さざ波が足跡を消していく一歩二歩
そよ風が痕跡を消していく十歩百歩
今いる場所も気付かないほどに
今行く先も目指せないほどに

波の音がしぶきになって問うんだ
「どこから来たんだい」って
風の音がざわめきになって聞くんだ
「どこへ向かうんだい」って

それは小さく笑っているように
それは微かに揶揄しているように
浅いため息をついて呆れて笑う
「それは君達だって同じだろう」


三日月が合図を消していく一夜二夜
きら星が目印を消していく三日三晩
今知る価値が消えても何も悪くない
今散る自負が舞っても誰も悪くない

月の声が光になって問うんだ
「それは何のためだい」って
星の声が瞬きになって聞くんだ
「それに何の意味が有る」って

それは小さく蔑んでいるように
それは微かに嘲っているように
弱い呼吸をして苦笑いで返す
「そこは君達だって同じだろう」


「灯台を失った船みたいだ」って声
「海図を失った漁みたいだ」って声
「足元見失った旅みたいだ」って声
「目的を失った群れみたいだ」って声

違うよそうじゃ無いんだ
確かにこの星は灯台で一杯で
僕の目指す先はあやふやで
手にしたコンパスも目を回してる

天気予報なんて外ればかりだ
嵐の中で空を睨む日々は
日照りの喉の渇きを恨んで
破れた地図がせせら笑ってる


ここにそれが確かに有るんだ
それは止められなくて喚いてる
地に足を着く前に凪が身を浮かす
喉が声を出す前に颪が身を揺らす

舞い続ける木の葉みたいだって笑う
どこにだって有るさそして触れられない
残した音も静けさも誰も覚えてない
そして地となり無垢となり星になる


君に会いに行くよ
この星になってさ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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投稿日:2021/09/12 20:18:28

文字数:712文字

カテゴリ:歌詞

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