「狐の面に雪華」

南天の実は 兎(うさぎ)の眼
柊(ひいらぎ)の葉は 兎(うさぎ)の耳よ
遊び遊びて 日は暮れて
夜に降り出す 妖し粉雪

森の社(やしろ)に集まるは
狐、狐の面被り
丑三つ 火を焚け 舞い上がれ
鈴の音が響く

雪は降り
さあ踊りゃんせ 輪になり
彼は誰かも知らないで
三千世界の烏(からす)を 横目に
さあ来なしゃんせ 幸い
誰も吾等を気に留めぬ
艱難辛苦(かんなんしんく)の常世(とこよ)を 忘れて

満天の星は 見えねども
これも道楽 雪見酒
呑んで呑まれて 夜は更けて
闇に降り出す 牡丹の花よ

森の宴は たけなわに
狐、狐の面ばかり
宵闇、不可思議 吾は誰?
笛の音が走る

雪の中
さあ踊りゃんせ 隨(まにま)に
誰かが唄えば皆唄う
般若の心経唱えりゃ 蓮華咲く
さあ通りゃんせ はにかみは
要らぬ此処には狐のみ
燦然(さんぜん)と燃ゆる 光は 狐火

慣れた手つきで扇子を捌(さば)き
面の奥から瞳が覗く
死んだあの子と似た眼差しは
瞬きする間に逸(そ)らされた

雪となり
さあ踊りゃんせ 間違いなど
此処には無い 晴れやかに
安寧の地とは今、此処に 生まれた
さあ見なしゃんせ 確かに
消えては増えて 増えて消え
散々、踊って唄って 解(ほど)けて

さあ踊りゃんせ 輪になり
彼は誰かも知らないで
三千世界の烏(からす)を 横目に
さあ来なしゃんせ 幸い
誰も吾等を気に留めぬ
艱難辛苦(かんなんしんく)の常世(とこよ)を 忘れて

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

狐の面に雪華 / KAITO(歌詞)

ボカコレ2025冬に投稿した「狐の面に雪華 / KAITO」の歌詞です。

閲覧数:6

投稿日:2025/02/22 09:26:23

文字数:636文字

カテゴリ:歌詞

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