私は魔女。人間とは違う。私は魔女。                             


退屈・・・。この鏡の中の世界には誰もいなくて・・・あるのは静寂だけ・・・。私は魔女。この鏡の中に住まう魔女。苛々してきたから、鏡の中のものをかたっぱしに壊し始める。あぁ!!もぅ!!先代様は私が継いだ途端に鏡の中から出て行っちゃうし・・・!!                             

ガシャンドッカーンドンガラガッシャーン                                           

ここは偉大な魔女・・・ミク様が住んでた屋敷。ミク様は、本当の「魔女」だ。何人もの人間を、魅了してきた。そして、殺した。                                              

「ほんとっ・・・退屈・・・。」                                          

ミク様の部屋についてた鏡には向こうの世界が映る。元は向こうの世界がミク様がいたところらしい。でも、ミク様はなんにもしてないのに、この鏡の中に封印された。                              

キィ・・・                                                 

鈍い音を立て、向こうの世界の扉は開いた。なんだぁ・・・?珍しすぎて笑えないぞ。もし、ここを荒そうものなら・・・って・・・なんだよ?なんで、こっち見てんの?もしかして・・・いや・・・そんなはずはない・・・だって私は見えないのだから。                                     

「君・・・誰・・・?」                                              

その金髪の少年はそう言った。その途端、少年が持っていた蝋燭が消えた。それだけで、少年は怯えた。 

「おや?私が見えるのか・・・?」                                      

「ひっ!」                                                  

・・・可愛いな・・・。                                                

「そんなに怖がらなくても良い・・・。そなたに怯えられては私も悲しい。何もしないから、ここからの脱出を手伝ってくれないか・・・?」                                                                        

「えっ・・・あの・・・その・・・。」                                        

「ん?なんだ?」                                                 

「本当に手伝ったら、なにもしません・・・?」                                     

「私は嘘は言わん。それにそなたが私を見つけたというのは、奇跡にも等しい。だから、そなたなら私を助けられるかもしれん。」                

「じゃあ・・・なにをすればいいのですか?」                                     

「うーむ・・・とりあえず鏡に触れてくれぬか・・・?この鏡はそなたになら反応するかもしれん。」             

「触ればいいんですね?」                                           

「あぁ。」                                                      

少年が鏡に手を伸ばした。そして、触った。その途端、こちらの世界にヒビが入ってきた。大成功!さよなら!牢獄さん!私はあちらの世界へと旅立った。                                    

「いたっ!」                                                          

下のほうから少年の小さな悲鳴が伝わってくる。                                      

「おぉ、すまぬ。」                                              

「え・・・いえ・・・大丈夫です・・・。」                                    

「そうか、ならよかった。自己紹介が遅れたな。私はリン。この鏡の中に住まう、魔女だ。」                  

「そなたは・・・?」                                              

「えっ・・・?あっ・・・はい・・・。レンです。」                                

使えそうなヤツだな。とことん利用して捨てるか。                               

「レンか。よろしくな。」                                             

「はい・・・。」                                                                

「早速、頼みがあるんだが・・・いいか?」                                     

「はい・・・。」                                              

「・・・怯えるな。目障りだ。別に私はそなたに危害を加えようとしているわけじゃない・・・。」              

それを聞いたレンは少し、申し訳なさそうな顔をした。                                       

「ごめんなさい・・・。」                                           

「いや別にいい。それより、私は町に出たい。ここは退屈だよいか?」                         

「はい。」                                                

まぁ、使いやすい。あぁ、お腹すいた。                                          

「すまぬな。」                                                           

少年はおずおずと手を差し出す。                                           

「さぁ、行きましょう。」                                           

一瞬だけ少年の笑みが妖艶に見えた。その笑みは、よく知っている人に似ている。なぜか思い出せない。まぁ、よい。                                                   


「あぁ。」                                                


町は賑やかだった。私は鏡の中に住んでいたから、こういう賑やかな所には来たことがない。新鮮だ。              

「あら、お嬢さん。別嬪さんだねぇ・・・。林檎、どうだい?タダだよ。」                      

少年と歩いていると、元気のいい女が私に話しかけてきた。女の手には真っ赤な林檎。きっとおいしいだろう。あぁ、でもその林檎よりこの女のほうがおいしそうだ。・・?あれ・・・?私はなんでこんなことを考えているんだ・・・?まぁ、いいか。                                        

