!WARNING!
□男マスター、KAITO、AKAITOが出てきます。
■ほのぼのを意識して書きましたが見方によってはアカカイちっくなので閲覧注意ですよ。
□KAITO、AKAITOはねんどろいど的な小さいやつをイメージしました。
上記を見ておk、ばっちこい!って方はお進みください。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
○月×日
毎日毎日ちび共には手間をかけさせられるわけだが。
今日も今日で例外ではないようだ。
「マスタぁ~……」
情けない声を上げながらカイトが泣きついてきた。
困ったな、これから仕事にいかなきゃならんのに。
忙しいから、とアイスでもくれておけば機嫌が治るだろうかとも考えたが、いつもバカがつくくらい元気なこのカイトに泣くほどのことがあったのだ。
こいつのマスターとして放っておけないだろ。
とりあえず、鼻水は垂らしてくれるなカイトよ。
ティッシュを手渡しながら何があったのかと聞いてみた。
ああ、こんなときにアカイトがいてくれたらいいんだが…。
「ア、アカ、アカイトがっ…」
ずびーっと鼻をかみながら涙声で必死に伝えようとするが、嗚咽で上手く喋れていない。
アカイト絡みなら奴に頼れそうもない。
「アカイトと何かあったのか?」
「ぼ、僕にっ、無理やり辛いものを食べさせようとしてきてっ…!」
あー…なるほどな。こいつ甘党だったっけ。
まぁ、泣きたくなる気持ちが分からんでもないが。
とにかく俺の方が急がなければマズイ。
さっさと二人を仲直りさせて出掛けなければ。
あやすように頭をポンポンと撫でてやり優しく諭すように言う。
「きっとアカイトもお前に嫌がらせってわけでもないだろ?一緒にアカイトのところに行こう、な?」
「う、…は、はい…」
嫌がるかとも思ったが随分と素直に頷いてくれた。
こいつも本当はアカイトの傍にいたいんだと思う。
アカイトのいる部屋に向かってみれば隅っこで膝を抱えてふてくされていた。
周りには楽譜やハバネロの菓子が散らばっていた。
…どんなことがあったのかだいたい想像できてしまった自分が怖い。ある意味すごいな、俺。
とりあえず声を掛けてみた。
「アカイト。…カイト、泣いてるぞ。何で無理やり辛いもの食わせようとした?」
「……るせー」
あらら反抗的。どうしたものか。
カイトはと言えば俺の足の影に隠れてズボンの裾を握り様子を伺っている。
「るせーってことないだろ?俺さ、今から出掛けなきゃならねぇんだよ。さっさと仲直りしてくれないと俺が困る」
「………食べさせて、やりたかったんだ」
流石に俺を困らせることはしたくないのか少しだけ間をおいてアカイトの声が小さく静かな室内に響く。
その声に俺もカイトも耳を傾けた。
「オレと同じもの、食べさせてやりたかったんだ。大切な奴には同じものを食べさせてやりたいって思った。…なのに、カイトは…」
沈んだその声。
大切な者を思う気持ちからの行動だったようだ。
「だ、だって…アカイト、そんなこと一言も…」
言ってなかったのか、こいつは。
不器用だとは前々から思っていたが…どこまで不器用なんだ。
「よし、言い分はよーく分かった。…お前は優しいな、アカイト」
近付いていき、アカイトの赤い髪をそっと撫でてやった。
慌てて顔を上げたアカイトはそれは意外そうな表情をしていた。
「ほら、カイトも。こいつの言い分は聞いてたろ?お前が大切だから食わせてやりたかったんだと」
先ほど俺が立っていた場所に一人立っていたカイトに手招きした。
おずおずと近付き気まずそうにアカイトを見た。
「う…、ア、アカイト…僕は…」
震える声。
それを遮るようにアカイトが口を開いた。
「お前、甘党だもんな。オレは辛党。真逆だし、しかたねーよ」
謝りはしなかったが、そう言って微笑んだアカイトの表情はどこか優しさに満ちていた。
カイトはアカイトに飛びついた。
首に腕を回しぎゅっと抱きつくが、アカイトは苦しそうにしている。
…カイト、マジで首絞まってるぞそれ。
ま、まぁ無事に仲直りできたようでよかった。
ふと時計を見れば家を出る予定だった時間をとっくに過ぎていた。
「あっ、ちょっ、時間!お前ら、ちゃんとそこ片付けとけよ!?おやつは冷蔵庫ん中に入ってるから勝手に食っとけ!」
それだけ言い残すと俺は慌てて部屋を後にする。
階段を駆け下り玄関を飛び出すと、上から俺を呼ぶ声が。
「マスタぁー、いってらっしゃいー!」
「お前にもー、帰ってきたらこれ、わけてやるーっ!」
カイトとアカイトが窓を開けてこちらを見ていた。
アカイトの手には奴のお気に入りのハバネロの菓子の袋が。
…そうか、俺も大切な奴の一人なんだな。
俺は片手をあげて返事を返すと駅へと走った。
今日もまた振り回されてしまった。
まったく、本当に手間のかかるちび共だ。
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ヘルケロ
ご意見・ご感想
こんにちは
はじめまして
主に小説をアップしているヘルフィヨトルという者です。
楽しく読ませていただきました。
いやあ、本当にとてもほのぼのしてますね^^
恐怖もなければ、悲しさもない文って好きです^^
文もうまいと思いますよ。
ただ、もう少し細かい動作がほしいです。
心内文が多い気がします。
心内文は押さえなくてもいいので、その代りに細かい動作を入れていけばもっと良くなると思います。
またの投稿、楽しみにしています。
頑張ってください。
ついでに私も小説をアップしているので、読んでくれるとうれしいです。
2009/07/25 14:16:30