疲れた音が楽譜から転げ落ちた
吹き抜けた風に飛ばされちゃって
知らないどこかの草むらにポトン
助けも呼べずにみんな通り過ぎる

僕は何だった?四分音符?八分音符?
戻る場所も分からないまま朦朧と
見上げた先には満天の星空がキラリ
天の川の譜面を輝かせていたんだ

疲れることもなく転がることのない
光る音符はさぞかし良い音色だろう
想像も付かない心地よさが響いて
きっとみんなを幸せにしてくれる


燃え尽きる星が銀河から弾け飛んだ
吹きすさぶ太陽風に飛ばされて
いつしか地球の近くにバヒュン
合図も出せずにみんな知らんふり

私はどこにいた?太陽系?星雲?
帰る場所も見えないまま煌々と
見下ろす先にははぐれた音符がポロン
葦の脇でこちらを見つめていたんだ

惹かれるように奏でるように
「似たもの同士だね」って囁いて
想像もしなかった音符が驚いて
ちょっと二人は幸せになった


二人は夜ごと言葉を紡いだ
五線譜の旅も銀河群の旅も
手を伸ばしても届かないのに
光は音を纏い音は光を抱く

「君の光に乗って奏でたい」
「あなたの音に触れて弾けたい」
想いが募ったその瞬間に
大きな選択肢が差し伸べられる

どこからともなく声がする
「音も光も全て吸い込まれる
果てしない質量の渦であれば
そこで互いは共に過ごせる」と

二人はとても寂しい顔をして
何一つ躊躇うことなく頷いて
想いをひとつ呟いただけで
地上で夜空でポツンと消えた


今もどこかで星を見るとき
時折聞こえる小さな音は
星と恋した寂しい音の欠片
聞こえたならそっと微笑んで

そして二人に幸運を

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

音の恋、星の恋、

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投稿日:2021/09/13 21:06:17

文字数:680文字

カテゴリ:歌詞

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