ぼくはこの世界をしらない
(しることもできない)
記憶はあいまいで
(ぼく自身のことすらわからない)
覚えているのは
(この手のあたたかさだけだった)
それ以上何もない
(もっていなかった)
この世界はぼくをどうしたいのだろう
望みどおり動けばいいの
それじゃあ、ほくがぼくじゃなくてもいいじゃないか
ぼくじゃなくても…
なぜぼくはここにいるのだろう
なぜぼくは進むのだろう
なぜぼくは止まらないのだろう
なぜぼくは破壊するのだろう
望んでこの力を
持っていたわけではなくて
ぼくが意志を持っていたとして
ぼく自身でさえ制御ができない
ぼくは一体誰なの
最初からこうなることは
(わかっていた気がした)
これでよかったのだろう
(ぼくはそれさえわからない)
覚えていたあの
(手のあたたかさは冷たくなっていた)
もうぼくがぼくじゃ
(なくなっていくような感覚だ)
この世界をぼくはどうしたらいいの
祈ったら声は届くのかな
それじゃあ、ぼくがぼくじゃなきゃいけない理由を教えて
ぼくじゃなきゃ…
ぼくはもうこの景色をみれない
ぼくはもうこの風を感じない
ぼくはもうこの音を聞けない
ぼくはもうこの世界にいない
薄れていく意識のなかで
ぼくはなんのためにここにいるのか
この世界のことを
やっと思い出したんだ
ぼくは魔法使いだった
人間だったぼくを魔法使いにしてさ
世界を破壊させて
それでさ、誰もいなくなったこの世界にぼくはひとり
ひとりきり…
なぜぼくはここにいるのだろう
なぜぼくは進むのだろう
なぜぼくは止まらないのだろう
なぜぼくは破壊するのだろう
創られた存在のこのぼくを
誰が止める事ができるの
祈った声は届かなかった
魔法使いのぼくは
この世界の愛しかたさえしらない
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