「『どーじんし』かこーぜ!」
 ある日の昼休み、グミがいった。
 全員の視線が一瞬で、鋭く、あるいは睨む気力もなく、自信満々なグミにむけられていた。
「お前…、言葉って言うのは、意味を理解してないと使っちゃダメなんだぞ…」
「呆れながらいわないで! わかってるもん! ホラ、持ってきたんだから!」
 グミは持ってきたバッグから数冊の本を出してきて、それらをいつも以上に戸惑った表情のグミヤに押し付けた。
本をパラリと何気なくめくったグミヤは、まず硬直した。隣からレンとリントが覗き込む。こちらも硬直。
「何々―?」
「私も気になる…」
 リンとレンカが覗き込もうとするのを、あわててレンとリントがとめた。
「お前にはまだ早い!」

 とりあえず、グミが持ってきた本は全て責任を持って持ち帰らせて、保護者(グミヤ)の同行の元、処分することになった。リントとレンが、教育に悪い、と抗議したためだった。
「ちぇー。楽しいと思ったのにぃ」
 と、グミは不満げだが、男性陣(特に約二名)の視線が痛いので、すばやく視線をそらしておいた。
「お前がいくら天然でも、うちの子にあんなもん見せられるか!」
「妙な影響が出たらどうしてくれる!」
 すっかり保護者となってしまった二人だが、こればかりは譲れないと、徹底的に戦う姿勢だ。この二人、多少過保護だが、頭はいい。理詰めでは敵わないと踏んで、グミは素直に謝っておくことにした。
「じゃあ何するー?」
 グミが話題を変える。
「トランプとかは飽きたな」
 レンが言った。すると、リンが手を上げる。
「はい、はい! 鬼ごっこ!」
「それお前が勝つの目に見えてるから」
 グミヤが突っ込んだ。
「体を動かすのは商社がわかるからダメ、トランプは飽きた、じゃあもう何もないだろ」
「そうだね…。どうしよっか」
「うーん…」

 ああだこうだと言っているうちに、レンが鞄から、スケッチブックを取り出した。
「じゃあさ、皆で誰が一番絵うまいか、決めようぜ」
「おっ、それ面白そうだな」
「やるやるー!」
 ノリノリで、全員にシャーペンと消しゴム、紙が配られていく。
 全員に1セットずつ回ると、
「審判は? 誰やんの?」
「じゃんけんで負けた奴でよくね?」
「はい、じゃあ、じゃーんけーん…」
 ぽん、の掛け声で、全員が手を出した。
 チョキ、チョキ、チョキ、チョキ、パー、チョキ…。
「グミヤが審判な」
 一人だけ手を開いていたグミヤが、一人負けし、参加者から審判に格下げになってしまった。
「お題は? ばらばらじゃないだろ?」
「グミヤ君決めてー」
「んー…。じゃあ、ウサギ」
 審判がそういってお題を提示したのとほぼ同時に、グミヤ以外の五人が急いで作品に取り掛かった。

 十分後、回収。
「結果発表―」
「わー、ぱちぱちぱちぱち…」
 リンがわざとらしく盛り上がっている効果音をやったが、グミヤに人睨み去れて終わりだった。
「一位、レン」
 コイツは文句なしにリアルでうまかった。ウサギ小屋にいるような、妙にリアリティのあるウサギだった。
「二位、レンカ」
 こちらはふわふわとした可愛らしいものだった。ぬいぐるみを見ているような、女の子が好きそうなやつである。
「三位、リント」
 まあ、人並みである。人より少しうまいくらいで、特筆することもとくにはない。
「四位、リン」
 次はリン。ここk、あら一気にレベルがさがる、
「びり、グミ」 
「もう一髪!」
 昼休みが終わるまで、六人はそうやって過ごしたのだった…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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Some First Loves 7

こんばんは、リオンです。
結局レンは手先器用だと思います。でも手抜きできないです。
レンカちゃんは絵上手いです。
リント君は普通。どっちかって言うと上手。
リンは下手です。運動に全てのステータスもっていかれました。
グミは論外です。人面逆関節ウサギ。

閲覧数:270

投稿日:2011/12/08 23:44:36

文字数:1,473文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 美里

    美里

    ご意見・ご感想

    トランプは何回やったんだろう…

    レンもリントも思いっきり保護者ですね。凄く凄いです。
    絵描き大会か…。普通だったら女子が勝ちそうな大会なのにあっさりと一位のレン君。そして予想通りのレンカちゃん。微妙に上手いリント君。うむむ、三人とも勝てる自信が無い。
    グミヤ君も密かに普通に絵が上手いという私の想像。グミちゃんに駄目出ししているというそんな妄想。
    グミ「ここって、こうなってるよね。」
    グミヤ「いや、この関節はこんなとこに曲がらない。ここは逆に曲がる。」
    グミ「こう?」
    グミヤ「…」
    こんな感じだと思います。

    2011/12/09 18:51:42

    • リオン

      リオン

      こんばんは、美里さん!
      恐らくトランプは…億をこえ、京…五京くらい…だと思います…。

      恋愛感情と保護者の感情で悶々とする男の子美味しいですmgmg
      レンとレンカちゃんはうまいですが、リント君が勝つのは、他の女子が余りに下手すぎるからです。
      私も勝てる気がしません。いろんな意味で。
      グミヤは絵うまいです。動きのある絵が得意そう。
      グミ「なんでそうなるの!?」
      グミヤ「お前の腕はこう曲がらんのか」
      グミ「あ…。曲がる」
      グミヤ「寧ろお前の絵は何故そうなる。そのウサギ、何で前足後ろにまがってんだよ」
      グミ「…こうだ!」
      グミヤ「…。…お前、ウサギ見たことある?」
      グミ「…多分…」
      こんな感じでも私は全然美味しいです!(殴

      2011/12/09 21:58:51

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