抱きしめなくたっていい
腕を組めなくてもいい
手を繋がなくてもいい
指が触れなくてもいい
寄り添えなくたっていい
思いを募らせなくてもいい


そうじゃなくてもいいことを知った
形も流れも問わないんだって知った

寂しくてホッとしたんだ
内側に何も無かった
体温を感じることもない
凍ったまま笑い続けてる

気付かないフリをありがと
後ろ手にVサインした
顔を見る事はもう無い
忘れたなんて言わせない


どこに有るのかを問いただされる拷問
知ってるし言えるけど有ることが辛い

今年の夏は暑いって
誰かが言ってた気がする
だったらどうしてなんだろ
いつだって震えてるんだ

なにもしない記録更新中
できもしない予定標榜中
突きつけられるカレンダー
燃やしたら楽になるかな


似合うか似合わないか
気にしてた頃が懐かしい
ゲラゲラ笑いながらでも
取っ替え引っ替えだったね

交差するくだらない気持ちだけ
手のひらで無駄に遊んで
大切なものだって知ってた
離したくなかったんだよ


俯いたままなのに気付いてたんだね
空の色をいつも教えてくれた笑顔


笑いながら聞いたんだ
「逃げられるって思ってる？」
泣きながら手を振ったよ
アルバムで色あせてもうるさいな

等身大の絶望感にまみれては
それを成長って言い聞かせた
冷たい血液は鼓動を忘れそう
血小板の仕事が増えたね


色めき立った大軍勢を前に
動けないままで居るのが辛い
それでも良いって君は云うけど
その手を取ることが出来なかった

「許すことなんてひとつもない」
しっかり目を見て告げる口は笑む
申し訳なくて目を逸らした
僕の印象は良くないだろうな


貫くつもりで紡いだ言葉を
優しい顔で君は受け止めた
その日を待っていたかのように
この日が終わりと知ってるように

「心が生まれた瞬間を見たよ」
おめでとうと言いながら君は眠る
最後の指先に触れること叶わず
教えて欲しかった何もかも消えた


この事を誇りに思えるようになったら
目覚めた君を迎えに行くよ必ず
もしもその時に僕が俯いていたら
また空の名前を教えてくれるかな

一番新しい思い出にするからさ