「どうやって仲直りしたし」
呆れ気味で、リンが言った。リンに言われてはおしまいである。
「あははー。なんかいつの間にかねー」
いつに無く上機嫌で登校してきたグミは、面倒くさそうなグミヤの腕にひっついて、ニコニコと笑っていた。が、グミヤのほうも実はまんざらでもなさそうで、ぎゅうぎゅうと鬱陶しいくらいにくっついてくるグミを払いのけようとはしない。
「お前、結局断ったのかよ」
レンが言った。グミヤはちょっと顔をあげて、
「おう」
二人はこそこそと小声になった。
「どうせ邪険にしたんだろ」
「してねぇよ。ちゃんと『ごめん、好きな人いる』っていったっつーの」
「おま…っ、それかわいそうじゃん」
「そうか?」
だめだめ、というようにレンは両手を肩ほどまで挙げて『お手上げ』のポーズをとって見せた。
「それに、グミにはどう説明したんだ? あの様子じゃ、お前がフったこと知ってんだろ」
「だから、同じこと言ったって」
まだまだ絡んでくるレンから逃れようと、グミヤはふらっと歩き出した。教室には言ってしまえば別クラスのレンたちは入ってこられない。レンは舌打ちをした。
六人で集まって、罵声が飛び交わないのは久しぶりだった。
それというのもグミとグミヤがいつもの調子に戻ったお陰で、昼休みの屋上には落ち着いた空気が流れている。
「駅前のさー、可愛い雑貨屋さんが…」
女子はいつもの通り、『可愛いものトーク』に花を咲かせている。それを横目に見ながら、男子はむさくるしく恋バナですか。
「いいよな、お前らはさ…」
「なんだよ、気持ち悪いな」
いつに無く落ち込んでいるのはレンだった。
「俺もリンともっといちゃつきたいし…」
「ああ…」
どうやらリント、グミヤがそれぞれ意中の人とお近づきになっているのを見て、あせっていたらしい。そういえば、リンとレンは落ち着いているぶん、急速に距離が縮まることもない。
レンがいつもは冷静で、リンも元気っこながら常識もそれなりにあって、お互いにガツガツしていないから、また距離が縮まないように見える。
「…俺が報われなかったらお前らも道連れに死ぬ」
「何で野郎と心中せにゃならんのだ」
不満たらたらでリントがレンに拳骨を入れた。
リントはレンカとのことが解決してから、自然に振舞うようになったし、それまでどうやら苦手だったらしい人付き合いも、それなりになれてきたらしかった。六人の中でも特に打ち解けてきた。
「俺はゲイじゃねぇ」
「俺だってそうだって」
男子特有のテンションで笑いあいながら、雑談。
「お前らの幸せ俺にも分けろー」
ははは、と笑う。
正直、こいつらの幸せオーラがねたましくて仕方が無い。末代までのろってやろうか。
「リン?」
帰り道、レンはリンに声をかけた。
「何?」
「今度さ…、その、んっと…」
いつものレンの奥手発動。
見かねたリンが言った。
「今度、デートしよっか」
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いつも不器用なイミテーション
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ご意見・ご感想
美里
ご意見・ご感想
両片思い…!素敵だ…!
皆でワイワイゴチャゴチャしてると和みますよね。癒されます。
本来なら女子が恋バナしてそうなのに、何であんなに三人は恋のことで頭がいっぱいなんでしょうか。
仲のいいミヤグミはいいですね。ミヤグミはグミちゃんがいつもハイテンションでグミヤ君がそれに追いついていけないのがいいです。
ついにリンレン編!待ちに待ったリンレン編!!楽しみにしてます!
2011/12/19 20:21:26
リオン
こんばんは、美里さん^^
そうですね、特に六人は平均身長が低いので、想像するとすごく可愛いです。
「女子は男前、男子はマジ乙女」が理想です。主に私が。
グミヤはついていくんだけど、ついてきて当たり前と思っている節がグミにはあるようです。
次からのリンレン編もお楽しみください!^^
2011/12/19 21:23:39