「おぉ!くれるのか?」                                              

「あぁ、お嬢さん別嬪さんだからサービスだよ!」                                

「ありがとな。うむ、うまそうだ。」                                       

「そうかい、それはよかった!」                                        

人間は思ったより温かい。                                               


「リンさん。」                                                  

林檎をかじっているとレンが話しかけてきた。                                    

「ん?なんだ?」                                                  

「リンさんは本当に魔女なんですか?」                                    

なんだ、そんなことか。自分でも何故か分からないけど私は笑ってしまった。レンはそれを見て体を強張らせた。                                                      

「そんなに怯えるでない。あぁ、そうだ。私は魔女だ。ところで、何でそんなことを聞くんだ?」                  

「いえ・・・さっきのリン様はなんというか・・・魔女というより人間みたいな感じがしたので。」     

「うむ、失敬な。私は偉大な魔女だぞ?お前みたいな奴と同じにするな。」                              

「す・・・すみません・・・。」                                              

「言い過ぎたか・・・?傷ついたならすまぬ。で・・・私の家はどこだ?」                        

「へ?」                                                       

「私の家だ。」                                                

「えっ、あっ、はい!俺の家に住んでもらいますっ!」                                    

「そうか。すまんな。」                                                

ニコッと笑ってやると、レンは顔を真っ赤にした。女運が悪そうな男だな。                         

「いえっ!さぁ!あっちです!行きましょう!」                                    

「あぁ。」                                       

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私は魔女。人間ではなく魔女。1

ネタ消化・・・                                 

瓶底眼鏡さん!シベリアちゃん!ネタ提供ありがとうございます!リハビリとしてシベリアちゃんのネタも書いてます!!スランプから抜け出せそうなので、これはリクエストとして書きます!すいません!ネタありがとうございます

閲覧数:484

投稿日:2011/06/24 17:58:50

文字数:4,883文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

  • 関連動画0

  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    キタあああああああああああああああああああああああああああああああっげふっごほっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

    ……ハア、ハア……すみませんちょっともう興奮の度が過ぎて叫ぶしかありませんでした←
    もう自分のネタがこうした形で使われてるのを見ると嬉しくって仕方ないっすね!もう2828止まんないっすよ!!

    ああ、もう続きが楽しみで仕方ない……!

    2011/06/24 21:33:45

    • なのこ

      なのこ

      喜んでくれてるようでなによりです!興奮してくれると逆に嬉しいです!!                                
      2828だと・・・!!!?私のks小説でですか・・・!!!?あなたは神だ                     

      バッドエンドでいいですか?

      2011/06/25 07:33:22

  • 日枝学

    日枝学

    ご意見・ご感想

    読了! 張られた伏線が続きを見たくさせますね 良かったです!

    2011/06/24 21:28:09

    • なのこ

      なのこ

      初めまして!読んでくださってありがとうございます!                          

      続きを見たくさせるだなんて・・・とっても嬉しいです!ありがとうございました!!

      2011/06/25 07:31:16

  • シベリア

    シベリア

    ご意見・ご感想

    魔女なリンもいいね!!レンwwへタレで可愛い!!
    ミクは何で封印されたんだろ…?

    リンwww女運が悪そうってwwwww
    同居いいね同居!!←

    ネタリクエストとして書いてくれるの!?ありがとう!楽しみにしてるね^^

    2011/06/24 17:41:36

    • なのこ

      なのこ

      シベリアちゃん                                              

      魔女設定という私得設定を瓶底眼鏡さんが提供してくれました!!レンきゅんはマセとかでもいいけどヘタレがいいよ!                                              

      ミクさんの殺した人間たちは・・・ごほんこれ以上言うとネタバレになるな・・・                   

      リクエストとして消化します!!

      2011/06/25 07:28:19

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