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すんすんと鼻を鳴らしながら、涙を抑えようとしているリントの丸まった背中をみて、レンカはどう声をかけたものかと、戸惑っていた。戸惑いながら、小さなマメ柴がお預けをくらってシュンとしている様なイメージが重なるのを、レンカは必死に打ち消そうとしていた。
「しゅき…って(笑」
「笑うなよ!!」
「はっ、ご...Some First Loves 26
リオン
目の前に母がいる。
レンカははっとして、リントとつないでいた手を解いて、少し距離を置いた。途端、リントは足を速めて、うつむき加減に家へと向かった。
家の前で笑っている親の前を素通りした。
「――リント。ただいま」
父を一睨みして、リントは無言で家のドアを開いた。
確かに、新婚旅行から帰って...Some First Loves 25
リオン
帰り道は、元の二人ずつのペアになって帰ることになった。女子陣の提案に、男子陣が応じたのだった。
「レンきゅんは優しかったなぁー」
グミは言った。
「ふーん」
グミヤは聞き流した。
「ハンバーグ美味しかったしー」
グミは語りながら、隣を歩くグミヤに時折ちらり、ちらりと目をやったが、グミヤは特に...Some First Loves 24
リオン
夕飯を終えると、グミは席を立って、携帯電話を開いた。
電話ではなくメールをしているようで、しばらくたって携帯電話を閉じると、グミは少しそわそわしながらソファに座った。
レンは気にしていない様子で食器を食器洗い機にキレイに並べ、慣れた手つきで操作した。
しばらくして、携帯電話が鳴って、グミはす...Some First Loves 23
リオン
レンカちゃんが熱を出しました。
ともかくインフルエンザじゃなかったから良かったものの、レンカちゃんの熱は非常に高く、別部屋で確保し、絶対安静ということになりました。
私、ミクアペントが心配しているのは、もちろんレンカちゃんのことも心配ですが、彼のことです。
彼は、いつもレンカちゃんのそばにいた人、―...約束 ―我が家のボーカロイドさんたちの中で、一つの誓いが生まれました―
美里
「まあ、とりあえず、夕飯にするけど…。何食べる?」
レンは既に家になじみ始めているグミに聞いた。
「ビーフストロガノフ!」
「無理。」
「えー…。最近はまってるテレビでちょくちょく出てくるんだけど…」
「その話グミヤから聞いた。もうあいつをいじめないであげて」
例の怪しい子供向け番組だ。
あの...Some First Loves 22
リオン
「――チッ」
露骨に嫌な顔をして舌打ちをしたリントに、レンは
「やめろよ、お前人がいい気分で話してんのに」
「リントはまた自分たちが一番距離のあるカップルに舞い戻ったから気分悪いんだろ」
「破滅してしまえばよかったのに…!」
「どんだけ悔しいんだよ! 応援してくれてたじゃん! 裏でそんなこと考えて...Some First Loves 21
リオン
巨大迷路の辺りを、グミ、グミヤ、リント、レンカの四人はずっとうろうろし続けていた。もうリントレンの二人が迷路に入っていってから随分たっているから、いまさら追いかけたところで迷ってしまうのが関の山だが、それでも出口の近くで張り込みを続けるような集中力や落ち着きを、この四人(特にグミ)が持っているはず...
