。まるで私とツンデレなあのこのようだよー」
「・・・えええ」
というカイトの反応はさておき、
「思えば、約束なんか無くても良かったんだよ。お互いね」
「・・・それで?」
「でも、約束が無いってことは一種の賭けなんだけど・・・」
「・・・それで?」
「あの人も、そうだったのかなぁって、思っただけ」
「・・・そうですか」
「うん。それだけ」
「マスター」
「うん?」
「最後に、1つ聞いていいですか」
「・・・何?」
「マスターにとって、あの人ってどういう存在なんですか」
うわぁ、なかなかの難問。さて、どう答えよう。
「えっとね・・・気になる人だし、半年以上もちゃんと気付いてやれなかった人だし、いい人だし、・・・それに、あとは」
「・・・あとは?」
「・・・・なんていったらいいのかわかんないけど、えっと・・・」
「・・・」
「・・・・・・・大事、大切な人?かな?どうかにゃん???」
「何で、そこで猫ですか」
「え、だって、今日は猫の日だし。にゃんにゃんにゃんで、ほら、猫の日」
「全然意味分かりません」
「えー、友達に言ったら、『え、そっち?ww』って言われた」
「あ、僕、その友達と仲良く出来そうです」
「そう?なかなか可愛いよぉ?でも、浮気だー」
「えっ、違いますよ!」
少しからかって、今日の会話の締めくくりとすることにした。
会話、好き。それで、仲良くなりたいなぁ。
とかなんていうか哲学的にそう思って、私は笑ったのだった。
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