「あれ、新しい商品、2種類ありますねー」

ぱみゅちゃんは、お店の入り口ちかくの棚をみつめて、楽しそうに言った。
「ええ。左が“テト・ドール”、右にあるのが“はっちゅーね”よ」
りりィさんは、うなずいて答えた。

ここは、ぱみゅちゃんが常連でよくやってくる、りりィさんのお店「星を売る店・上海屋」。
2種類のドールと、その柄を生かした雑貨が、同じ棚に隣り合わせで並べられている。

「面白いアイテムだなあ。どっちも個性があって、楽しい！」
ぱみゅちゃんは、それらを代わる代わる手に取って、眺めている。

「そうね。どっちも人気が出そうなのよ」
ニコニコしながら、りりィさんは言った。


●コスプレイヤーに大人気！

ぱみゅちゃんは、思い出したように言った。
「あ、そうか。この“テト・ドール”、りりィさんとテトさんが一緒に作ってるんだね」
うなずくりりィさん。

ぱみゅちゃんは続けた。
「そういえばさ、この間、コヨミ君のお店に寄った時、彼も言ってた。なんかコスプレ好きの人の間で、“天使のコスチューム”が流行りそうなんだって。この人形がモチーフのネ」
「なんか、そうみたいね。うれしいわ」

「そうそう、あと、こんなことも言ってた、コヨミ君が」
ぱみゅちゃんは、テト・ドールのとなりにある、“はっちゅーね”の人形をなでながら言った。

「この人形、チョット不思議なウワサがあるんですって？人の心を読んで、答えるとか…って」

「ええ。なんかね。この間、ワタシもそんな場面に会ったわ」
「へえ、なんか不思議だなあ。」


●親衛隊が盛り上げる!？

りりィさんは、ぱみゅちゃんのとなりに来て、いっしょに“はっちゅーね”をのぞき込んだ。

「コヨミ君のところでも、不思議なおしゃべりをしたのかしら？」
「そうじゃないらしいけれど」
ぱみゅちゃんは答えた。

「この人形を作ったのって、ミクさんたちでしょ。ホラ、ミクさんって、ギャル社長で人気があって、“親衛隊”とかいってる子がいるじゃない」
「え、親衛隊？」

ぱみゅちゃんは、ちょっと可笑しそうに言った。
「ウン。ほら、オタ…じゃなくて、マニアっぽい男の子たちが、いつも、ミクさんの新製品を褒めたり、スレッドで話題にしたりしてるでしょ」
「そうみたいね。ちょっと聞いたことがあるわ」
りりィさんは、うなずいた。

「で、今度もね、ネットでいろいろ盛り上がってるらしいの。“はっちゅーね”が人の心を読んだり、離れたところの友達の声しゃべる、とか」

するととつぜん、二人の目の前の“はっちゅーね”が、おしゃべりをしたので、彼女たちは目をまるくした。
「コリャ、タノシイネ～」ヾ(＠°▽°＠)ノ

（次回に続く）