Some First Loves 19
リオン
「…って、何やってんだ俺ら…」
自分たちに引き気味に、グミヤが言った。
建物と建物の間の狭い空間から、子供の初めてのお使いを見守るような気分で、リンとレンの二人を見つめる人影が、グミヤを入れて四つ。
「心配で…」
とレンカは少し笑った。
「フォローしてやら無いと」
それに合わせてリントが言っ...Some First Loves 18
リオン
「デート?」
グミヤとリントが声をそろえた。
こくんと頷いたレンの顔は赤く、なんだか動きもぎこちない。
「よかったじゃねーか。ぐっと距離近づいたろ」
「俺…、まともでいられる自信がねぇ…」
どうやら緊張しまくりのレンをリラックスさせようとするが、ガチガチに固まったレンは中々リラックスどころか、...Some First Loves 17
リオン
「どうやって仲直りしたし」
呆れ気味で、リンが言った。リンに言われてはおしまいである。
「あははー。なんかいつの間にかねー」
いつに無く上機嫌で登校してきたグミは、面倒くさそうなグミヤの腕にひっついて、ニコニコと笑っていた。が、グミヤのほうも実はまんざらでもなさそうで、ぎゅうぎゅうと鬱陶しいくら...Some First Loves 16
リオン
「…ん?」
靴箱の中に、何かが入っている。グミヤは中を探って、それを取り出した。どうやら手紙のようだ。
これは、あれだ。所謂――
「ラブレターだ」
隣からレンが言った。
それは薄桃色の封筒で、淡いブルーのペンで丸い文字が書かれていて、いかにも可愛らしい手紙だった。
まず盛り上がったのはリン...Some First Loves 15
リオン
数日たって、リントとレンカのいちゃつきが以前ほどに戻ると、六人の関係は、また落ち着きかけていた。――が、またも問題が起こった。
グミとグミヤが喧嘩を始めたのである。
「なんでそうなるんだよ!」
「なんでもだもん! グミヤなんかもう知らない! あっちいって!」
「何で俺がお前のいうこと聞かなきゃい...Some First Loves 14
リオン
「――で、何故俺の部屋に集まる!?」
どんどん押しかけてくる友人達に、グミヤはそう叫んだ。
「だって…なぁ」
ショートケーキを食べながら、レンが言う。
「うん。ケーキ美味しいね」
レンから言葉を受け取ったリンは、ミルフィーユを食べる。
「あ、私クッキーもって来たよ」
そういいながら鞄をごそご...Some First Loves 13
リオン
その夜、リントは家に帰らなかった。
帰らなかったと言っても、ネットカフェで一夜を明かしたとかそういうことではなくて、レンカがそろそろ眠っただろう、と言う時間になるまで、外で時間をつぶしていたのである。
そして、リントが家に帰ると、時計は既に午前の一時半を回っていた。
レンカと顔を合わせるのが...Some First Loves 12
リオン
「…何、え、何、何何何何何!!」
後ずさりしながら、レンが言った。辺りにはギスギスした雰囲気が漂っている。
「今日、学校にきてからずっとこんな感じなの。二人とも他人みたいに…」
他人みたいに、お互い別々に、と言うのとはなんだか違うような気が、レンにはしていた。お互いが、ではなく、寧ろリントが露骨...Some First Loves 11
リオン
「…どうしたんだ、あいつ…」
リントは走り去って行ったレンカの後を見送って、シャーペンをペンケースにしまい、立ち上がってリンを見下ろすと、
「ごめん、帰るわ。…後はレンに教えてもらえ」
「うん…。仕方ないね。ありがと」
リントはすばやくスクールバッグをリュックのように背負うと、流石の運動神経で、...Some First Loves 10
リオン
最近、六人でいることも増えてきた。
転校先でこんなにも早く仲のいい友達ができるとは思っていなかったし、ぽわぽわしているレンカがちゃんと友達を作っているようで良かったという気もするし、なにより、同じような境遇の仲間が二人もいることは心強い。
まあ、多少、そいつらが茶化してきたとしても…。
数学...Some First Loves 9
リオン
ずんぐりむっくりのキャラクターが、画面の中で暴れまわっていた。最近話題の、よくわからないアニメである。
「だから何故俺の部屋に来て見る」
「いや、電波がさ」
「電波なのはお前だ。家隣同士で、電波の違いなんかねぇだろ」
言いながら、グミヤはグミが好きなクッキーを持ってきて、なんとなしに隣に腰を下ろ...Some First Loves 8
リオン
「『どーじんし』かこーぜ!」
ある日の昼休み、グミがいった。
全員の視線が一瞬で、鋭く、あるいは睨む気力もなく、自信満々なグミにむけられていた。
「お前…、言葉って言うのは、意味を理解してないと使っちゃダメなんだぞ…」
「呆れながらいわないで! わかってるもん! ホラ、持ってきたんだから!」
...Some First Loves 7
リオン
両親が帰ってくるという。
連絡を受けて、リントはため息をついた。やっと帰ってきてくれてほっとしたような、まだ帰ってこなくてもいいような、微妙な心境だ。大体、いつ帰るかも、行き先も告げずに、子供を家において新婚旅行に行く夫婦なんて、何処の世界にそんなものがいるというのか。
レンカにはまだ告げてい...Some First Loves 6
リオン
次の日、リンは学校を休んだ。正確には、レンが休ませた。
朝になってみると、リンは体がだるいと訴え、仕方がないのでとりあえず休ませて、様子を見ることにした。少し過保護なように思えなくもないが、リンは風邪もひいたことがほぼないので、レンが騒ぐことが当たり前のようにも思われる。
グミヤはその日、苛立...Some First Loves 5
リオン
妙な友達ができた。友達と言っていいのかすら怪しい、他人の恋路にああだこうだと口出ししては、茶化す嫌な奴らである。しかも、勝手に仲間にされてしまった。
リントはちらりと隣を見た。ソファのはじっこにちょこんと申し訳なさそうに座って、本を読みふけっているレンカがいる。こいつも一緒に仲間にされてしまった...Some First Loves 4
リオン
「リント君、こっちこっち!」
リンはリントの手を引いて、小さな体で階段を二段飛ばしでぴょんぴょんと駆け上がっていった。
狭い空間に出ると、リンがドアを勢いよく開いた。
ぶわっと風が入ってきて、リントは思わず目を瞑っていた。風が消えると、目を開いた。青い空が広がっている。
屋上だった。さわやか...Some First Loves 3
リオン
新築の家にはまだ慣れなく、リントは寝ぼけ眼をこすりながら、のそのそと段差の高い階段を下りていった。
コーヒーとバターとトーストのいい匂いがする。
リビングダイニングにリントが顔を出すと、朝食の用意をしていたエプロン姿の少女が顔をあげた。
「リント君、おはよう。今、蜂蜜も出してくるから、ちょっと...Some First Loves 2
リオン
~俺の青春~
そして休日
~学校~
『さみーー』
俺はレントと一緒に
グミとリンちゃんを待っていた
今日は、いつもより寒い;;
早く来ないかなぁ
俺はわくわくしながら待っていた
「レンくーん、レントくーん」...俺の青春2
KK_AT
これは俺が中学のときの話だ。
俺は女遊びがすごく激しかった。
まぁ、粋がってたんだ。若さってやつかな。
俺が女遊びを始める前、彼女が居たんだ。イイ奴だった。
そんなイイ奴放っておいて俺は女と遊んでた。女騙しまくってる俺カッコイイ!とか思ってた...ただいま、今度こそ愛し合おうか。
なのこ
ピンポーン♪
「リン、お客さんよ」
誰だろう…友達かな?
「リンちゃーん、大丈夫?」
そこには私に風邪をうつした張本人がいた。
「帰って!帰りなさいよ!バカ!!」
「こらこらリン、せっかくお見舞いにきてくださったのに」
私と同じ髪の色をして少し長い髪を1つにしばっている人が私を叱る。
この美形で優男...恋色病棟~後日談~
アンジュ×ディヤブル
7月25日はシンの誕生日。
って事で誕生日パーティーをする事になりました。
「お誕生日おめでとう!」
「有難う、ナナ」
笑顔でプレゼントを渡す美少女と笑顔で受け取る美少年。
まるで絵に描いたような…。
「おーい。俺達いる事かんっぺきに忘れてるよな?」
「…チッ」
「オイ今舌打ちしたよな?」
甘い雰囲...誕生会での悲劇
【梓】紫姫【花梅】
リンリンリン♪
夜中に鳴る携帯の着信音で私は目がさめた。
「誰よ…こんな時間に…」
私はそう呟いて通話ボタンをおした。
「もしもし…」
『あ、リン♪』
「リント…こんな夜中になによ」
『熱出たの看病して♪』
「やだ、こんな時間に外でたくない」
『38度5分もあるの僕死んじゃう』...恋色病棟
アンジュ×ディヤブル
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